txt・構成:編集部

スコット・ベルスキー氏が未来のCreative Cloudを語る

2020年10月21日~23日まで無料オンラインイベントとして開催されるAdobe MAX 2020。その開催に先立ち、Creative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPOのスコット・ベルスキー氏に対するQ&Aセッションがオンラインで行われた。その質疑応答の内容を紹介しよう。

Creative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO Scott Belsky氏

充実するアドビのモバイル対応アプリケーション

――モバイルアプリについてお伺いします。Illustrator iPad版でアドビの主要ソフトウェアのモバイル移行が完了すると思いますが、今後どのような分野を拡充したいか?などの考えを教えてください。

まずPhotoshopがiPad対応になりました。そして、IllustratorもiPadでも使えるようになります。アドビはニーズがあるところに対応していきます。

イラストレーション、あるいはデザインの性質を考えるとiPadはとても向いていると思います。スタイラスペンを使って、これから描けるのはとても楽しみだと思います。

Adobe IllustratorがiPadに対応

――すでに正式リリースしているPhotoshop iPad版の反響はいかがですか?

PhotoshopがiPad対応になった際にお客様からの反応は2つに分かれました。まずPhotoshop iPadで使えるようになって嬉しいという方です。インターフェースもシンプルになり、刷新されたツールと評価を頂き、本当に喜んでくれた方がいました。

それとは逆に、Photoshopデスクトップをそのまま持ち歩いて使いたい方からは、これが足りない、あれが足りない、という反応が返ってきました。

そういったお客様には耳をしっかり傾けて、しっかり優先度をつけ、きちんとiPad上で提供しようというと考えています。

Adobe Photoshop iPad版

――アップル版に比べると特にAndroid版はアプリの対応が遅いと感じますが、今後それが改善される可能性がありますか?

アドビは、マルチプラットフォーム対応していきます。消費者向けの製品では、Photoshop Express、Photoshop Cameraなどが、マルチプラットフォーム対応です。お客様のニーズは、優先順位付だと思います。すべてアクティブで使われているプラットフォームに関しては、各製品について対応を考えています。

――Fresco iPhone版が登場しましたが、iPad版だけでなくiPhone版に対応しようと判断が行われた理由を教えてください
――Photoshop Cameraについて教えてください。ユーザーからのフィードバックはいかがですか?

Photoshop Cameraの提供方法については、今のところ変更はありません。より多くの人たちにクリエイティビティビリとCreative Cloudに入っていただきたいので無償です。

Photoshop Cameraのユーザーで、自身のレンズを作りたい方はPhotoshopが必要で、そのときにCreative Cloudのお客様になっていただけると考えています。

コンシューマー向け製品は、とてもエキサイティングな成長がみられる領域です。積極的にプロダクトが登場すると思います。

――アドビはクリエイターではないユーザーに対して、どのようにアプローチをしていこうとお考えですか?

クリエイティブではない部門の人たち、例えばソーシャルメディアで話をしている人、あるいは、Microsoft PowerPointを使っている人たち、プロではない人たちの需要も上がってきています。それに対応する方策は2つです。

まず、第一にプロ向けではない製品、いえわゆる一般の方向け製品が増えています。例えば、Adobe Spark、Photoshop Express、Premiere Rushなどです。どちらかといえば、何時間もトレーニングを受けてられないという人向けです。こういった製品も非常に順調です。アドビとしても今後、投資をしたいと思います。

それからもう一つは、よりトレーニングとオンボーディングを強化していきます。そしてより良い洗練したインターフェースを製品に設けることだと思っています。ですからAdobe MAXではPremiere Proのプレリリースで新しいデザインで共有してまいります。それは我々にとってPremiere Proをよりアクセスできる。より多くの人に使っていただけるための大きな取り組みです。

また、Photoshopでもデスクトップ体験を簡素にするシンプルにするための改善をしてきました。よりアクセスを拡大していくために、様々なことを行っています。本当にイニシアチブの一部しか今はご紹介していませんが、そんなところを工夫しています。

期待の高まるARMアーキテクチャ対応Creative Cloud

――Windows/Macでも、ARMアーキテクチャを使ったマシンが増える傾向にあります。アドビとしてはどう対応していきますか?

もうすでに発表済みですが、マイクロソフトとARMをサポートしていきます。また、アップルのAppleシリコンの件は、密接に連携することを発表しています。ほぼ全てのプロダクト、新しいプロダクト、新しいプラットフォームで来年対応する計画をしております。