Facebookの開発者向けカンファレンス「F8」にて、同社はRED Digital Cinemaとの新たなパートナーシップを発表し、FacebookのSurround360テクノロジーに基づきSix degrees of freedom(6DoF)コンテンツをキャプチャできるVRカメラを開発すると発表した。そして半年もたたない9月末には、Oculus側の年次カンファレンスOculus Connect 5で、そのカメラの実態が初公開された。

「マニホールド」と名付けられた360/VRカメラは、一昨年のF8 でFacebookが発表した、新しいSurround360カメラリファレンスデザイン(2モデル、X-24カメラとX-6カメラ)の間を取ったように、16個のRED HELIUM 8K S35センサーを搭載し(シュナイダー製カスタム8mm f/4.0 180°魚眼レンズを搭載)、RAWで8K/60fpsでキャプチャする。

昨年F8で披露されたSurround360カメラリファレンスデザイン、X-24とX-6カメラ

マニホールドは、所定のボリューム内から複数のカメラアングルを同時にキャプチャすることで、視野内の任意の方向から無限の視点を生成する。

Filming the Future with RED and Facebook 360 – Manifold in Action

Manifold captures multiple camera angles simultaneously from within a given volume, enabling infinite perspectives to be generated from any direction within a field of view. Read here: http://facebook360.fb.com/2018/09/26/film-the-future-with-red-and-facebook-360/

Facebook 360さんの投稿 2018年9月26日水曜日

そしてFacebookの深度推定技術により、カメラで撮影したビデオをライトフィールドにすることができ、元の視点から6DoFの動きが可能となるという。シーン、キャラクター、小道具、日常の背景など、あらゆるシーンから3D情報をキャプチャし、ボリュームの細部と動きを強化した高品質なビデオバーストを実現させる。シーンを容積で捕捉し、前/後、ピッチ、ヨー、ロールが可能になることで、視聴者が360°ビデオ内でも、ある程度物理的に移動できるようになるというわけだ。

360°/VRコンテンツ制作はポストワークフローであり、Facebook 360とREDは、Adobe、Foundry、そしてOTOYと提携し、ワークフローを最適化して効率化し、配信までのシステムを実現する。

カメラは電源用に単一のSMPTE 304Mケーブルを使用。カメラコントロールユニットとストレージデバイスは、モニタリングやサードパーティのステッチ処理用に5つの12G-SDI出力を備えたカメラヘッドから最大100mの位置に設置できる。現時点でマニホールドの価格やリリース時期については開示されていないが、16台のRED 8Kカメラヘッドに相当するスペックと6DoF対応を意識した360°カメラシステムとなれば、投入業界先も絞られてくる。

REDといえば没入感ある映像創出に力を入れているようで、最近では、Lucidと提携して、ホログラフィックスクリーンを持つ携帯電話デバイスHydrogen One用の8K 3D/4Vカメラを開発している

(ザッカメッカ)