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DJIは、一体型設計を実現した「Ronin 4D」をDJI公式オンラインストアstore.dji.comや他の販売チャンネルより発売する。希望小売価格とラインナップ、発売日は以下の通り。
6Kコンボには本体、Zenmuse X9-6K ジンバルカメラ、LiDARレンジファインダー、高輝度メインモニター、ハンドグリップ、トップハンドル、TB50 インテリジェントバッテリー、キャリーケースを同梱。
8Kコンボは、ジンバルカメラがZenmuse X9-8Kジンバルカメラにアップグレードされ、さらにPROSSD 1TBが追加される。
※360°「回転」「拡大」「縮小」が可能で本体細部確認できます。
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イメージングシステム、フォーカスシステム、安定化機構を統合した一体型ジンバルカメラ
Ronin 4Dは、一体型設計とモジュラー設計を実現。カーボンファイバーとマグネシウムアルミニウム合金を使用した堅牢なボディを採用し、イメージングシステム、フォーカスシステム、安定化機構が統合され、無線伝送や無線制御にも対応。
一体型設計により、今までセットアップに要していた時間が短縮され、より迅速な撮影が開始可能。また、コンパクトなボディーにはモジュラー設計が施され、幅広い種類のアクセサリーに対応できるという。
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フルサイズセンサーカメラ「Zenmuse X9」を搭載
Ronin 4Dは、フルサイズセンサーカメラ「Zenmuse X9」を搭載し、DJIの映像処理システム「CineCore 3.0」に対応。
CineCore 3.0により、Ronin 4DはApple ProRes RAW、ProRes 422 HQ、H.264動画の内部収録が可能。また、8K/75fpsと4K/120fpsの動画撮影にも対応し、複数のオプションでプロレベルのコンテンツ制作を実現可能としている。
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Zenmuse X9は、デュアルネイティブISO(X9-8K:ISO800/4000、X9-6K:ISO800/5000)に対応。夜の街並みや明かりの少ない夜の砂浜、淡いキャンドルの明かりしかないようなシーンの撮影でも微細なディテールまで、最小限のノイズで映像を撮影可能としている。
14ストップ以上のダイナミックレンジに対応したZenmuse X9は、逆光や直射日光があるような複雑な照明条件下での撮影でも、明暗部の細かな階調を自然に表現可能。従来撮影が非常に難しかったようなシーンでも、求めていた映像を簡単かつ確実に捉えらることができるという。
DJIシネマカラーシステム(DCCS)とCineCore 3.0の計算能力により、Zenmuse X9は、真の色合いを正確に捉えながら、シネマティックな映像を撮影可能。また、業界で標準とされる規格ACES(アカデミーカラー エンコーディングシステム)ワークフローに対応し、他のシネマカメラと同じトーンでのカラーマネージメントが行える。
X9には、9ストップの高品質NDフィルター(ND 2(0.3)〜ND 512(2.7))が内蔵され、内部モーターを搭載したシステムにより、迅速に切り替えることが可能。また、これらのフィルターは、Ronin 4Dのカラーサイエンスにマッチするように設計されている。
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X9の標準DLマウントは、3種類のコンパクトなフルサイズ単焦点レンズに対応。ハウジング部は、カーボンファイバー製のモノボディ構造設計が施されて、各レンズの重量は約180gと軽量。今後さらに多くのDJIレンズに対応する予定としている。
X9のレンズマウントは交換可能で、DJI独自のDLマウント以外にも、Leica Mマウントのようなサードパーティ製のマウントにも対応する。また、X9は、従来のシネマカメラと互換性がある超広角、f/0.95大口径、電動ズーム、マクロ、アナモルフィックレンズなどにも対応しているため、幅広いラインナップのレンズが使用できるとしている。
マニュアルレンズ(MF)とオートフォーカスレンズ(AF)のどちらを使っていたとしても、X9に搭載された専用モジュールにより、無線でのレンズ制御やオートフォーカスが可能だという。
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X9-8K | X9-6K | |
解像度/最高フレームレート | 8K/75fps | 6K/60fps 4K/120fps |
ダイナミックレンジ | 14ストップ以上 | 14ストップ以上 |
ネイティブISO | 800/4000 | 800/5000 |
LiDARウェーブフォームやLiDARによる距離測定、オートフォーカスに対応
DJI Ronin 4Dでは、マニュアルフォーカスが今まで以上に容易になるという。視覚化されたフォーカスアシスト技術により、メインモニターや遠隔モニターで、シンプルなトップダウンビュー上に測距点を表示。この直感的に理解できるLiDARウェーブフォームによって、焦点位置を素早く把握し、高精度での焦点調整を行うことが可能。マニュアルフォーカスの経験が少なくても、簡単にマニュアルフォーカスをマスターできるという。
