キヤノンは、同社のレンズ交換式カメラEOSシリーズ用の交換レンズ「EFレンズ」の新製品として、中望遠70mmから望遠200mmまでのズーム全域で開放F値が一定の望遠ズームレンズ「EF70-200mmF2.8L IS III USM」を2018年9月下旬に、「EF70-200mm F4L IS II USM」を2018年6月28日に発売する。希望小売価格はEF70-200mmF2.8L IS III USMが税別30万円、EF70-200mm F4L IS II USMが税別18万5,000円。
EF70-200mmF2.8L IS III USMとEF70-200mm F4L IS II USMは、自然風景やスポーツ、ポートレートや鉄道などの撮影に適した焦点距離を備え、描写性能や操作性、堅牢性などの性能を追求した「L(Luxury)レンズ」。ズーム全域で開放F値が一定のズームレンズは、露出の設定や調整が容易。
■EF70-200mm F2.8L IS III USM
EF70-200mm F2.8L IS III USMは、従来機種「EF70-200mm F2.8L IS II USM」を約8年半ぶりにリニューアルした望遠ズームレンズ。従来のコーティングの見直しに加え、レンズ面に対して垂直に近い角度で入射する光に対して反射防止効果を発揮する特殊コーティング「ASC(Air Sphere Coating)」を採用。これにより、フレアやゴーストを大幅に抑制し、逆光性能を向上。さまざまな撮影環境下で高画質を実現。
蛍石レンズ1枚、UDレンズ5枚などの特殊光学材料を含む従来機種と同等の19群23枚のレンズからなる光学系を採用。従来機種同等のシャッタースピード換算で3.5段の手ブレ補正効果を搭載。
EF70-200mm F2.8L IS III USMの光学構成図
レンズ最前面と最後面に油や水滴が付着しにくいフッ素コーティングを採用。レンズに付着した油分なども溶剤を使わずに乾いた布などで取り除くことが可能。マウント部、スイッチパネル、フォーカスリング、ズームリングに防じん・防滴構造を採用。従来機種の操作性を継承しながら、白塗装の色味など外観デザインを変更している。
■EF70-200mm F4L IS II USM
「EF70-200mm F4L IS II USM」は、従来機種「EF70-200mm F4L IS USM」を約11年半ぶりにリニューアルし、シャッター速度換算で5段分の手ブレ補正効果を実現した望遠ズームレンズ。新開発の高速CPUと高性能ジャイロの採用、アルゴリズムの改善により、シャッタースピード換算で5段分の手ブレ補正効果を実現。従来機種の3段分から手ブレ補正効果が向上。静止した被写体撮影に適した手ブレ補正モード「ISモード1」に加え、モータースポーツや鉄道写真の流し撮りに適した「ISモード2」を搭載。従来機種に非搭載だった「ISモード3」を新たに搭載。シャッターボタン半押し時には手ブレ補正は行わず、露光中にのみ手ブレ補正が作動。スポーツなど激しく動く被写体の撮影に適しているという。
色収差を極小に抑制可能な光学特性を持つ蛍石レンズ1枚と、UDレンズ2枚を含む、15群20枚のレンズからなる光学系を採用。従来機種で使用しているレンズ構成を継承したもの。
レンズ配置と形状の最適化により、最短撮影距離を従来機種の1.2mから1.0mに短縮。最大撮影倍率は0.27倍を実現。望遠ズームレンズながら被写体に近寄り、よりクローズアップ撮影が可能。コーティングの最適化により、フレアやゴーストを抑制。円形絞り羽根9枚の構成により、円形に近いボケ形状を実現。
EF70-200mm F4L IS II USMの光学構成図
レンズ最前面と最後面に油や水滴が付着しにくいフッ素コーティングを採用。レンズに付着した油分なども溶剤を使わずに乾いた布などで取り除くことが可能。レンズ鏡筒内部のメカ構造の見直しにより、高い耐久性、耐振動衝撃性を実現。マウント部、スイッチパネル、フォーカスリング、ズームリングに防じん・防滴構造を採用している。
リングUSM(Ultrasonic Motor:超音波モーター)駆動と高速CPUの搭載に加え、AFアルゴリズムの最適化により、高速オートフォーカスを実現。AF後にマニュアルでフォーカスの微調整が可能なフルタイムマニュアルフォーカス機構も搭載している。