ハッセルブラッド・ジャパンは、文化学園大学大学院/グローバルファッション専修(英語による授業プログラム)とコラボレーションを行い、高木陽子/横山稔(同大学院教授)、三木勘也(准教授)の指導の下、写真を使ったファッションの表現方法を学ぶワークショップ(プロジェクトリサーチ)を開催した。ハッセルブラッドHシリーズカメラを使っての撮影、プロフォトによる照明機材協力も行われた。同ワークショップは通算3回目の開催で、2日間に渡って行われたワークショップの中から撮影実習の様子を紹介しよう。

ファッション業界は、雑誌やポートフォリオ、コレクションのレポートなど写真とは密接な関わり合いがあり、特にディテールこだわるファッションはできるだけクオリティの高い撮影をしたい。グローバルファッション専修のフォーカスはファッションデザインではあるが、写真を使ったプロフェッショナルな表現を学ぶプログラムは設けられていなかった。そこで、ハッセルブラッド・ジャパンでは、若いクリエーターにもっと写真を使った表現を親しんでほいという想いからこのワークショップを主催したという。

ARRIのSkyPanelシリーズやプロフォトの3台のD1モノライトストロボを使って撮影が行われていた

ワークショップの1日目は写真とファッションの関わり合いや中判デジタルカメラとほかのカメラとの違いについて学び、2日目は撮影実習。使用するカメラは、ハッセルブラッドH6Dシリーズのフラグシップ機で、ワンショット1億画素の「H6D-100C」と「H6D-50C」。

取材時にはHasselblad H6D-100cとHasselblad HCD 35-90mmF4-5.6を使って撮影が行われていたが、Hasselblad H6D-50cやHasselblad HC 80mmF2.8、Hasselblad HC 100mmF2.2、Hasselblad HC MACRO 120mmF4-IIなども用意されていた

撮影は、大学院生のクリエイターが自分のデザインしたファッションをどのように撮りたいかをアートディレクションし、それに合わせて講師のフォトグラファーのデレック槙島氏が照明を組んで撮影を実現する流れで行われていた。デレック槙島は、2015年度ハッセルブラッド・アンバサダーで、現ARRIアンバサダーとしても活躍中のクリエイターだ。

講師はフォトグラファーのデレック槙島氏。2015年のハッセルブラッド・ジャパンのアンバサダー

アードディレクションをする院生のRickyy Tsztung Wong氏(左)とカメラマンのデレック槙島氏(右)

過去2回のワークショップは教室に背景紙を組んで撮影が行われたが、今回のワークショップではデザイナーの狙いがストリートに近い感じのために大学の駐車場のコンクリート壁をロケに使用。デザイナーで院生のRickyy Tsztung Wong氏は、「ライトと動きで、ドラマティックな撮影がしたい」と要望し、デレック槙島氏がその要望を実現するライティングやアングル、ムーブメントをディレクションしてレベルの高いエディトリアルな写真を実現していた。学生がプロフォトグラファーから直接指導を受け、実際に作品を作っていく経験は将来、自分のブランドを立ち上げてアートディレクションをする際に必ず役に立つはずだ。

モニターを確認するデザイナーで院生のRickyy Tsztung Wong氏(左)とカメラマンのデレック槙島氏(中央)。撮影結果はテザー撮影により即Macで確認できる

学生によるアートディレクションだが、レベルの高いエディトリアルな写真を実現