キヤノンは、新開発の有効画素数約4500万画素(総画素数約4710万画素)フルサイズCMOSセンサーと新映像エンジン「DIGIC X」、「RFレンズ」により、カメラの基本機能を総合的に進化させた「EOS R システム」の次世代フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」を2020年7月下旬に発売する。希望小売価格はオープン、同社オンラインショップでの販売予定価格は税別460,000円。以前、2020年中の発売を目指し開発発表していたもの。

R5専用に新開発された有効画素数約4500万画素フルサイズCMOSセンサーを搭載

EOS R5は、新開発の有効画素数約4500万画素フルサイズCMOSセンサーの高速信号読み出しと、新映像エンジン「DIGIC X」の高速処理、「RFレンズ」により、EOSシリーズ史上最高の解像性能を実現した高画質と高速連写を両立。

電子シャッター撮影時は、AF/AE追従で最高約20コマ/秒の高速連写を実現。野生動物との対峙やゴルフの試合会場などのシーンにおいてシャッター音を気にせず撮影が可能だという。メカシャッター/電子先幕撮影時は、最高約12コマ/秒の高速連写が可能。「DIGIC X」により、静止画撮影時に常用で最高ISO51200(拡張ISO:102400相当)を実現。人間の視覚特性に基づくHDR PQ方式での静止画/動画記録に対応。RAW現像ソフトウェアで行っていたHEIF(10bit)記録をカメラ内で実現。

RAW現像時のオートライティングオプティマイザ機能へ、新たに「顔ライティング補正」を追加。顔のコントラストが高いときに、自動的に顔の明るさを補正することが可能。また、レンズの収差などを補正する「デジタルレンズオプティマイザ」に「強め」が追加されている。

新CMOSセンサーの高速信号読み出しと新映像エンジンの高速処理により、「デュアルピクセルCMOS AF II」としてAF性能が向上。「顔+追尾優先AF」設定時の測距エリアは、画面の最大約100%(縦)×最大約100%(横)の範囲へ拡大。さらに静止画撮影時には、AFフレームは、最大1053分割のエリアから自動で選択。

人物の瞳・顔・頭部検出に対応。EOS Rと比較して、より小さな瞳や横顔の検出性能が向上。さらに、動物(犬/猫/鳥)の瞳・顔・全身検出に対応し、被写体の捕捉率を向上。

EV-6の低輝度合焦限界を達成し、肉眼では被写体の視認が難しい暗い環境下でも高精度なピント合わせを実現しているという。デュアルピクセルCMOS AF IIとRFレンズの駆動制御の最適化により、最高約0.05秒の高速AFを実現。

「EOS-1D X Mark III」に搭載したAFアルゴリズムを採用し、シーンに合わせて「被写体追従特性」「速度変化に対する追従性」があらかじめ初期設定された「Case1~4」と、被写体に合わせて自動で設定が切り替わる「Case A(Auto)」により快適な撮影が行える。

8K収録可能

CMOSセンサーの高速信号読み出しと、新映像エンジン「DIGIC X」の高速処理により、8K/30P動画の内部記録が可能だ。8KでRAWデータ(12bit)による動画の内部記録にも対応。4K/120Pハイフレームレート動画の撮影も行える。

フルフレームで4K120Pハイフレームレートを実現

4K高画質設定を「入」にすると8Kからのオーバーサンプリングとなる。8Kで読み出すため、フレームレートは最大で29.97Pまで

8Kデータから高画質な4K動画を生成でき、クロップ(切り出し)なしのオーバーサンプリングによる4K/30P動画を実現。8K/4K/フルHD撮影において、デュアルピクセルCMOS AF IIによる滑らかなAFを実現しているという。また、キヤノン独自のLogガンマ「Canon Log」を生かした映像表現も可能。

記録メディアはCFexpressとSDカードを採用

CFexpressカード(Type B)とSDメモリーカード(UHS-II対応)のデュアルスロットを搭載している。

EOSシリーズで初めて、手ブレに連動して撮像素子を動かす補正機構をボディー内に採用。水平回転軸/縦回転軸/回転軸/左右/上下の5軸でのボディー内手ブレ補正を実現。手ブレ補正機構が搭載されていないレンズでも、カメラとレンズの組み合わせに応じて広角から望遠まで快適な撮影が可能。レンズ側の光学式手ブレ補正機構と、ボディー内の手ブレ補正機構の協調制御により、世界最高8.0段の手ブレ補正を実現。動画撮影時には、ボディー内とレンズ内の手ブレ補正機構の協調制御に加え、動画電子ISの併用もできる。

スマホなどの携帯端末へのWi-Fi/Bluetoothによる接続に対応。EOSシリーズで初めて、カメラ内蔵のWi-Fiとして5GHz帯の無線LAN規格に対応し、高速で安定した通信が可能だという。FTP、FTPSに加え、ワイヤレスファイルトランスミッター「WFT-R10B」(別売)使用時はSFTPでの転送が可能。

カメラから「image.canon」への画像自動転送機能を搭載しており、image.canon経由で「Google Photos」や「Adobe Creative Cloud」(メンバーシッププラン)へ静止画を自動転送可能。

防じん・防滴構造を採用し、水滴や砂じんのカメラ内部への侵入を抑制。さらに、堅牢性と軽量化を両立する高剛性のマグネシウム合金製ボディーにより、高い信頼性を確保したという。

約576万ドットの有機ELパネルを採用した視野率約100%の高精細な電子ビューファインダー(EVF)を内蔵。表示フレームレートを「119.88fps(なめらかさ優先)」に設定することで、動体の追いかけやすさが向上している。

EOS R5専用の別売アクセサリーとして、縦位置バッテリーグリップ機能を備えたワイヤレスファイルトランスミッター「WFT-R10B」を同日に発売する。希望小売価格は税別118,000円。2.4GHz帯と5GHz帯の無線LAN 規格に対応。IEEE(米国電気電子学会)が定める5GHz帯の高速通信規格「IEEE 802.11ac」や「IEEE 802.11n」は、2×2 MIMOにも対応し、カメラが内蔵するWi-Fiを超える高速通信を実現するという。

■R5とR6の動画機能比較表
機種名 EOS 5 EOS 6
価格(税別) 460,000円 305,000円
マウント RF
センサーサイズ FF
ダイナミックレンジ 12
ISO感度 100-25600
(H51200)
100-25600
(H204800)
最大解像度 8K RAW 30P / 4K60P 4K60P
記録モード 4:2:2 10bit
フォーマット MP4/MP4(HEVC)
RAW 8K RAW内部収録 ×
HFR 4K120P FHD120P
記録メディア CFexpress/SD SD×2
ND 〇(要M.A)
質量 645g 598g

(左)R5、(右)R6

(左)R5、(右)R6

EOS R5およびEOS R6共通の別売アクセサリーとして、縦位置撮影時の操作性が向上し、バッテリー(LP-E6NH、LP-E6NまたはLP-E6)を2本を装填することで撮影枚数を増やすことが可能なバッテリーグリップ「BG-R10」を2020年7月下旬に発売する。希望小売価格は税別33,000円。