Blackmagic Designは、メジャーアップデートとなるDaVinci Resolve 15.2を発表した。DaVinci Resolve 15.2は、同社Webサイトから無料でダウンロード可能。

DaVinci Resolve 15.2の編集タイムラインは、より高いフレームレートで表示されるため、編集やトリム作業が高速かつ高反応、滑らかに感じられるという。さらに、編集時にクリップがスライドインまたはスライドアウトする新しいアニメーション機能によって、各種編集がタイムライン上の他のクリップに与える影響を正確に把握できるとしている。

また、未使用のクリップをまとめることでタイムラインをクリーンアップできるようになり、タイムコード入力はソフトウェア全体を通して簡素化されている。

パンケーキ編集(複数タイムライン間のクリップ編集)をこれまで以上にすばやく簡単に行える機能も追加。タイムラインや複合クリップをソースビューアにロードし、それらを展開した状態で現在のタイムラインに編集可能。Xキーを押すだけでソースタイムラインのクリップをマークし、現在アクティブなプログラムタイムラインに編集できる。

エディットページのインスペクタ、オンスクリーンコントロール、メタデータビューアが自動更新に対応したため、再生ヘッドの位置にある一番上のクリップの情報が表示され、パラメーターを変更する際にクリップを手動で選択する必要がなくなった。

キーボードカスタマイズ機能はデザインが一新された。新しいビジュアルインターフェースでは、使用中のキーをすばやく確認し、ショートカットを割り当てられる。キーボード設定は複数のシステムで共有でき、ショートカットはアプリケーション内の他のページやユーザーインターフェースパネルにも割り当てられる。また、ショートカットはコンテクストメニュー内のコマンドにも割り当て可能。新しいハイライト機能によって、インターフェース上の現在アクティブな部分を簡単に確認できるので、ユーザーは使用可能なキーボードショートカットを把握できる。

新しいResolveFXプラグインも搭載。ブランキングフィル・プラグインは、スクリーン上のレターボックス状またはピラーボックス状の黒い領域を、焦点が合っていないビデオを使用して自動的に埋める。背景を手動で作成する必要がないので、縦長のビデオまたは写真を標準的なワイドスクリーンのタイムラインで簡単に使用できる。新しいビューティ・プラグインは、肌や他の素材の質感や傷などを、自然な風に滑らかにするプラグイン。また、カラリスト用にACESトランスフォームや色域リミッターのプラグインも新たに搭載。カラリストは、ミキサーノードに接続されたノードを無効にしてミキサーノード入力をバイパスし、ギャラリースチルをカスタム名で書き出せるようになった。

Fairlightページでも多くの機能が改善された。一般的な問題の修正や、最終的なオーディオのマスタリングを、これまで以上に高速かつ簡単に実行できるFairlightFXプラグインが、新しく追加された。新しいステレオ修正プラグインには、一般的なチャンネルマッピングのプリセットが含まれているため、クリップの修正をワンクリックで実行でき、ステレオトラックに編集されたデュアルチャンネルのモノダイアログなどの問題をすばやく修正できる。

新しいマルチバンドコンプレッサーは、リアルタイムのスペクトル分析に対応しており、周波数帯域を4バンドに分けて個別に調整できため、マスタリング時にアーチファクトを生じさせずに、全体のボリュームを理想的なレベルに調整できる。また、Fairlightページには、複数のチャンネルストリップを連動させるVCAグループ機能も追加された。これにより、複数トラックのゲインを同時に調整できる。

2018年4月のNABで発表されて以来、Blackmagic Designのエンジニアチームは世界中のプロユーザーたちのフィードバックに耳を傾け、その結果、4月以降に追加された新機能の数は110以上に登る。

なお、DaVinci Resolve 15.2は、2018年11月14日~16日に幕張メッセにて開催中の「Inter BEE 2018」の同社ブース(ホール8/No.8216)にて展示されている。