株式会社ニコンの子会社である株式会社ニコンイメージングジャパンは、大口径の新マウントを採用したフルサイズ(ニコンFXフォーマット)ミラーレスカメラ「ニコン Z 7」「ニコン Z 6」を発表した。発売時期はZ 7が2018年9月下旬、Z 6が2018年11月下旬予定。希望小売価格はオープン、市場想定価格はZ 7本体が税込44万円前後、Z 6本体が税込27万円前後。以前、開発発表していたもの。
「ニコン Zマウントシステム」は、大口径の新マウント採用のミラーレスカメラ、それに対応するNIKKOR Z レンズおよびアクセサリーで構成するシステム。同社のデジタル一眼レフカメラ「D」シリーズを中心に培ってきた画作りや操作性などのニコンクオリティーを継承しているという。ネーミングには、究極の性能を追求していくニコンの姿勢、それを通してユーザーに最高の満足感を得ていただきたいという想いを込め、究極・最高を意味し、アルファベット最後の文字として、未来への「架け橋」を想起させる「Z」を採用しているという。
Z 7/Z 6は、像面位相差AF画素搭載の裏面照射型CMOSセンサーを採用。Z 7は、有効画素数4575万画素、常用感度ISO64~25600を達成(ISO32相当までの減感、ISO102400相当までの増感も可能)。Z 6は、有効画素数2450万画素、常用感度域ISO 100~51200(ISO50相当までの減感、ISO204800相当までの増感が可能)を実現。
Z 7は493点、Z 6は273点のフォーカスポイントが、撮像範囲の水平、垂直約90%の範囲をカバー。FXフォーマットセンサーに最適化したアルゴリズムで、像面位相差AFとコントラストAFを自動的に切りかえてピントを合わせる。NIKKOR Z レンズ使用時には、静止画でも動画でもより高いAF精度を発揮するとしている。
新画像処理エンジン「EXPEED 6」を搭載しており、NIKKOR Z レンズやNIKKOR Fレンズの解像力を最大限に活用し、被写体をシャープに描写するとしている。また、高感度でも効果的にノイズを低減する。また、ピクチャーコントロールのシャープネス調整に「ミドルレンジシャープ」を新たに搭載。既存の「輪郭強調」、「明瞭度」と併用して、画面内のテクスチャーをきめ細かくシャープに見せたりソフトに見せたりすることができます。「輪郭強調」、「明瞭度」、「ミドルレンジシャープ」は、静止画、動画ともに有効。
Z 7/Z 6ともに、約369万ドット、有機ELパネルを採用した電子ビューファインダーを搭載。視野率は約100%、ファインダー倍率は約0.8倍、対角視野角は約37.0°。接眼保護窓にはフッ素コートを施し、汚れの付着やフレア、ゴーストを防ぐ。また、ファインダー内にもiメニューが表示され、覗いたままの状態で、ISO感度やAFエリアモード、ピクチャーコントロールなどの設定を確認、変更が可能。
同社が長年のカメラ開発で培ってきた操作性を継承しており、小型ボディーを実現しながらグリップはしっかりと握りやすく、サブセレクターやAF-ONボタン、ISOボタン、露出補正ボタンなどが素早く操作しやすい位置に配置したという。カメラ上部には表示パネルを設置し、デジタル一眼レフカメラ上位機種と同じように設定情報が確認可能だ。
フルフレームでの4K UHD(3840×2160)/30pだけでなく、フルHD/120pの動画撮影も可能。4K UHD動画撮影時には、全画素読み出しにより解像感の高い映像が得られるとしている。また、4K UHD、フルHDともに「アクティブD-ライティング」、「電子手ブレ補正」、「フォーカスピーキング」を使用可能。さらに、10bitでのHDMI出力時には、同社独自の「N-Log」が使用可能。12段、1300%のダイナミックレンジを活かし、暗部とハイライト部の豊かな階調情報が得られるため、より効果的なカラーグレーディングが可能だとしている。また、他の動画素材との同期や、映像と音声の同期を容易にする「タイムコード」を動画データに記録可能。NIKKOR Zレンズに搭載したコントロールリングを使うことで、絞りや露出補正などの静かでスムーズな操作も可能。
カメラ内手ブレ補正(VR)を搭載しており、手ブレ補正ユニットを5軸に駆動させて補正し、シャッタースピード最大5.0段分の補正効果が得られる。「マウントアダプター FTZ」を介してVR非搭載レンズを含むNIKKOR Fレンズ使用時にも効果を発揮する。
また、株式会社ニコンでは「バッテリーパックMB-N10」を開発中だという。バッテリーパック MB-N10は、「Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15b」を2個装填でき、撮影可能コマ数および動画撮影可能時間を約1.8倍に拡張可能。Z 7/Z 6と同等の防塵・防滴性能を確保し、グリップ性能も向上。「本体充電ACアダプター EH-7P」を使用してUSB充電もできます。 なお、発売時期・発売価格などの詳細は未定。
また、発表日と同じく8月23日には東京都・品川区にある寺田倉庫にて新製品発表会が開催され、新製品の紹介、トークセッション、フォトセッション、タッチ&トライなどが行われた。
写真左より株式会社ニコン 常務執行役員 映像事業部長 御給伸好氏、代表取締役 兼 社長執行役員 牛田一雄氏、執行役員 映像事業部開発統括部長 池上博敬氏
会場には多くのプレス関係者が集まった