アップルは、デスクトップオペレーティングシステムの最新版「macOS Catalina(カタリナ)」をプレビューした。デベロッパ向けプレビューは6月3日より、developer.apple.comを通じてApple Developer Programのメンバーに提供される。Macユーザーに対しては今月中にパブリックベータプログラムが提供される。

iTunesが「Apple Music」「Apple Podcasts」「Apple TV」の3本へ

macOS Catalinaでは、iTunesに代わる3つのアプリケーションが新登場し、Macユーザーが好きな音楽、テレビ番組、映画、Podcastを探しやすく、楽しめるようになる。

新しいMac用ミュージックアプリケーション「Apple Music」は、5千万以上の曲、プレイリスト、ミュージックビデオの中から新しい音楽を発見することができる。このアプリケーションで、楽曲をダウンロードしたか、購入したか、CDから取り込んだかどうかに関係なく、ミュージックライブラリの全体にアクセスできるようになる。音楽を手元に置いておきたい人は、クリック1つでiTunes Music Storeを開いて音楽を購入できる。

Mac用のミュージックアプリケーションにより、これまで以上にすばやく、簡単に新しい曲を探せるようになる

「Apple TV」アプリケーションは、映画やテレビ番組の検索、視聴が1つのアプリケーションで実行できる。Apple TVチャンネルや、パーソナライズされたおすすめコンテンツが利用でき、iTunesで提供されている10万以上の映画、テレビ番組を閲覧、購入、レンタルすることができる。「今すぐ再生」セクションには「次に観る」という機能があり、現在視聴しているコンテンツを記憶して、どのデバイスの画面からでも視聴を再開できるようになっている。今年の秋には、Appleが独自に提供するビデオ配信サービス「Apple TV+」がApple TVアプリケーションで利用できる予定。

「Apple Podcasts」アプリケーションでは、70万を超えるポッドキャストが提供されている。このアプリケーションでは、新しいエピソードが公開されたらすぐに通知してくれるオプションも用意されている。また、このアプリケーションには新しいカテゴリが追加されており、世界中のエディターが厳選したコレクション、さらにはエピソードをホスト、ゲスト、話題となっているトピックで指定して検索できる高度な検索ツールも備えている。

Apple Podcastsには、高度な検索ツールと、世界中のエディターが厳選したコレクションが備わっいる

iPadがMacの拡張ディスプレイになる「Sidecar」を搭載

また、新機能の「Sidecar(サイドカー)」により、ユーザーはiPadを2台目のディスプレイまたは高精度の入力デバイスとして使用し、Macのデスクトップを拡張することができる。Sidecarを使うことで拡張ディスプレイを簡単に使えるようになるので、外出中のユーザーはどこにいても2台のディスプレイを使って作業できるようになる。

Apple Pencilと組み合わせると、スタイラスペンの入力に対応しているMacアプリケーションなら、iPadを使って描画、スケッチ、書き込みができる。Sidecarは、Final Cut Pro Xを使ったビデオ編集や、Adobe Illustratorを使った描画、iWork文書のマークアップにも役に立つ。その他の連係機能と同じく、Sidecarはワイヤレス接続でも使えるので、ユーザーは自由に持ち運びして作業できるようになる。

Sidecarにより、iPadとApple Pencilの直感的な操作性と正確性がMacのクリエイティブアプリケーションにもたらされ、しかもワイヤレス接続で実行ができる

アップルのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏は次のようにコメントしている。

macOS Catalinaでは、スタンドアロン版のApple Music、Apple Podcasts、Apple TVアプリケーションを皮切りに、これまでにはない新しいアプリケーションがMacに登場することになります。ユーザーのみなさんには、Sidecarで作業スペースを広げ、iPadとApple Pencilを使ってMacアプリケーションを操作できる新しい方法が加わることを喜んでいただけるものと思います。また、新たに導入されたデベロッパ向けテクノロジーにより、今秋にはさらに多くのサードパーティ製人気アプリケーションがMacで利用できるようになる予定です。