Blackmagic Designによると、株式会社テイラーイノベーションズが開発したLinuxベースのライブ配信機器「Blastreams」にBlackamgic DesignのDeckLink Mini Recorder 4Kキャプチャーカードが使用されているという。同社は、開発者がMacOS、Windows、Linux環境でのキャプチャーソリューションを構築するための、Blackmagic Desktop Video SDKを使用して、BlastreamsにDeckLink Mini Recorder 4Kを組み込んでいる。
テイラーイノベーションズはIoT 製品のプロトタイプ設計・開発サポート、ライブ配信代行サービスなどを行う企業。同社のBlastreamsは、Linuxベースのコンピューターに映像や音声の再生と配信に必要なソフトウェアやハードウェアが内包されている。同社の代表取締役である鈴木萌子氏は次のようにコメントしている。
鈴木氏:ライブ配信では、ほとんどの方がパソコンを繋いで映像や音楽を出していて、パソコンの台数が増えると配線も複雑になってしまうので、もっとシンプルにできればと思ったのが開発のきっかけです。
DeckLink Mini Recorder 4Kは、Blackmagic DesignのATEMスイッチャーやBlackmagicのデジタルシネマカメラなどの、最大2160p30フォーマットまでのHDMIやSDIデバイスをBlastreamsに接続させることができる。DeckLink Mini Recorder 4Kの使用により、Blastreamsは簡単にライブ配信やモバイル放送環境に組み込むことが可能だ。
鈴木氏:DeckLink Mini Recorder 4Kを採用したことで、この製品をより高品質にデザインすることができました。市場にあるキャプチャーカードがほとんどUSB接続なのですが、USBは高速通信してるので不安定で使いたくない。DeckLinkはライザーケーブルから直接マザーボードに接続できるので安定して運用でき、安心感があります。ユーザーにとっては、自分でキャプチャーカードを選定して取り付ける必要もなく、必要なものが全てこのデバイスに含まれているので、箱を開けたらすぐ使える手軽さがあります。
同製品はすでに試験的に運用されており、渋谷にある大型ビジョン、渋谷愛ビジョンのライブ配信に使用されている。渋谷愛ビジョンでは、Twitterから投稿されたメッセージの中から採用されたものを無料でその大型ビジョンに放映するサービスを行っており、その様子を24時間YouTubeでライブ配信している。そのため、現地に行けない人でも自分の投稿したメッセージを確認することができる。
鈴木氏:Blastreamsを導入いただく前に、配信の現場を見せていただきましたが、パソコンやミキサーなど機材の数も多く、そのためケーブルの配線が非常に複雑になっていました。今ではIPカメラからの情報をBlastreamsに入力して、LANケーブルと電源を繋げるだけでいいのでかなりシンプルになりました。テロップも自動的に切り替わるように設定できるので、スタッフが24時間シフトで対応する必要もなくなりました。
本製品は機材についてあまり詳しくない方向けと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。プロ向けには映像と音のポン出し機と配信、そしてバックアップも取れるデバイスとして使っていただきたいです。カメラの台数が少なければBlastreams単体でも完結できますが、カメラを増やすとスイッチングできなくなるので、スイッチャーは必ず必要になります。Blackmagic DesignのカメラとATEM Mini Pro、そしてBlastreamsとの組み合わせで、本格的な配信がより手軽にできるようになります。