© TBS SPARKLE

Blackmagic Designの発表によると、株式会社TBSスパークルが、1955年~1980年代の16mmフィルムのデジタル化をすべくCintel ScannerおよびDaVinci Resolveを導入したという。同社は、自社で取材した映像や、映画、ニュース番組などの約3000点を超えるフィルムのデジタル化に取り組んでいる。

TBSスパークルは、ドラマ、バラエティ、報道、スポーツなどの番組制作会社であり、フィルムアーカイブの作業を担当しているマネジメント本部は、株式会社東京放送ホールディングスが放送したドラマ、バラエティ、音楽、ニュース番組など約130万本の映像を管理している。その他に自社制作の番組やコンテンツ映像も管理しており、その中には40年以上前のフィルムも存在している。

同社の西村寿生氏は次のようにコメントしている。

弊社が、所有しているフィルムをデジタルデータ化して活用したいと以前から考えていましたが費用の面で現実的ではなく、実行することができない状況が長い間続いていました。フィルムアーカイブを外部へ委託した場合には2億円以上の費用が発生してしまいます。なんとか3000点以上の貴重な映像を残す方法を探し続ける中で、低価格で高品質なCintel Scannerにたどり着き、インハウスでのフィルムアーカイブが可能になったのです!

© TBS SPARKLE

フィルムの中には、国産第一号のテレビドラマ「ぽんぽこ物語」の原盤フィルムもあるという。「ぽんぽこ物語」は1957年に日本で初めて収録・制作されたテレビドラマだ。このような貴重なドラマやニュース、ドキュメンタリー映像は、時代風景の分かる映像として多くの需要があるため、歴史を振り返る映像として提供する予定だという。

西村氏は、Cintel Scannerの利点のひとつとして、視覚的ロスレス圧縮RAWフォーマットで高画質なイメージを保存できることをあげている。

経年劣化により色褪せてしまったフィルムでも、Cintel Scannerは、RAWでスキャンでき、DaVinci Resolveで色調整ができます。RAWデータでスキャンしているため、本来の色を再現することが可能です。

© TBS SPARKLE

24fpsでリアルタイムスキャンした映像はThunderbolt経由でMacに送信され、DaVinci Resolve Studioを使って取り込んでいます。Cintel ScannerとDaVinci Resolveの連携は、シームレスに作業を行えるので非常に効率的です。無駄な中間ファイルを作成する必要が無く、スキャン後のファイルのコピーに時間をかけることはありません。プロセスがシンプルなため、余分な機材が必要なく、コンパクトなスペースで作業することができます。

DaVinci Resolveでは、カット編集、色調整、音声の調整を行なっています。DaVinci Resolveのメディアページのシーン自動検索は非常に便利です。スキャンデータの全てのシーンを使用するということはほとんどないため、使用したい部分だけをこの機能で効率よく見つけられます。必要なクリップを取捨選択できるのは、とても楽です。Cintel Scannerを導入したことで、効率的なフィルム修復ワークフローを実現しました。