Blackmagic Designの発表によると、High School Nationがアメリカ全土の高校に提供するプログラムにおけるメインカメラとして、Blackmagic DesignのURSA Mini Proを使用しているという。High School Nationは、先日行われた2019年のNFLプロボウルおよび大リーグのトレーニングイベントの撮影にもURSA Mini Proを使用している。

High School Nationは、2014年にジミーとマイク・カンティロン両氏により設立された。当時、両氏の弟のバンドが演奏できる場所を探す手伝いをしたことを発端に、アメリカ全土の教育機関や若いアーティストへの支援を提供する同団体を設立することに至ったという。

ジミー・カンティロン氏: High School Nationは、10代の若者に様々なキャリアが世の中に存在することを伝えることを当初から目標にしています。学生がクリエイティブな分野でのキャリアを実際に体験することで、人生の全く新しい道筋が切り開けるという信念に基づき活動しています。

High School Nationは、放送を勉強する学生たちを定期的にNFLプロボウル、NBAサマーリーグ、MLBオールスターウィークなどの著名なイベントに連れていっている。しかし、開始当初はシンプルなものだった。始めは、若いミュージシャンたちを高校のラジオ局に招き、インタビューをする活動をしていた。インタビュー後には構内でランチタイムにコンサートを行っており、そこから、デジタルプロダクションへと活動を広げるのは理にかなったことだった。

High School Nationのビデオグラファーであるライアン・スラッタリー氏は、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6Kへのアップグレードを歓迎したという。同カメラによりプロ仕様の機能が使用できるようになったからだ。

スラッタリー氏: フッテージの品質は素晴らしいですね。S-Log 3で何年も撮影してきたので、コーデックの移行はかなりスムーズだったと思います。しかし、10-bitの色深度が得られることは、非常に重要でした。全体として、URSA Mini Proのセットアップは、LUTに対応したモニターや、XLR入力、ショルダーマウントが搭載されているので、以前に比べて簡単ですね。

High School Nationが同カメラを初めて使用したのはNFLプロボウルだったが、その際にスラッタリー氏はカメラが現場で柔軟に対応できることの素晴らしさに気づいたという。

スラッタリー氏: 60fpsのUltra HDで撮影できたんです。以前のカメラでは60fpsの撮影には1080にする必要があったので、私たちにとって画質の改善となりました。他の改善点は、XLRマイクのコードを別のオーディオレコーダーの代わりに、直接カメラに接続できるようになったことです。また、一脚やスタビライザーでの撮影からショルダーマウントでの撮影に移行することもできました。加えて、色深度の素晴らしさには本当に驚かされています。

DSLRからURSA Mini Proへの移行は、High School Nationにとって大きな変化であったが、学生にも歓迎された。学生たちは、インタビュー準備の一環としてカメラのセットアップを経験できたからだ。

カンティロン氏: 先生も含めて学生全員が、学校でこのような機器を使用できたら、どんなに素晴らしいかとコメントしていました。誰もが感心していました。

High School Nationは、今後もプログラムの拡大を続け、さらにデジタルプロダクションの幅を広げて行く予定だという。

カンティロン氏: デジタルメディアの導入や、制作の授業、ラボの設立などを希望する学校が増えている中、全国の公立学校でそれを実現する手伝いができるのはないかと考えています。学校がこのような授業をまず開始点として始め、その後、クリエイティブな道に進むための部門を構築するようになればと思っています。学生たちが高校卒業後に身を立てる手伝いをしたいと考えています。大学進学や就職の際に、すでに20代後半の人たちと同じレベルで新しいテクノロジーや機器の知識があるのは、利点になるはずです。私たちの目標は、学校が大規模な制作スタジオを設立できるようにし、学区全体で何か面白いものを制作するために使用できるようにすることです!

しかし、High School Nationの活動の目標は、学生に還元し、クリエイティブ分野での経験を提供することで、学生たちが希望する分野に進むための道筋を形成することだという。Blackmagic Designのテクノロジーを使用できるだけでなく、一流のアスリートやアーティストと交流できるのはユニークな経験であるが、他のあらゆることと同様に技術を身に着けるには練習が欠かせないという。