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Blackmagic Designによると、制作会社HaZimationがアニメーション映画「RIFT」の編集、カラーグレーディング、VFX、オーディオポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用したという。

同プロジェクトはパンデミックの最中に制作が開始され、リモートで作業を行うスタッフは、制作のあらゆる側面を管理するためにUnreal EngineおよびDaVinci Resolve Studioを使用した。今年中にリリース予定の同作の予告編は、今年のアヌシー国際アニメーション映画祭で上映予定だ。

同作は、アニメーションで従来から使用されているストーリーボードではなく、DaVinci Resolve Studioを計画およびタイムラインツールとして使用して、インタラクティブに制作された。ディレクター兼プロデューサーのハズラフ・ダラル氏は次のようにコメントしている。

ダラル氏:プロセスは非常に柔軟性に富んでいます。制作チームは様々な場所から作業しており、クラウドを使用して、これまでにはない新しい方法で制作を行いました。

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Unreal Engineで4KのEXRで最終ピクセルレンダリングとして作成・レンダリングされた編集は、ショットが更新されるごとに自動的にアップデートされたため、最終ショットを作成するために合成用の外部パッケージを使用する必要がなかった。

ダラル氏:キャラクターの最初のパスを作成し、ショットの作成を始めました。その後、私がショットでどのようにキャラクターを扱っているかを確認できるようになったら、別のスタッフがもう一つのパスを作成しました。

プロセス全体が自然に展開していきました。アニマティックを使用する必要なく、希望のルックと雰囲気になるまでシーン作成の作業を繰り返すだけで済みました。

DaVinci Resolve Studioを基軸として使用することで、オーディオの統合もすばやく実行できた。ディレクターであり、エディターでもある同氏は、Fairlightサウンドライブラリを自身のサウンドコレクションと共に使用して、サウンドスケープの大枠をすばやく作成し、編集に命を吹き込んだ。これらは書き出され、SoundNodeのチームに送信されたため、スポッティングを行ったり、巨大なエクセルファイルを作成する必要がなかった。

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制作で最も難しい側面の一つはスタイルを確立することであり、同作においてはゲームのようなルックを避け、アニメーション映画にありがちで、何か少し違和感を感じさせる、いわゆる"不気味の谷"現象が生じないようにする必要があった。

ダラル氏:Resolveでモックアップを作成し、Unreal Engineでシェーダーを作成する前に、OpenFXプラグインで色々とルックを試しました。

Epic Gamesが提供しているMegaGrantの助成金を得ることで、同社ではカスタマイズしたアニメスタイルのシェーダーを作成することができた。また、CG制作責任者のアンドレア・テデスキ氏が開発した多数のツールやウィジェットを使用することで、ショットのすべてのエレメントをダラル氏がコントロールできるようになったという。

ある日、共同で作業を行っていた際に、様々なシーンや、枝分かれする物語を作成することは、実質的にゲームの基礎を構築しているのと同じであることに気づき、ゲームも制作することになった。現在ゲームも同時進行で開発されており、6月にSteamでデモ版への早期アクセスがリリース予定となっている。

ダラル氏:Fusionページのノードベースのアプローチは、ゲームで使用しているシステムと非常に似ているので、DaVinci Resolveのツールのアーキテクチャーにより制作プロセスが促進されました。これは予想外の効果でした。DaVinci ResolveとUnreal Engineの両方が無償であることに加え、劇場映画をこのような方法で制作できることは、画期的であり、新しい世代の映像作家にとって極めて大きな自信と力を与えてくれています。

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