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LiDARレンジファインダーの検知範囲は最大10mで、最大43200個の測距点の検知が可能。位相差検出オートフォーカス(PDAF)と比較して、Ronin 4DのLiDARフォーカスシステムは、フォーカスにかかる時間が短く、同時に、画質を犠牲にしたり、被写体表面のテクスチャーの影響を受けることはないという。
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DJI Ronin 4Dには、クリエイターのニーズに合わせて、マニュアルフォーカス、オートフォーカス、そしてDJI独自の自動マニュアルフォーカス(AMF)の3つのフォーカス調整モードを搭載。
マニュアルフォーカスでは、DJI Ronin 4Dの焦点調整補助ツールであるLiDARウェーブフォームを使用して、オペレーターは焦点位置を把握し、高い精度でプルフォーカスを行うことができる。オートフォーカスではドキュメンタリー撮影など、被写体がダイナミックに動く、といった予測できない状況で焦点を自動で調整し、被写体をシャープに捉え続けることが可能。自動マニュアルフォーカスは、マニュアルフォーカスとオートフォーカスの良い面を合わせ持ったモード。焦点位置の変化に合わせ、自動でフォーカスホイールを回転させ焦点を調整する一方、オペレーターはいつでも手動で直感的に焦点調整をすることができるとしている。
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右ハンドグリップに搭載されたフォーカスホイールは、電磁技術を使った触覚制御機能を搭載。これにより、焦点を変更する際の物理的な操作感覚を調整できるため、他の製品では経験できない最新式の焦点調整を直感的に行えるとしている。
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映像伝送技術を駆使して日本国内では4kmの長距離伝送を実現
Ronin 4Dは、刷新されたDJI O3 Pro映像伝送技術を駆使し、6km(日本国内:4km)という長距離伝送を実現。また、2.4GHzや5.8GHz周波数帯での伝送に加え、DFS(動的周波数選択)チャンネルやAES 256bit暗号化アルゴリズムに対応し、1080p/60fpsのフルHD動画を複数の遠隔モニターに同時に出力することができ、安全性と安定性、そして耐干渉性を発揮できるという。
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2.4GHzと5.8GHzの周波数帯に加え、O3 ProはDFS(動的周波数選択)周波数帯にも対応し、信号が混み合うような環境や入り組んだ建築構造の中などでも、安定性と耐干渉性の発揮が可能。このシステムは一つのトランスミッターに対し複数のレシーバーの同時接続にも対応し、複数のRonin 4Dを使用していても映像を即座に切り替えることが可能。
高輝度遠隔モニターでは、1500-nit、7インチモニターにワイヤレス映像レシーバーを統合。さらに、モニターにはジャイロセンサーが内蔵されているため、モーションコントローラーとして使用することもでき、動きに応じたカメラ制御が可能。
また、Ronin 4Dのハンドグリップ、DJI Master Wheels、DJI Force Pro、さらにDJI 3ch Follow Focusにも接続することができ、大掛かりなチーム撮影を最新の方法で遂行が可能。複数の遠隔モニターを併用する場合は、各デバイスで独立したLUTを使用し映像素材を別々に確認することができ、他のモニターを干渉することもないという。モニターにはmicroSDカードスロットが内蔵され、1080p/60fpsまでのプロキシ映像録画に対応。
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ミラーリング操作モードでは、メインモニターと全く同じ操作画面情報を高輝度遠隔モニターに表示し、オリジナル素材の再生、動画のパラメーターやジンバルの設定といった高度な機能を含む全ての操作に対応。これにより、Ronin 4Dが、ジブ、ケーブルカム、カーマウントのような拡張プラットフォームに取り付けられていたとしても、遠隔で調整することができる。
※360°「回転」「拡大」「縮小」が可能で本体細部確認できます。
外部メディアに撮影した映像を直接保存が可能
DJI Ronin 4Dは、USB SSD、CFexpress Type-Bカード、DJIが開発したPROSSD 1TBの3種類の記録方法に対応。この3種類の記録方法で優れた性能と安定性を発揮できるという。
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DJI PROSSD 1TBは、USB-Cケーブルを使って直接PCに接続することができるため、従来のSSDリーダーを使わずにメディアにアクセスが可能。ストレージの選択肢が複数あるため、費用対効果の高いソリューションを、性能と安定性の両方を追い求める映像制作者に提供できるとしている。
音声録音に関しては、DJI Ronin 4Dには2チャンネルの24bitオーディオに対応したマイクを内蔵。また、追加の出入力オプションとして、本体にマイク入力とヘッドホン出力の3.5mmジャックがあり、拡張プレートにXLRポートが2つ搭載されている。
Ronin 2やInspire 2と同様に、DJI Ronin 4DにはTB50インテリジェントバッテリーを使用し、最大2.5時間の撮影時間に対応。1.5時間で完全充電できる。極端な寒冷地での安定した機能性を確保するために、自己発熱機能も搭載している。
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