RED Digital Cinemaは、9月9日から12日までアムステルダムで開催されるIBC2022(ブース11.B38)で同社の最新技術を紹介する。来場者は、ハイエンドのテレビや映画制作をサポートするために設計された新型カメラシステム「V-RAPTOR TM XL 8K VV」(以下:V-RAPTOR XL)を初めて目にすることができる。また、同社のカメラシステム「V-RAPTOR」およびV-RAPTOR XLを介してフル解像度R3Dライブビデオストリーミングを配信できるライセンス対応機能である最新イノベーション「RED Connect」も紹介する。
V-RAPTOR XLは、同社の現在のフラッグシップであるマルチフォーマットセンサー「V-RAPTOR 8K VV + 6K S35」を、大規模プロダクション対応のXLカメラボディに搭載している。V-RAPTOR XLとV-RAPTORは、どちらも同じ画期的なマルチフォーマット8Kセンサーを搭載し、フィルムメーカーは8Kラージフォーマットと6K S35の撮影ができる。S35レンズと組み合わせた場合でも、常に4K以上の画質で撮影が可能。V-RAPTORセンサーは、同社のカメラの中で最も高い記録ダイナミックレンジとクリーンなシャドー性能を誇り、2Kで最大600fpsのキャプチャを可能にする。
同社のV-RAPTOR XLとV-RAPTOR、コンパクトシネマカメラ「RED KOMODO 6K」はネットワークベースのカメラコントロール、リモートレンズおよびシェーディングコントロール、IPまたはファイバーソリューションによる互換性などの機能を提供する。さらに、新しいXLシステムには、タイムコードとGenlock同期用のPTPと、新しいセンサー同期シフトコントロールが追加された。
また、同社はパートナーのNVIDIA社とMedia.Monks社とともに、RED Connectの実機デモを発表する。NVIDIA社と同社は、SMPTE ST2110上で8K R3Dライブ放送ストリームを制作し、NVIDIA社「RTX GPU」「ConnectX SmartNICs」「BlueField DPU」などのネットワーク技術を使用してリアルタイムでレンダリングし、SupermicroのハイエンドサーバーでソフトウェアSDK「NVIDIA Rivermax」を実行する予定だ。この完全にソフトウェアで定義されたアーキテクチャにより、ST 2110上でネイティブ8Kと1080pの両方の解像度でのライブカメラストリーム放送が可能となる。HD ST 2110ストリームは、「2x NVIDIA RTX A6000 GPU」を搭載した別のサーバーにあるAIソフトウェア「Keycast」を経由し、AIキーイングを自動的に実行、ライブ放送アプリケーションのためのライブグラフィックオーバーレイを適用できる。
NVIDIA社のプロフェッショナルビジュアライゼーション部門プロダクトマーケティングVPのサンディープ・グプテ氏は次のようにコメントしている。
グプテ氏:RED Digital Cinema社とのコラボレーションにより、IPベースの制作ワークフローを採用する放送局にとって新たな機会が創出されます。当社の技術に基づくソフトウェア定義アーキテクチャにより、リアルタイムシネマ品質の当社8Kコンテンツは次世代AI機能を活用できるようになり、コンテンツ制作者はライブプロダクションで多大な柔軟性を享受できるようになりました。
同社とMedia.Monks社は、2台のV-RAPTORカメラから8K R3DビデオストリームをBlackmagic Design「ATEM Constellation」に供給し、高解像度VRヘッドセットに出力するとともに、同社のブース中央から360°の映像を1枚のパネルで表示し、リアルタイムのバーチャルリアリティ体験を可能にした。
RED Digital Cinema社の製品管理担当副社長のジェフ・グッドマンは次のようにコメントしている。
グッドマン氏:当社はIBC2022で、カメラシステムV-RAPTORとV-RAPTOR XLとともにRED Connectのデモを行うことを楽しみにしています。当社の最新シネマカメラ技術のフル画質にIP経由でリアルタイムにアクセスすることで、8Kライブ放送、リモートおよびクラウドベースのワークフロー、ボリューメトリックキャプチャ、ライブXRなどにおいて信じられないほどの新しい可能性が生まれます。この強力な新機能で作成できるもののほんの一部をご紹介できることを楽しみにしています。
また、同社のV-RAPTORは、SKAARHOJ社のデバイス「RCP Pro」によりコントロールされ、SMPTEファイバーによるシネマティック4K放送ソリューションとして展示される。