ソニーは、有効約2420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor Rを搭載したレンズ交換式デジタル一眼カメラ「α7 III」を2018年3月23日に発売する(予約販売は3月2日10時より開始)。希望小売価格はオープン、市場想定価格はボディのみが税別230,000円前後、ズームレンズキット(ボディ+ズームレンズFE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)が税別250,000円前後。

α7 IIIは、有効約2420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーを新たに開発し、画像処理システムも新世代の画像処理エンジンBIONZ Xと画像処理をサポートするフロントエンドLSIに一新。裏面照射型のイメージセンサーとギャップレスオンチップレンズや反射を低減するARコーティング付きシールガラスを組み合わせることで、常用ISO感度は最高ISO51200、ISO100~51200(拡張ISO50~204800)の感度域をカバー。低感度時は、約15ストップのダイナミックレンジを実現。さらに本機では、システム内での16ビット画像処理に加え、新たにサイレント撮影時や連続撮影時の14ビットRAW出力にも対応。

手ブレ補正ユニットとジャイロセンサーを搭載。手ブレ補正アルゴリズムも最適化したことで、5.0段の補正効果を実現し、様々なブレに対して5軸でブレを検出して補正を行う。静止画撮影中の手ブレ補正効果は、シャッターボタン半押しまたはピント拡大表示中にライブビュー映像で確認可能。ボディ内手ブレ補正は、すべてのEマウントレンズはもちろん、マウントアダプターを介して装着するAマウントレンズなどでも活用できる。動画撮影時も5軸で手ブレを補正する。

画像処理システムの刷新に加え、進化したAFアルゴリズムを搭載することで、AF速度・精度・追従性能が向上。撮像エリアの約93%をカバーする範囲に693点の像面位相差検出AFセンサーを配置したほか、コントラストAFは従来機のα7 IIの25点から425点に多分割化し、検出精度が向上しているという。AF速度は低輝度時に最大2倍向上。動体追従性能においては、イメージセンサーからの読み出し速度の高速化により、連写中のAF測距・演算頻度を高め、さらに最新の動体予測アルゴリズムを本機に最適化して搭載することで、従来機比約2倍に向上している。また、AFアルゴリズムの進化により、AF-SモードでのAF検出輝度範囲の下限値はEV-3(ISO100相当/F2.0レンズ使用)を達成。

追従性に優れた瞳AF機能

瞳にしっかりとピントがきている

瞳を検出してオートフォーカスする瞳AF機能の検出精度・速度が向上し、AF-Cモードにも対応。被写体に動きのあるポートレート撮影などでも、瞳に安定して追従し続け、正面からうつ向き顔になった場合や振り向いた瞬間、逆光で顔が暗いシーンなど、ピント合わせが難しい状況でも、瞬時に瞳を検出しピントを合わせて追従する。AF時の顔優先が[入]時は、シャッター半押しやAF-ONボタンを押すだけで自動で瞳AFが作動する(AF-Sモード時のみ)。マウントアダプターを介してのAマウントレンズ装着時も瞳AFに対応。

最新のシャッターチャージユニットの採用に加え、画像処理システムを刷新することで、α7 II比の2倍となる最高約10コマ/秒のAF/AE追従高速連写を実現。無音・無振動のサイレント撮影時にも、同様に最高10コマ/秒で連写可能。ライブビュー方式では最高約8コマ/秒の高速連写が可能。また、バッファメモリーの大容量化に加え、システムの高速化とUHS-II対応のSDカードスロット採用などにより、最大約10コマ/秒の高速連写でJPEGスタンダード約177枚/圧縮RAW約89枚/非圧縮RAW約40枚の連続撮影が行える。フリッカーレス撮影にも対応しており、蛍光灯などの点滅によるちらつきを検知して適切なタイミングで静止画を撮影し、速いシャッター速度や連続撮影時に生じる露出や色合いのばらつきを低減するとしている。

フルサイズ領域で画素加算のない全画素読み出しにより、4K映像(QFHD:3840×2160)に必要な画素数の約2.4倍の情報量を活用して4K映像を出力。フォーマットは、フルサイズとスーパー35mmから選択が可能。4Kの記録フォーマットにはXAVCを民生用に拡張したXAVC Sを採用しており、最大100Mbpsのビットレートで記録可能。4K HDR対応のピクチャープロファイルとして、新たにHLG(Hybrid Log-Gamma)方式による4K HDR撮影に対応。

S-Log2に加えて、S-Log3を搭載。S-Log3設定時は14ストップの広いダイナミックレンジを実現。S-Log/HLG撮影時にモニタリングできるように、ガンマ表示アシストを搭載。加えてフルHD映像で120fpsのハイスピード撮影も可能。また、最大5倍までのスローモーションと、最大60倍までのクイックモーション撮影機能を搭載しており、最大50MbpsのフルHDで本体内記録が可能。撮影フレームレートは、1~120fpsまでの8段階より、また記録時のフレームレートは24p/30p/60pから選択可能。撮影後の編集作業もなくすぐにスロー効果、クイック効果をプレビュー確認できる。4K動画と低解像度のプロキシー動画の同時記録にも対応している。

一回の充電による静止画撮影可能枚数は710枚。また、同時記録やリレー記録に対応する2つのメディアスロット(スロット1はUHS-II対応)、高速データ転送が可能なSuperSpeed USB(USB 3.1 Gen 1)対応のUSB Type-C端子、マルチセレクター、タッチパネルを搭載している。縦位置グリップ「VG-C3EM」やグリップエクステンション「GP-X1EM」なども使用可能。

同社のパソコン用ソフトウェア「Imaging Edge」では、ライブビューを利用したリモート撮影(Remote)、撮影した画像の閲覧やレーティング(Viewer)、RAWデータの調整・現像(Edit)が行える。Ver.1.1では、パソコンからのリモート撮影(テザー撮影)によるデータ転送速度の約10%高速化をはじめ、RAW画像調整の応答速度も約65%改善されている。また、ネットワークドライブ利用時の信頼性を向上、リモート撮影時の縦横判別、バルブ撮影の露光時間指定、画像絞り込み機能の強化など、操作性や安定性が向上しているという。