ローランド株式会社は、映像や音声信号をリアルタイムに解析して照明機器を自動的にコントロールできる、同社初のビデオ・ライティング・コンバーター「VC-1-DMX」を発売した。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税込69,500円前後。
VC-1-DMXは、シンプルな接続・設定で、映像や音声と同期させた照明演出が可能で、専門オペレーターなしでイベントをより楽しめるとしている。リアルタイムで映像・音声信号、MIDIの解析と高速処理を実現する。MIDIによる制御で、電子楽器や音楽制作ソフトウェアから照明をコントロールすることも可能。
リアルタイムで映像や音に合った照明の演出を自動的に行い、さまざまなイベントを効果的に演出するという。VC-1-DMXは、ハードウェア処理により、映像や音声の信号を遅延なくリアルタイムに解析し、照明機器の制御信号である「DMX」を自動的に生成する。
照明専門のオペレーターがいなくても、機器を自動的にコントロールして、空間を演出可能。例えば、アーティストのライブ映像を入力すると、映像に合わせて照明の色や明るさを変化させたり、音楽のテンポに合わせてミラーボールの回転速度を変化させたりすることができる。またVC-1-DMXと電子楽器をMIDI経由で接続することにより、演奏にぴったりと合った照明で会場を盛り上げることもできるとしている。
映像や音声、MIDI信号を入力すると自動で解析して、照明機器を制御するDMX信号に変換出力。DMXに対応する複数の照明機器を連結し、まとめて制御することも可能だ。HDMIに含まれる映像信号を最大32エリアに分けて色情報を解析し、各エリアの輝度情報を抽出。抽出されたデータをDMXの各チャンネルに割り当てることで、接続された照明機器を制御可能。
HDMIまたはアナログのオーディオから入力された音声を解析して、ビート(拍子)やテンポ(速さ)、無音情報を抽出し、ビート情報に合わせて照度に強弱をつけたり、テンポに合わせてミラーボールなどの照明機器の回転速度を合わせたりするほか、無音の時には自動的に照明を消すことができる。
MIDIからDMXへの変換もサポート。システムの拡張制御が必要な場合にも幅広く対応している。MIDIコントローラーを接続すれば、MIDIのコントロール・チェンジ情報を使い、照明全体の調光やムービングライトの上下左右の動きなど、さまざまなDMXパラメータをMIDIコントローラー側から制御できる。
また、キーボードや電子ドラムなどの電子楽器からMIDIノート情報を使用して、ライブ・パフォーマンスに同期した照明効果を加えることも可能。USB MIDIにも対応し、照明コントロール・ソフトウェアや音楽制作ソフトウェアからDMX機器を制御することもできる。
macOS/Windows用のDMX設定用ソフトウェア「VC-1-DMX Tool」により、持っているDMX対応照明機器に合わせてカスタマイズが可能。個々の照明機器に合わせて、映像や音声からの解析情報やMIDIコントロールなどを512のチャンネルのDMXに割り当てたり、複数のVC-1-DMXへ設定をコピーすることも可能だ。