Blackmagic Design導入事例:HBO Max「Love and Baseball」場合

Blackmagic Designによると、HBO Maxの「Love and Baseball」の大部分をBlackmagic URSA Mini Pro 4.6Kデジタルフィルムカメラで撮影し、作品全体をDaVinci Resolve Studio(編集、グレーディング、VFX、オーディオポスト用ソフトウェア)でグレーディングしたという。

ジェリー・モントーヤ監督による同名の舞台演劇が元となった「Love and Baseball」は、マックス・アルシニエガ演じるウィルと、タテ・ハニオク演じるミシェルが、偶然の出会いから恋に落ち、タイミングの悪さや現実の厳しさと闘いながら、もう一度愛を育む姿を追う。本作はスティーブ・アセヴェド監督が指揮をとり、同氏とジョセフ・ヘルナンデス氏、アンドレス・ソロルザーノ氏が撮影した。

本作は3チャプター構成で、各チャプターで2年おきの様子が描かれている。チャプターごとに視覚的な違いを感じさせるために、アセヴェド氏は3人の撮影監督を起用して、それぞれのスタイルで撮影させることにした。チャプター1と3は、URSA Mini Pro 4.6Kで撮影された。

アセヴェド氏:アンドレス・ソロルザーノ氏は、チャプター1の大部分でスティックス&スライダーを使用し、非常にバランスの取れた映像を撮影して、伝統的なラブコメディーの願望的な要素を表現しました。

チャプター2はジョセフ・ヘルナンデス氏がステディカムで撮影しました。私はチャプター3を撮影し、ハンドヘルドのドキュメンタリー的なルックにしました。最後のチャプターとして、地に足のついた、リアルな、本物の感覚を持たせたかったからです。

アセヴェド氏は最終チャプターの撮影にURSA Mini Pro 4.6Kを選択したが、各撮影監督にはキットを自由に選択させた。ソロルザーノ氏はアセヴェド氏と同じカメラを使用する決断をした。

アセヴェド氏:URSA Mini Proが大好きです。他の長編ドキュメンタリー作品でも多用しています。チャプター1と3はカメラマン以外にクルーがいない撮影だったので、操作しやすいカメラであることが重要でした。URSA Mini Proはその意味で完璧です。

アセヴェド氏:URSA Mini Proの機能性が大好きです。サイズ、メニュー、コントロールと、非常に簡単に使用でき、一人ですばやく作業する場合に最適です。軽くてバランスも非常に良いです。EVFも素晴らしく、画質は言うまでもありません。

チャプターごとにルックが異なるため、チャプター2のカメラと映像をマッチさせる心配もなかったが、アセヴェド氏は他のより高価なカメラと比較してもその画質に感銘を受けたと言う。

アセヴェド氏:初期のBlackmagic Cinema Cameraの頃から、私はBlackmagicカメラの映像が大好きです。URSA Mini Proは被写体の輪郭におけるロールオフが美しく、とても自然に感じられます。

本作のグレーディングは、カラリストのアリアナ・シャイニング・スター氏とジョン・ノディロ氏によって、DaVinci Resolve Studioで行われた。アセヴェド氏は、各チャプターの違いを撮影スタイルだけではなく、グレーディングでも出したかった。

アセヴェド氏:ラブストーリーが始まるチャプター1では、彩度の高いカラーパレットを使用して、温かい雰囲気にすることが重要でした。

チャプター2は、対立が多く、それまで視聴者が感じていたものから180度変わります。このチャプターは全体的に冷たい印象にしようと考えました。チャプター3は、現実を反映させた色にしたかったので、非常に現実的なルックでストーリーがエンディングに向かうようにしました。

アセヴェド氏は、低予算映画ならでは難しさがありながらも、本作が完成したことを大いに喜んだ。

アセヴェド氏:この作品の撮影現場は空港の滑走路でした。ほぼ毎回のセットアップで飛行機に撮影を中断された数は、私が撮影にどれだけ苦労したかを示していますが、それを誰も知ることはないでしょう。

しかし、最終的にはそれらの苦労は報われた。

アセヴェド氏:この映画は参加したすべてのクリエイティブにとって良い経験だったので、HBO Maxのような評判の高いプラットフォームが私たちを選んでくれたことに感謝しています。

「Love and Baseball」はHBO Maxで現在配信中だ。