株式会社朋栄は、バーチャルスタジオ/リアルタイムCGシステム「VRCAM-NX」を2018年11月上旬に発売する。
VRCAM-NXは、1台の送出用ワークステーションでバーチャルスタジオ運用とリアルタイムCG(RCG)運用の両方を実現。固定カメラでもカメラワークをしているかのような運用が可能だったVRCAM2の機能と、テンプレートCGを活用した簡易送出機能によりRCG運用の利便性を高めたSmartDirectRCGの機能を組み合わせており、バーチャルスタジオ運用とRCG運用を切り替えながら使用できるよう、新たなシステムとして設計し直したという。
VRCAM-NXは利用方法に合わせてターンキーシステムとして提供され、送出用ワークステーションのパフォーマンスを有効に活かせるよう制御用PCを独立させる構成と、シンプルに送出用ワークステーションで制御も兼ねる構成を選択可能。
制御用PCは、VRCAM-NX Contソフトウェアがインストールされ、制御GUIが利用可能。この制御GUIで制御する送出用ワークステーションにはVRCAM-NX Procがインストールされ※1、さらに目的に応じたビデオボードが追加される。対応するビデオカードは、MBP-2244WS/2244WS-4K。MBP-2244WSは、ビデオウォールV1/K1、V2/K2の2系統入力と、個別に信号選択できる4系統の出力を搭載しており、MBP-2244WS-4Kでは4Kカメラ1系統入力と4K合成1系統出力、または4Kカメラ入力とHDビデオウォールV/K入力がそれぞれ1系統とHD合成出力に対応する。送出用ワークステーションにVRCAM-NX Contソフトウェアをインストールすることで、ワークステーション1台で制御用PCと兼用するシンプルな運用が可能だとしている。
バーチャル運用時に利用可能な4K対応ソフトウェアクロマキーを搭載したほか、新たにレイヤー機能を搭載。シーンの組み立てや、カメラの動きに連動させるCGと連動させないCGの切り分けが、より直感的に行えるようになったとしている。CG描画エンジンとなるBrainstorm eStudioは最新のVer.15を採用し※1、PBR(物理ベースレンダリング)やHDR(ハイダイナミックレンジ)といったレンダリング表現が可能。これまでSDIモニターを接続して行う必要があった映像プレビューについても、制御GUI上に表示できる。
また、最大4台までのバーチャルカメラ運用に対応。この4台のうち2台までトラッキングセンサー付きカメラを利用できる。それぞれのカメラごとに送出用ワークステーションを用意して、より複雑な演出を行うことも可能で、その場合は複数の送出用ワークステーションを1台の制御用PCに登録することにより、送出用ワークステーションを切り換えながら制御することができる。
なお、VRCAM-NXは2018年11月14日~16日に幕張メッセにて開催される放送機器展「InterBEE 2018」の同社ブース(ホール3/3509)にて展示予定。
(※1)リアルタイムCG処理を行うためのBrainstormライセンスが別途必要。送出用にはBrainstorm Engineライセンスが、送出に加え、CGライブラリの新規作成や詳細編集をするためにはBrainstorm Globalライセンスが必要。