キヤノンは、2/3型センサー搭載の4K放送用カメラに対応するポータブルズームレンズの新製品として、広角ズームレンズ「CJ20e×5B」を2020年12月下旬に発売する。希望小売価格はオープン。
CJ20e×5Bは、2/3型センサー搭載の4Kカメラに対応する高い光学性能を持つ、光学性能を重視したハイエンドユーザー向けのポータブルズームレンズ「UHDxs」シリーズの広角ズームレンズ。キヤノンの4K放送用カメラ対応ポータブルズームレンズとして最広角の「CJ15e×4.3B」、「CJ14e✕4.3B」に次ぐ広角端5mmを実現しながら、使用頻度の高い焦点距離も幅広くカバーする高倍率20倍ズームを両立している。
広角端5mmと最至近撮影距離約0.4mにより、スペースの限られた場所や被写体に接近した撮影が可能。2倍のエクステンダーをレンズ本体に内蔵し、ズーム域を5~100mmから10~200mmに切り替えることができる。また、4K光学性能を持ちながら、質量約2.24kg、外形寸法約W166.3×H110.8×D251.7mmと、HD放送用カメラ対応レンズと同等の小型・軽量な筐体を実現している。
非球面レンズの最適配置、多群ズーム方式の採用により、ズーム全域で画面中心から周辺まで高い解像力とコントラストを達成。蛍石やUDレンズ、UDレンズの性能をさらに向上させたスーパーUDレンズを最適配置することにより、色収差を補正し、色にじみや輪郭の色づきを抑えた高画質を実現している。インナーフォーカス方式を採用し、フォーカス変動を抑制して近距離から遠距離まで高画質を達成している。
カメラ側に備えられているITU-R BT.2020色域の映像の色収差を高精度に補正する機能に対応し、ITU-R BT.2020ベースの色収差補正データを搭載しており、4Kカメラ装着時に画面の隅々まで高い色再現を可能にしている。HD対応の放送用カメラに装着して使用する場合でも、より高画質な映像を撮影可能。
高分解能16bit絶対値エンコーダーを採用した高機能デジタルドライブユニットを搭載しており、高精度な位置検出が可能なため、実際の映像とバーチャル映像を合わせる際に容易にキャリブレーションができる。絶対値エンコーダーの採用により、ドライブユニットに電源が供給された際に、初期化の動作をせずに、カメラ側の色収差補正機能や位置検出、ビューファインダー上の位置表示が可能。
20PIN端子を3カ所に備えることで、ズーム/フォーカスコントローラー(ともに別売り)の両方を使用した場合でも、バーチャルシステム用信号出力端子を確保することができる。ドライブユニット上に情報ディスプレイを搭載し、各種機能を簡単に設定、調整、操作可能。2019年4月に発売したズームデマンド「ZDJ-GN1」やフォーカスデマンド「FDJ-G01」、従来のキヤノン製デマンドにも対応している。