Blackmagic Designの発表によると、Sheridan College’s Screen Industries Research and Training(SIRT)CentreがURSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラを含む、多数のBlackmagic Design製品を導入したバーチャル制作スタジオであるVirtual Production Innovation Hubを新しく構築したという。
主要な研究センターであるSIRTは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、リモートでのバーチャル制作に業界が移行するのをアシストするために、Virtual Production Innovation Hubを設立したとしている。
SIRTは、2009年にSheridan Collegeにより、映像関連の業界におけるトレーニング、コラボレーション、創作の場として創立された。カナダのオンタリオ州トロントに所在する同センターは、映画、テレビ、ゲーム業界のデジタル映像のキャプチャーおよび制作過程における技術革新に焦点を絞っている。Virtual Production Innovation Hubは、Pinewood Toronto Studios内にあり、SIRTの最新鋭の制作スタジオおよびラボ施設の一部として設立された。
SIRTは、同ハブのLEDウォールの前に立つ出演者を撮影するメインカメラとして、URSA Mini Pro 12Kを選定した。SIRTのジュニア映像制作スペシャリストであるケビン・サントス氏は次のようにコメントしている。
数台のカメラを使用してLEDウォールとのシャッターの互換性を試したのですが、URSA Mini Pro 12Kでは極めて優れた結果が得られました。他と比較してはるかに上手く色モアレや走査線を扱えると実証されました。
URSA Mini Pro 12Kは、その高い解像度とハイダイナミックレンジだけでなく、DaVinci Resolve Studioとの統合性の高さを理由に選びました。DaVinci Resolveはパイプラインを通して使用しているので、これは重要でした。DaVinci Resolve Studioは非常に直感的に編集でき、URSA Mini Pro 12Kが導入された今は、すべてがシームレスになりました。
12×3メートルのLEDウォールが設置されたバーチャル制作パイプラインでは、1台のURSA Mini Pro 12Kと9台のBlackmagic Micro Studio Camera 4KそれぞれにVideo Assist 3Gモニター/レコーダーを取り付けて使用されており、これらのカメラフィードは5台のHyperDeck Studio Proレコーダーと1台のATEM Television Studio Pro 4Kライブプロダクションスイッチャーに送信されている。
ATEM Television Studio Pro 4Kのプログラム出力は、DeckLink Studio 4Kキャプチャー・再生カードを使用して、直接コンピューターに送信されているので、SIRTはあらゆるライブ配信プラットフォームでビデオを扱うことができる。
また、MultiView 16モニターがHyperDeck Studio Proの全フィードを確認するために使用されており、2台のSmartView 4KおよびSmartView Duoモニター、多数のMicro Converters HDMI to SDIおよびMini Converters SDI Distribution 4Kもシステムに組み込まれている。
SIRTの制作主任であるジェイソン・ハンター氏は次のようにコメントしている。
当センターでは、コロナウイルス関連の規制に従いつつ、クリエイターたちが創造性を活かし、業界に貢献できるようにすることをゴールとしています。このシステムは、物理的にスタジオに来ることのできない人たちが、直接、柔軟に視聴でき、実際にここにいる人と効果的なコミュニケーションを図れるように作られています。
Blackmagic Designのカメラフィードが、HyperDeck Studio ProおよびATEM Television Studio Pro 4Kに送信される、このリモート・バーチャル制作ワークフローを構築したことで、クライアントに渡す様々なフィードを個別に収録でき、リアルタイムで配信用にスイッチングできるようになりました。カメラで完成にできるだけ近い映像を得る必要がある、バーチャル制作でこれは特に重要です。
現在、スタジオに入れる人数が限られているので、実際の制作に立ち会えない人たちが多数存在します。当センターのシステムでは、ATEM Television Studio Pro 4Kのプログラムフィードをクライアント指定のビデオ会議ソリューションに配信できるため、リアルタイムでクライアントがフィードバックや指示を行うことができます。実際に現場でリアルタイムで何が起きているか、またいかに処理されているかを同じ場所にいない人物が確認できるのは、非常にすばらしいですね。
SIRTのバーチャル制作主任のスペンサー・イデノウエ氏は次のようにコメントしている。
バーチャル制作技術は、映像制作の世界を変えていくことになるだろう、と信じています。しかし、導入にあたっての費用が極めて高いことも理解しています。新しいVirtual Production Innovation Hubを通して、このワークフローを試したいと考える方々にバーチャル制作を体験できる機会を提供したいと考えています。
Blackmagic Designにより、コンテンツの収録だけでなく、バックエンドのテクノロジーにおける安定性を維持するために必要な機器が多数提供されているおかげで、それを実現することが可能となっています。
Virtual Production Innovation Hubだけでなく、SIRTではBlackmagic Design機器を使用して、トレーニングやデモビデオ、リサーチセッションの収録なども行っている。
SIRTでは、問題を解決するための様々なクリエイティブな方法を提供できるようにしています。新しいテクノロジーのテストからワークフローの改善まで、多数のことを通じて、変わり続けるテクノロジーを用いた業界で働くクリエイターたちに対して、役立つツールを提供することを使命としています。新しいアプローチを試み、体制に挑戦していくBlackmagic Designに研究機関として敬服しています。
他の技術を使用して、このインフラを構築していたら、現在のような簡便さや時間効率を実現することは非常に難しかったと思います。Blackmagic Design製品は、バーチャル制作であっても、デジタルシネマ、VRや拡張現実、リモートコラボレーションなどの分野のリサーチであっても、すべてがシームレスに機能します。