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シグマは9月9日、フルサイズミラーレス向けIシリーズの交換レンズ「SIGMA 24mm F2 DG DN」「SIGMA 90mm F2.8 DG DN」の新製品発表会をYouTubeにて実施した。新しい「プレミアムコンパクトプライム」Iシリーズは2021年9月24日発売で、希望小売価格はともに税込85,800円。

オンライン発表会には、同社代表取締役社長の山木和人氏が登壇。新製品のレンズ2本の魅力を解説した内容をお伝えする。

Iシリーズはコンパクト設計で、ビルドクオリティーと光学性能が特徴

山木氏が発表したのは、「SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と「SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary」の2本。レンズ表記はDG DNで、レンズはフルサイズミラーレスカメラ専用に設計されたもの。マウントはLマウントとソニーEマウントをラインナップ。

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どちらも、ContemporaryラインのSIGMA Iシリーズに新たに追加されたレンズ。 Iシリーズの光学系はコンパクトに設計し、特にビルドクオリティーと光学性能が特徴だという。

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Iシリーズの主なコンセプトは、「プレミアムコンパクトプライム」で、同シリーズを発表するまでコンパクトな単焦点レンズの大部分はエントリーレベルの光学系として市場の下層部に位置付けられていたと語った。製造コストを抑えるため、これらのレンズは通常プラスチック製の筐体で作られ、フォーカスモード切換えスイッチなどの基本的な機能ですら備えていなかったという。

そこで、Iシリーズ導入の目標は、コンパクトでありながら、プレミアムな造りと優れた光学性能の実現、と考えを紹介した。

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この目標を実現するために、Iシリーズのレンズをフードを含め金属の削り出しで構築。フォーカスリングと絞りリングもすべて金属製で、リングとフードの溝は1つひとつすべて機械で加工。フォーカスリングと絞りリングの非常にスムーズで正確な操作感を実現するため、すべての部品を慎重に設計し、とても厳しい公差で製造しているという。

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Iシリーズで実現した操作感は、シネレンズの製造で得た経験と専門知識の賜物だという。シネレンズは、光学品質とビルドクオリティーの両方に関して特に高い基準を持つプロの撮影監督によって使用されており、ハイエンドの撮影監督のニーズに応えるための継続的な取り組みを通じて、Iシリーズ製品に適用したと紹介した。

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新しいIシリーズレンズの登場により、Iシリーズには6本のレンズをラインナップ。24mm F3.5、45mm F2.8、そして新しい90mm F2.8の3本と、開放値F2が共通となる35mm F2、65mm F2、新しい24mm F2の3本。Iシリーズという同じコンセプトの下、さまざまな焦点距離を利用できるようになったとアピールした。

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あらゆる場面で楽しめる高品質の常用レンズSIGMA 90mmF2.8 DG DN | Contemporary

SIGMA 90mmF2.8 DG DN | Contemporaryから紹介。このレンズで目指したのはコンパクトなサイズ感だという。また、最小かつ最軽量のフルサイズミラーレスカメラSIGMA fpシリーズとも最適な組み合わせとアピールした。このレンズの光学設計者と機構設計者は、fpシリーズとの完璧なマッチングを目指して開発したと語った。

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90mm F2.8 DG DNの長さは59.7mm、最大径は64mm。質量は295gとコンパクト設計となっており、Iシリーズのコンセプトに沿って、優れた光学性能の実現を目指したという。

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90mm F2.8 DG DN | Contemporaryのレンズ構成とMTFチャートを紹介。全部で11枚のガラスを使用しており、その内の5枚がSLDガラス。ほぼ半数に特殊低分散ガラスを使用して、高い光学性能を実現しているという。

MTFは、中心から周辺まで非常にシャープでコントラストの高い画像であると紹介。ポートレート、風景、静物など、さまざまな写真用途に使用されるレンズであることを想定して、高いレベルの光学性能を達成することが重要と考えたという。

高い光学性能を実現するために、軸上色収差と球面収差を抑制。これらの収差はデジタルでうまく補正できないため、レンズの光学系で補正することが重要と語った。このレンズに用いた非球面レンズは、球面収差を抑えるのに非常に効果を発揮するという。

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このレンズのもう一つの光学的特長は、近接撮影能力だという。光学設計者はこのレンズがどのように使用されるかを慎重に検討した結果、近接撮影能力が非常に有用になると信じたという。最短撮影距離は50cmで、印象的なクローズアップ撮影が可能。

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このレンズのもう一つの印象的な光学的特長はボケ味で、ポートレートに最適としている。ピントがあったところはシャープだが、ボケ味は滑らかでとても魅力的だという。

