株式会社朋栄の発表によると、同社が国内総販売代理店として活動しているDejero Labs Inc.は、技術提供会社のコンソーシアムに参加し、NASAおよび民間航空宇宙ベンチャーSpaceX社の打ち上げ報道をサポートするためのさまざまな放送技術を提供したという。

SpaceX社の初飛行は、2011年にスペースシャトルが退役して以降9年ぶりに米国内から打ち上げる宇宙船となり、NASAの米国人宇宙飛行士ロバート・ベンケン氏とダグラス・ハーレー氏の2名が搭乗した。ケネディ宇宙センターからの打ち上げは、当初5月27日(現地時間)に予定されていたが、悪天候のため延期され、5月30日(現地時間)に実施された。

同打ち上げ報道にあたり、ニュース報道関係者のグループは、NASAのプレスサイトにおけるソーシャルディスタンス(社会的距離)ガイドラインに従いながら報道することができるソリューションを探してたという。Dejero社の技術を使用した国際的な配信は、国際宇宙ステーションへの打ち上げを余すところなく伝えられるように複数のドームカメラを配置し、そのカメラ映像を使用して行われた。打ち上げまでの数日間、放送局は現場にオペレーターを配置せず、ケネディ宇宙センターのドームカメラの映像を使用した。

Dejero社は、各機器を宇宙船打ち上げ時により幅広く配信でき、映像を共有できるソリューションとして提供。新型コロナウイルス パンデミックへの対策をとりながら、最小限の人数で高品質な放送を容易に行うため、ブロードキャストキットとしてポータブルなラックに収めてケネディ宇宙センター内に配置された。ブロードキャストキットには、映像信号のエンコード用に1Uラックマウント型Dejero PathWayエンコーダー/トランスミッターを2台使用し、低遅延で高画質な映像を出力したという。この映像は、IPビデオ配信ネットワークDejero MultiPointのクラウドで管理され、ケネディ宇宙センター内のさまざまなカメラ映像を低遅延でリアルタイムに各社と同時に共有することができた。

フロリダのローカル放送局であるXJWTは、2台のDejero WayPointレシーバーを使用して、ケネディ宇宙センターにあるPathWayからのカメラ映像を受信し、デコードして出力した。放送局WJXT/放送局WCWJの技術担当アシスタントディレクターであるアリ・ハッサン氏は、今回の取り組みついて以下のようにコメントしている。

WayPoint 2台を使用したことで、これまでよりも多くのカメラ映像をニュースルームに提供できました。2台で合計8チャネルあり、そのうち2系統はケネディ宇宙センター専用です。この2系統のライブカメラ映像は、クラウドストリーミングインフラであるAWS ElementalにWJXTから配信され、Graham Media Group系列の全放送局がデジタルプラットフォーム上で使用しました。