Blackmagic Designによると、制作会社のFortress Entertainmentが、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kおよび、ATEM Constellation 8Kに加え、多数のBlackmagic Design製品を使用して、2つのミュージックイベント「Life Is Beautiful」および「Outside Lands」の撮影とライブ配信を行ったという。
ロサンゼルスに拠点を置くFortress Entertainmentは、音楽のライブ配信と放送制作においてその名を知られ、これまでにハリー・スタイルズ、DJキャレド、チャーリー・XCXなどの世界の著名アーティストの制作を手掛けている。
同社は先日、ラスベガス中心部で行われ、ビリー・アイリッシュ、グリーン・デイ、グラス・アニマルズなどが出演したミュージックフェスティバル「Life Is Beautiful」と、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・パークで開催され、リゾ、J・バルヴィン、タイラー・ザ・クリエイターなどが出演した「Outside Lands」の制作を行った。各フェスティバルは、3つのステージとホストステーションで構成されており、数百万人の視聴者に対して、Twitchが独占的にライブ配信を行った。
Fortress Entertainmentのプロデューサー兼ディレクターであるデビン・デヘイブン氏と同社のスタッフは、多様なレンズを使用できるようにEF、PL、B4マウントを装着した12台のBlackmagic URSA Mini Pro 12Kを各フェスティバル会場で使用した。それらのカメラは3つのステージに分配され、さらに各ステージではスライダーにマウントされたBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proデジタルフィルムカメラが、観衆からの視点やステージのワイドショットの撮影に使用された。
デヘイブン氏によると、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proは、演奏に会場の空気感を加えるのに大きな役割を果たしたという。同カメラは、目立たないように観客の視点からの撮影に使われたため、フェスティバル会場にいる人々の頭や腕越しにステージを捉えるショットを得ることができた。3台のBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proがホストステーションに配置され、フェスティバルを通して、舞台裏インタービューや特別プログラムの撮影に使用された。
カメラからのフィードは、それぞれATEM 2 M/E Advanced Panelを接続した2台のATEM Constellation 8K、ATEM 1 M/E Advanced Panelを接続したATEM 4 M/E Broadcast Studio 4Kライブプロダクションスイッチャーを設置したコントロールルームに送信され、ホストステーションからのフィードはATEM Television Studio Pro 4Kライブプロダクションスイッチャーに送られた。
2台のSmart Videohub 12×12も各ステージの下にハブとして設置され、全カメラフィードを集約し、コントロールルームのスイッチャーにルーティングするために使用された。42台のMini Converter Optical Fiber 12Gが、カメラフィードをファイバーで各会場内に送信するために使用された。デヘイブン氏は次のようにコメントしている。
デヘイブン氏:FortressがBlackmagic Designの機器を使用した方法のおかげで、ライブミュージックの放送とフェスティバルに対するアプローチの仕方を改めて見直すことができました。Blackmagic Designの製品は、フェスティバルにおけるFortressの制作方法にマッチしており、両者とも常識を覆すような社風が特徴だと思います。
弊社は、画面でその良さが見てとれる機器により多くの予算を費やすことに焦点を移し、特徴的なシネマライクなルックを作成できるカメラ、スイッチャー、シネマレンズを使用しています。また、クラウドを使用したコントロールルーム・ソリューションを活用するための技術的なアプローチも取り入れています。この組み合わせにより、フェスティバルのパートナーが多くのインフラを使用することなく、利益を高め、ライブ配信に関わる全部門でのリソースの使用を低減することができます。
同社は、複数の他のイベントでも「Life Is Beautiful」および「Outside Lands」で使用したのと同じワークフローを用いたという。これには、Veepsで配信されたスリップノットの「Knotfest」、Twitchで配信された「Welcome to Rockville」、Veepsで配信されたウィル・スミスが自身の著作「Will」のプロモーションでフィラデルフィアを訪れた様子などの制作が含まれ、累積で数百万人の視聴者に対して配信を行った。
デヘイブン氏:Blackmagic Designの製品は、拡張性と中央制御に優れているため、弊社のライブプロダクションで極めて重要な役割を果たしています。弊社のアプローチが成功しているかどうかを判断する基準として、プロダクションのルックと雰囲気に誰もが満足しているかというのがあります。
Blackmagic Designの製品とシネマレンズを使用し、ディレクターやクリエイティブスタッフに対してドキュメンタリー映画よりのアプローチを取るように依頼することで、競合他社と一線を画すことができ、視聴者は物理的に会場にいるかのように感じることができます。多数のプロモーター、アーティストのマネージャー、プラットフォームの関係者から、弊社による放送のルックに対してお褒めの言葉をいただきました。
「Outside Lands」および「Life Is Beautiful」のフェスティバル・プロデューサーを務めたAnother Planet Entertainmentのレイ・リビングストン氏は次のようにコメントしている。
リビングストン氏:Fortressは、非常に仕事がしやすいですね。クリエイティブ面と技術面の専門知識の組み合わせが完璧です。さらに、同社が用いているテクノロジーのおかげで、制作を機敏に行うことができ、場所を取らないので、スペースの限られているフェスティバル会場では極めて助かっています。Fortressが会場入りし、仕事をこなし、その結果として得られる映像は非常に美しいんです。
「Welcome to Rockville」を制作したDanny Wimmer PresentsのCEOであるダニー・ヘイズ氏は次のようにコメントしている。
ヘイズ氏:Fortressは、「Welcome to Rockville」フェスティバルの配信映像のレベルを上げてくれました。これにより、アーティストは、映像と演奏が最高レベルで放送されると安心感を持って、ステージに立つことができました。同社は、シネマスタイルのテクニックをライブミュージックの環境に取り込むタスクを簡単にしてくれました。