昨年の夏、RED Digital Cinemaが発表した、ホログラフィックディスプレイを搭載した、Android OSスマートフォン「Hydrogen One(ハイドロゲン ワン)」が、今夏からプリオーダーの元に届けられることが明らかになった。REDは、4月にプリオーダーやコンテンツプロバイダー向けに“HYDROGEN Day”という、技術説明会的なプレビューイベントをREDスタジオで開催する予定も立てている。

この情報は、REDの創立者、ジム・ジャナード氏が、自ら公式ユーザーフォーラムに投稿したもの。プリオーダー価格は、1,195ドル(アルミ製筐体バージョン)。

ジャナード氏による新しい投稿では、ディスプレイとマルチチャンネルサウンドのオーディオの品質に加え、外姿についてティザーしている。本体には、Qualcomm Snapdragon 835 プロセッサを搭載、市販の5.7型ディスプレイを持つスマートフォンよりも56グラムほど重量があり、また異例な大きさの4500mAhバッテリーと、デュアルSIMスロットを搭載するため、厚みも増しているという。

Hydrogen Oneは、ポゴピンで接続するモジュラーシステムで、REDカメラのようにバッテリーモジュールや、シネマカメラレベルのカメラモジュールを装着できるようになっているという。

REDが “Modular Digital Camera and Cellular Phone(モジュラーデジタルカメラと携帯電話)”のために提出した特許出願書類)より。

REDは、この特許出願中の書類にて、Hydrogen Oneのようなスマートフォン(モジュラー式スマートフォン)を、電話機能、バックディスプレイからレンズに至るまですべてをスワップ可能なモジュラーカメラシステムに置き換えようとしている。REDがこれらのアイディアをHydrogen Oneで実現しようという試みが垣間見られる。

ジャナード氏の投稿では、他の進捗情報もリストアップされている。例えば、このスマートフォンをサポートするキャリアについては、前例のない通信会社とだけ伝えており、以前、REDがプロモーションしていたREDRAY4Kシネマプレイヤーで、ODEMAXチャンネルを介してインディーズ作品をストリーミング配信するサービスを構想していた時を思い出す。

一番注目されているディスプレイ部位については、HP LabsからスピンアウトしたLeia Incが開発するディスプレイ技術を採用。ホログラフィックRED Hydrogen 4-Viewコンテンツ(H4V)によるセミ3Dタイプのイメージを表示することができるとしている。LCD層に様々な方向からバックライトを投影する、ライトフィールド型3D立体視ディスプレイとみられる。画面上の画像を投影するバックライトの角度を組み合わせることで、裸眼3D的な効果を作り出すことができる。

4Dコンテンツ(ホログラフィックフォーマットH4V(拡張子は.h4v))について、同期をとった4台のカメラで、複数角度より被写体を撮影して制作するとしており、近日にも、このハイドロゲンディスプレイをサポートする、「ビックネームの」コンテンツ制作パートナー達を紹介できるとしている。

(ザッカメッカ)