富士フイルム株式会社は、コンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM X100V」(以下:X100V)を2020年2月下旬に発売する。カラーはシルバー(2月下旬発売)とブラック(3月発売)の2色。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別164,500円前後。

X100Vは、同社「X100シリーズ」の第5世代モデル。X100シリーズとして初めて、ボディ天面および底面にアルミニウムを採用。成形自由度の高いアルミニウムをプレス・切削加工することで、ボディのエッジ部をシャープに仕上げつつ、表面には微細なブラスト処理を施し滑らかな質感を追求。さらに、アルマイト処理により着色を行うことで、高品位な外観を実現したとしている。

ボディ背面には、X100シリーズとして初めてチルト式液晶モニターを搭載。ハイアングルからローアングルまで様々なスタイルでの撮影が可能。また、タッチレスポンス性能も備えており、直感的な操作性を実現。また、手になじむグリップ形状を採用しつつ、操作しやすい位置に各種ボタンを配置することで、快適な撮影を実現。

シャッタースピードダイヤル内にISOダイヤルを内蔵した「ビルトインISOダイヤル」を搭載。電源を入れることなく、各種設定を確認・調整することがで、ISO感度の調整時には、「ビルトインISOダイヤル」の外周部を引き上げた状態でロックしISOダイヤルを操作できるなど、利便性が向上している。

焦点距離23mm(35mm判換算:35mm相当)・開放F値2の固定式単焦点レンズを新開発。非球面レンズ2枚を採用した、X100V専用設計のレンズにより、画面全域において高解像・高コントラストを活かしたシャープな描写を実現したという。また、裏面照射型2610万画素「X-Trans CMOS 4」センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載。

OVFとEVFを自由に切り替え可能な「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を搭載しており、OVFでは被写体をありのままにとらえることができ、EVFでは露出などの撮影条件を確認しながら撮影することができる。

EVFにはX100シリーズとして初めて、約369万ドットの有機ELパネルを採用。最高輝度1500カンデラに加え、高いコントラストも実現しており、暗い部分や明るい部分もEVF上で精緻に映し出すことができ、撮影への没入感を高めたとしている。OVF上には小型EVFを同時表示できる「エレクトロニックレンジファインダー」機能を搭載し、OVFでありのままの被写体をとらえながら、小型EVFで合焦部を拡大表示できるなど、ファインダーの可能性を追求している。

最新のアルゴリズムにより、暗闇に近い低照度-5EVの環境下でも高速・高精度な位相差AFを実現するとともに、顔・瞳AFの性能が向上。任意のフォーカスレンジをあらかじめ設定できる「フォーカスリミッター」機能も備え、スムーズなAFで撮影をサポート。

「フィルムシミュレーション」に全17種類のモードを搭載。スナップ撮影などで愛用されてきたカラーネガフィルムをもとに画質設計した「クラシックネガ」モードにより、高いコントラストによる立体感溢れる表現が可能。また、同社映画用フィルムの色・階調を再現した「ETERNA」モードでは、落ち着いた発色と豊かなシャドウトーンの動画を撮影することができるという。

フィルムで撮影した写真がもつ独特の粒子感を再現する「グレイン・エフェクト」機能を搭載し、「粒度」「強度」の設定を調整することで、グレインの粗さ・濃さを調整可能。また、30コマ/秒の4K動画撮影と、フルHD動画では60コマ/秒で動画撮影が可能。

また、別売のアダプターリング「AR-X100」とプロテクトフィルター「PRF-49」を装着することで、防塵・防滴を実現。また、光学性能やF値を変えることなく焦点距離を変更できるコンバージョンレンズ2種類(別売)にも対応。ワイドコンバージョンレンズ「WCL-X100 II」は、焦点距離を約0.8倍の19mm(35mm判換算:28mm相当)に変えることができるため風景撮影などで威力を発揮し、テレコンバージョンレンズ「TCL-X100 II」では焦点距離を約1.4倍の33mm(35mm判換算:50mm相当)に拡大でき、自然な遠近感を活かしたポートレート撮影などが行えるとしている。

レザーケース「LC-X100V」をX100V(シルバー)に装着

そのほかにも、本革製のレザーケース「LC-X100V」(別売)により、高級感溢れる外観を実現し、本体に装着したままメモリーカードやバッテリーの出し入れが可能だという。