オランダに拠点を持つディメンコ ディスプレイ(Dimenco Displays、以下:ディメンコ)から、裸眼8K 3Dディスプレイを開発できる、プロセッシングボード「Dimesa 8」の仕様が公開された。同社から近々、本プロセッシングボードを実装した裸眼8K 3Dディスプレイが一般に発売される。

ディスプレイの持つ光学フィルタが解像度の低下を引き起こすため、実際には4K入力をリアルスティックな立体視で観るようになる。ディメンコによると、「現実と区別できない経験」となる、いわゆる「シミュレート・リアリティ」を、最高レベルの4K立体視映像で体験してもらうには、8Kパネルが必要だという。Dimesa 8は、5個のアルテラのFPGAプログラマブル・チップを備え、リアルタイムでRGB各サブピクセルを動的に計算し、3D画像に統合する。

先駆けてディメンコは、2月に開催されたISE 2017で、8K 3Dディスプレイを参考展示した。当時のディスプレイは、独自のDimenco Clear Viewテクノロジーで、高コントラストと優れた黒レベル、クロストークレベル1.5%以下で映像を再現し、3D視野角140°を実現していた。

現在、Dimesa 8は量産に入っており、ディスプレイ開発企業に販売するとしている。併せて、ディメンコのブランドの32型と65型モデルの裸眼8K 3Dディスプレイを来年早い時期に発売する予定。

サムスンがCES2015で参考展示した、110インチクラスの裸眼8K 3Dディスプレイ

ディメンコは、フィリップス(Philips)の3D開発事業からスピンアウトした開発企業。昨年、裸眼3Dディスプレイを同社のコア事業の1つとしている、世界有数の光学フィルムメーカーの康得新複合材料(Kangde Xin Composite Material社:KDX)に買収されている。このKDXはオランダのフィリップスとドルビーラボラトリーズとの間で、裸眼の3Dアライアンスを確立し、この9月には、サムスンと技術提携に合意しており、ディメンコの技術を用いて、サムスンブランドの裸眼3Dディスプレイを開発していく。

(ザッカメッカ)