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Blackmagic Designによると、Huluオリジナルドラマ「君と世界が終わる日に」の新シーズンの撮影にBlackmagic URSA Mini Pro 12Kが使用されたという。

2月25日からHuluで独占配信が開始された同作は、DaVinci Resolve Studio編集/グレーディング/VFX/オーディオポストプロダクション・ソフトウェアでグレーディングされた。

ゴーレムと呼ばれるゾンビがはびこる終末世界で、人間たちが生き残りを懸けた闘いに身を投じる極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」は、現在Huluにて独占配信中のドラマだ。主演・竹内涼真をはじめ、中条あやみら人気俳優陣が出演する同作は、最新のシーズン3が2月から配信が開始された。

同作のプロデューサーである株式会社日テレアックスオンの伊藤裕史氏は、次のようにコメントしている。

伊藤氏:今回、Huluでの配信ということもあり、地上波のドラマとは一線を画すようなルックを作りたいと思っていました。ゾンビものということもあり、あまり鮮明に見えすぎても作風に合わないため、ハードな感じで黒を出したいと考えました。黒と言っても真っ黒から薄い黒までグラデーションが表現できるといいなと思いました。

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同作に最も適したルックを得るため、伊藤氏は同作のプロダクションマネージャーである株式会社池田屋の池田英孝氏に機材選定について相談した。

池田氏:予算を考慮した上で機材選定など技術的な面を管理しており、メインカメラとしてBlackmagic URSA Mini Pro 12K、サブカメラとしてBlackmagic Pocket Cinema Camera 6Kを選定しました。また現場ではカメラの他にBlackmagic Video Assist 7" 12G HDRを2台、監督の確認用のモニターとして使用しました。

同作は、連続ドラマながら映画的な撮影スタイルで行われ、2台のBlackmagic URSA Mini Pro 12Kを使用して撮影された。

伊藤氏:地上波の連続ドラマだと効率性を考慮して、両側から2カメで挟み込むような感じで撮影することが多いのですが、今回はシーンごとに照明を作り込んで同じ方向から2カメで撮りました。

またサブカメラとしてBlackmagic Pocket Cinema Camera 6KをジンバルのRoninに取り付けて使用していたという。

伊藤氏:コンパクトなので、ステディカムに比べて取り回しがよかったですね。海外のカメラマンと仕事をしたときに日本の家屋やロケ場所は狭いことが多いため、ステディカムを使うのが難しいと言われたことがあります。その点、Blackmagic Pocket Cinema CameraとRoninの組み合わせは、狭い場所でも撮影しやすく狙った映像が撮れて、費用対効果も非常に高いです。

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同作ではハイスピードを多用しており60fpsや90fpsで撮影している。ノーマルスピードとハイスピードの切り替えもスムーズでストレスなく撮影できたという。

池田氏:Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは、ハイスピードにした時も4K撮影で120fpsまでクロップされずフルセンサーで撮影できるので、そのメリットを生かして4Kで撮影しました。

伊藤氏:グレーディングはDaVinci Resolve Studioを使用しました。今回は演出的に同じシーンでも暗部と明部がはっきり分かれていて、光と闇をどちらも綺麗に表現したいと思っていました。一枚の画でも右半分と左半分の色味が違うようなルックを多く作りました。DaVinci Resolveを使ってそういった演出的な表現がうまくできたのは良かったですね。

池田氏:Blackmagic URSA Mini Pro 12Kはダイナミックレンジが14ストップあります。これだけラチチュードが広ければ、グレーディングで表現できる幅も広がります。結果的に今までのテレビドラマではないようなルックを作ることができました。

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