富士フイルム株式会社は、同社の「Xシリーズ」の最新モデルとして、ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-H1」(以下:X-H1)を2018年3月1日に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別24万円前後(カメラボディ)。

X-H1は、新開発の高剛性・高耐久ボディに、Xシリーズで初めてボディ内5軸・最大5.5段手ブレ補正機能を搭載。手ブレ補正機構の製造工程において、レーザー測定器等を駆使し、部品の平滑度と位置を高精度にコントロール。厳格な品質管理のもと組立を行うことで、手ブレ補正駆動時でもミクロンオーダーでセンサー面の平行度を制御しているという。また、シャッター駆動時の微振動を抑制する新たな衝撃吸収機構や電子先幕シャッターなどを採用。

2430万画素「X-Trans CMOS III」センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor Pro」、フジノンレンズ、独自の色再現技術との組み合わせで人間の記憶に残る鮮やかな色、いわゆる「記憶色」を実現し、被写体の質感・立体感、その場の空気感までも記録することができ、幅広いシーンで究極の高画質を可能にするとしている。

別売アクセサリーの縦位置パワーブースターグリップ「VPB-XH1」(X-H1専用)装着時。防塵・防滴・耐低温-10℃に対応。バッテリーを2個装填できるため、カメラボディと合わせて計3個のバッテリーで、最大約900枚(ノーマルモード)の撮影が可能。4K動画の記録時間を約30分に延長できる

本体のマグネシウム合金の厚みを現行機に比べ25%アップ。マウント部の取り付け構造も最適化することで、小型・軽量ながら、衝撃などに対する高耐性を実現。外装には、粒度を高めた塗料を採用し、表面硬度8H相当を達成。擦り傷への耐性も優れている。防塵・防滴構造と-10℃の耐低温性能も備えている。

ファインダー倍率0.75倍、369万ドットのEVFを搭載。表示タイムラグ0.005秒、表示フレームレート100フレーム/秒の滑らかさで、被写体の動きやピント位置を高精度に把握。

背面モニターは104万ドット・3.0型LCDを採用。3方向チルト式による自在なアングルや静電式タッチパネルによる直感的な操作を実現。大型センサー搭載の中判ミラーレスデジタルカメラ「GFX 50S」に採用している1.28インチの天面サブLCDを搭載。

握りやすい新形状の大型グリップと力の伝達に優れたリーフスプリング式のレリーズボタンにより、高いホールド性とレリーズ性能を実現しているという。親指で操作が可能な「AF-ON」ボタンや、素早く正確にフォーカスポイントを移動できるフォーカスレバーを搭載し、快適なAF操作が可能。カメラ背面に配置しているボタンの大型化や前後コマンドダイヤルの心地よいクリック感、シャッター音の静音化を実現するなど、さまざまな操作性を向上している。

Xシリーズで初めて「フリッカー低減撮影機能」を搭載。蛍光灯や水銀灯など照明のちらつきがある不安定な光源下での連写撮影でも安定した露出を実現。新たなAFアルゴリズムにより現行機に対して像面位相差AF性能が向上。低照度限界を0.5EVから-1EVへ約1.5段分拡張し、暗所でのAF速度・精度が向上しているという。像面位相差AFが動作する最小絞りをF8からF11へ拡大。被写界深度を深くする場合や、超望遠ズームレンズ「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」に2倍テレコンバーター「XF2X TC WR」を装着して使用する場合などでも、像面位相差によるAFが可能。

また、「フィルムシミュレーション」に同社映画用フィルムの色・階調を再現した「ETERNA(エテルナ)」モードを新たに搭載。落ち着いた発色と豊かなシャドウトーンで動画撮影に適しており、撮影後の加工処理の自由度も高めるとしている。

200Mbpsの高ビットレート記録にも対応。素早く動く被写体のスローモーション再生時でも滑らかな動画を実現する「1080/120Pハイスピード動画(2倍/4倍/5倍スロー)」、広色域で撮影を行い、色や輝度などの編集が可能な動画データをSDカードに記録できる「F-Log SDカード記録」、明暗差の許容範囲を拡げる「ダイナミックレンジ400%(約12stop)設定」を搭載。その他にも、「DCI 4K(4096×2160)」、「高音質内蔵マイク(24bit/48KHz)」、「音声タイムコード」などの機能を搭載している。

MAYUMI SUZUKI “Next Project In Progress”

また、2月15日には東京・赤坂にあるANAインターコンチネンタルホテルにて、新製品発表会が行われ、X-H1、そして「フジノンレンズ MKX18-55mmT2.9」「フジノンレンズ MKX50-135mmT2.9」の発表、展示、タッチ&トライが行われた。

FHD/120p動画体験コーナーでは、X-H1とMKX18-55mmT2.9を組み合わせたハイスピード撮影が行われていた