キヤノンは、2/3型センサーを搭載した4Kカメラ対応ポータブルズームレンズの新製品として「CJ18e×28B」を2019年6月下旬、「CJ15e×8.5B」を2019年7月下旬に発売する。希望小売価格はともにオープン。
CJ18e×28B/CJ15×8.5Bは、4Kに対応する光学性能を持ちながら、HD放送用カメラ対応のポータブルレンズと同じ機動性と運用性を確保した「UHDgc」シリーズ。独自の光学設計で、2/3型センサー搭載の4Kカメラに相応しい光学性能を実現。蛍石やUDレンズを採用するとともに、それらを最適配置することで、色収差を良好に補正。色にじみや被写体の輪郭の色づきを抑制し、画面の隅々まで優れた色再現性を実現しているという。
レンズのコーティング技術や、鏡筒内面の反射を防ぐ設計により、ゴーストやフレアの発生を抑制。ITU-R BT.2020の色域対応により、カメラで撮影されたITU-R BT.2020色域の映像の色収差を高精度に補正可能。
CJ18e×28B
CJ18e×28Bは、ハンディレンズでありながら倍率18倍、焦点距離28~500mmを実現。2倍のエクステンダーを本体に内蔵し、ズーム域を28~500mから56~1000mmに切り替えることができ、望遠端で最大1,000mmの超望遠撮影が可能。エクステンダー使用時でも4Kカメラに対応する高い光学性能を実現しているという。
CJ15×8.5B
CJ15e×8.5Bは、光学倍率15倍、焦点距離8.5~128mmをカバー。高い抑振性を実現する光学防振機構を搭載。同社独自のバリアングルプリズムによる手ブレ補正機構を採用し、2枚のガラスに挟まれた高屈折率の液体の角度を変化させることにより、光軸を傾けブレを補正している。広角端から望遠端までズーム全域で、かつ幅広い振動周波数で高い抑振性能を実現しており、4Kカメラ対応の光学性能を確保しながら肩かつぎや車載などの撮影シーンに対応するとしている。
左:手ブレ補正オフ、右:手ブレ補正オン
高分解能16bit絶対値エンコーダーを採用したデジタルドライブユニットの搭載により、ユーザーの操作意図を忠実に再現する制御性能を実現。高精度な位置検出が可能なため、実際の映像とバーチャル映像を合わせる際に容易にキャリブレーションが可能だという。絶対値エンコーダーの採用により、ドライブユニットに電源が供給された際に、初期化の動作をせずに、カメラ側の色収差補正機能や位置検出、ビューファインダー上の位置表示が可能。
ズームデマンドの新製品「ZDJ-GN1」はZDJ-DN2のサイズを踏襲しながらディスプレイを搭載。2019年9月下旬発売
20PIN端子を3か所に備えることで、ズーム/フォーカスコントローラー(ともに別売)の両方を使用した場合でも、バーチャルシステム用信号出力端子を確保することが可能。ドライブユニット上に情報ディスプレイを搭載しているため、各種機能の容易な設定、調整、操作が可能。
ディスプレイを搭載したフォーカスデマンド「FDJ-G01」。2019年9月下旬発売
■仕様
CJ18e×28B | CJ15e×8.5B | ||
エクステンダー | 1.0× | 2.0× | 1.0× |
焦点距離 | 28-500mm | 56-1000mm | 8.5-128mm |
ズーム比 | 18× | 15× | |
最大口径比 (Fナンバー) |
1:2.8(28-286mm) 1:4.9(500mm) |
1:5.6(56-572mm) 1:9.8(1000mm) |
1:2.5(8.5-68mm) 1:4.7(128mm) |
画角 | 19.5°×11.0°(28mm) 1.10°×0.62°(500mm) |
9.8°×5.5°(56mm) 0.55°×0.31°(1000mm) |
58.9°×35.2°(8.5mm) 4.3°×2.4°(128mm) |
最至近撮影距離 | 2.2m | 0.8m | 最接近時の撮影範囲 | 71.0×39.9cm(28mm) 4.1×2.3cm(500mm) |
35.5×20.0cm(56mm) 2.1×1.2cm(1000mm) |
95.8×53.9cm(8.5mm) 6.4×3.6cm(128mm) |
外形寸法 (幅×高さ×長さ) |
約177.8×122.5×268.3mm | 約170.2×116.2×239.5mm | |
質量 | 約2.76Kg(IASE S、本体のみ) | 約2.03Kg(KRSE-V S、本体のみ) |
なお、CJ18e×28B/CJ15×8.5Bは、2019年4月8日から11日(米国時間)に米国ラスベガスで開催されるNAB2019の同社ブース(セントラルホール/C4425)にて展示予定。