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山木氏はまとめとして、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryはコンパクトに設計されているが、滑らかなボケ味とシャープでコントラストの高い画像を実現。また、近接撮影能力が高いことも特長で、これは多くの撮影シーンで非常に役立つと紹介した。

描写力とサイズが特徴のSIGMA 24mm F2 DG DN

次にSIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporaryの光学的特長を紹介。

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コンパクトに設計されており、長さは72mm、最大径は70mm、質量は365g。

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24mm F2 DG DN | Contemporaryのレンズ構成図とMTFチャートを紹介。このレンズは、1枚のFLDガラス、2枚のSLDガラス、2枚の非球面レンズを使用。FLDガラスは蛍石と同じ特性を持っており、これらの特殊ガラスを採用することで、高い光学性能を実現。MTFが示すように、このレンズも中心から周辺まで高い光学性能を実現しているという。

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現在のIシリーズラインナップのひとつである35mm F2 DG DN | Contemporaryと比較。このレンズは、光学性能が特徴で評価が高く、焦点面でシャープな画像を実現し、被写体の前後のボケ味が魅力的との反響を得ていると紹介した。

今回の新しい24mm F2 DG DN | Contemporaryの光学設計者は、35mm F2のユーザーが同レンズから同様のルックアンドフィールを得ることができるよう、35mm F2と同様の光学特性を達成することを目指したという。

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高品質の画像の実現には、ゴーストの抑制も重要と紹介。シグマにはゴーストチームが存在しており、このチームによって2本の新しいレンズのゴーストの発生を最小限に抑えられたという。

新しいレンズの開発プロジェクトが開始されると、ゴーストチームは光学設計者や機構設計者と協力してゴーストの発生をシミュレートを開始。ゴースト発生要因を見つけたら、設計者と協力してその軽減にあたり、試作機ができあがると、ゴーストチームはさまざまな光源を用いて厳密なテストを行う。この段階で予期しなかったゴーストが見つかった場合は、原因を突き止め、対策方法を設計者達に伝える。このプロセスは、結果に満足するまで、各開発段階で繰り返すという。

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24mm F2 DG DN | Contemporaryで作業したときの一例を紹介。右の画像に示されている強いゴーストは、シグマが行った設計変更により、次のテスト機や試作機ではなくなったという。細部への細心の注意と設計チーム間のコラボレーションにより、このレンズから深刻なゴーストを排除できたと紹介した。

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2本の新製品はメカ構造によるビルドクオリティーに注目

今回の2本の新製品のメカ構造は、どちらもIシリーズのコンセプトに沿った全金属の削り出しでフードも金属製。この金属製のハウジングによって頑丈な感触が得られるという。山木氏は、手に持って質感を感じてほしいとアピールした。

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最新設計のレンズの中には、プレミアムな外観と低い製造コストの両方を実現するためにプラスチックの外装に金属を貼っているものもあるようだが、シグマのIシリーズレンズは全て金属製部品を採用。人間の手は素材の質感の微妙な違いを感じることが可能で、もっとも高いビルドクオリティーを確保するために、Iシリーズでは金属部品の採用を決めた紹介した。

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これらの金属製の外装部品は非常に厳しい公差で処理され、高い精度をもって組み立てられているという。パーツ間の隙間や遊びを最小限に抑え、フォーカスリングや絞りリングに優れた操作感を実現。レンズが発売された際は、ぜひ手に取ってほしいと訴えた。

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どちらのレンズにもフォーカスモード切換えスイッチがあり、90mm F2.8の方は前後タイプのスイッチを搭載。

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24mm F2の方は、他のIシリーズのF2のレンズと同様に、アーチ型スイッチを搭載。

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24mm、90mmともにIシリーズユーザーに好評なマグネット式メタルレンズキャップに対応。マグネット式のため、キャップのデザインをミニマルに抑制。同アクセサリーは、Iシリーズの全体的なデザインコンセプトに完璧に即したものだという。

オプショナルアクセサリーとして、レンズキャップホルダーも用意。撮影中に、このマグネット式メタルキャップをこのホルダーにすばやく取り付け、撮影が終了したらすぐにレンズに戻すことを可能としている。

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最後に、山木氏はコンパクトでプレミアム品質のレンズを探している場合は、24mm F3.5、45mm F2.8、90mmF2.8のよりコンパクトなラインアップをお勧めとした。このトリオを所有することで、広角から中望遠までをカバーするコンパクトレンズキットができあがるという。

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特にコンパクトなサイズと明るさの両方を求めたい場合は、F2シリーズの24mm F2、35mm F2、65mm F2がお勧めとした。

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シグマのIシリーズから、写真撮影スタイルに合うレンズセットを見つけてほしいと紹介して話をまとめた。シグマIシリーズは発売以来成長しており、今後も拡大していくと力強く語った。