富士フイルム株式会社は、6月12日および13日の2日間、東京・青山にある青山テピアにて、レンズ製品を中心とした内覧会「FUJINON映像機器内覧会2018」を開催中だ。

同内覧会では、2/3インチ4Kレンズを始めとした2018年の最新ラインアップ製品や、4KとHDレンズの比較展示、4Kレンズのタッチ&トライなどを行っている。

■4K vs HDレンズ:Contrast比較

HDカメラにHDレンズ(HA23×7.6)と4Kレンズ(UA24×7.8)をつけて比較。HDカメラに4Kレンズをつけた場合でも画がよくなるといった展示。多群ズーム方式や大口径非球面レンズの採用、面精度向上により、4K性能に直結する高周波数域だけでなく、低周波数域でも高いMTFを実現

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コントラストの比較(左:HDレンズ、右:4Kレンズ)。4Kレンズの方が背景の白や、文字の黒がハッキリと表示され締まった印象
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■4K vs HDレンズ:Resolution比較

4KカメラにHDレンズ(HA14×4.5)と4Kレンズ(UA13×4.5)をつけて比較。同じ4Kカメラを使用してもHDレンズと4Kレンズで細かいところの表現に差が表れる。高周波数域の違いがわかる展示

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左:HDレンズ、右:4Kレンズ。4Kレンズの方が細部までくっきり表示されている
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■4K vs HDレンズ:4K HDR比較

4KカメラでのHDレンズと4Kレンズ(UA24×7.8)比較。UA24×7.8では、ダイナミックレンジが広がることで目立つフレア成分が軽減するように設計されている。また、色滲みもHDRにするとより悪く見えてしまうとのことで、色滲みの原因となる色収差を低減した。鏡胴の内面反射のカットや、青の透過率を高めてホワイトバランス調整後のノイズを低減する新コーティング技術HT-EBCの採用、新素材のガラス採用により光の分散を抑えて色滲み軽減を実現

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左:HDレンズ、右:4Kレンズ。色滲みはピントがあった状態よりも、少しずれているときの方が目立つということで、その点も改善されているとのこと
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光を自在にコントロールするコーティング技術として、同社の色分解プリズムの展示も行われていた。コーティング技術により白い光で入ってきたものをRGBカラーに変換する。3板式イメージセンサーカメラに必要な技術。同社のプリズムは放送用途だけでなく、多くのカテゴリーのカメラに採用されているようだ

参考展示の新製品UA46x(写真はUA46x9.5)。HDR撮影時に目立ちやすい色滲みを抑制。46倍高倍率と4K光学性能を両立している。広角9.5mmのUA46x9.5と、最高1242mmの焦点距離を実現するUA46x13.5の2タイプ

F1.5の大口径4KレンズUA27x6.5は、4K対応の27倍ズームレンズ。ズーミング時の中間ボケを極限まで抑制。ワイド側だけでなく、テレ側やエクステンダー搭載時も高画質を実現

ズームレンズUA24x7.8は、独自の光学技術を駆使した小型・軽量設計により、質量約1.98kgと軽量。広角7.8mmから187mmまでカバーする24倍高倍率ズーム

小型・軽量ボディの4K対応放送用ズームレンズUA18x5.5。広角5.5mmから望遠100mmまでの焦点距離を1本でカバー。最短撮影距離0.4mでの撮影も可能

HK4.7と武蔵オプティカル社製の拡大光学アダプターOptMag for Full-Frameを組み合わせることで、4Kオーバーの高解像度をフルサイズカメラでも使用可能になるという。レンズ・アダプターともにフランジバック調整機構がありシム調整が不要。会場ではSonyのVENICEと組み合わせた展示が行われた

WOWOWエンタテインメント株式会社のカラーマネージメントツール「IS-miniX」の展示も行われていた。サポートのリソース確保が困難な点や、旧サーバーの維持が困難とのことで2018年9月末でIS-miniManagerのサポートが終了になる。IS-miniManagerに代わり、WonderLookProの使用を推奨しており、LUTの送信だけであれば、WonderLookProに同梱しているWonderLookSimpleを使用することも可能だという。なお、今回のサポート終了を機にキャンペーンも実施しているので、興味がある読者は是非チェックしてほしい