ソニー「α7R V」発売メイン写真

ソニーは、新開発のAIプロセッシングユニットを搭載したフルサイズミラーレス一眼カメラ 「α7R V」を2022年11月25日に発売する。希望小売価格はオープン、市場推定価格は税込560,000円前後。

AIプロセッシングユニット搭載で新次元のAF性能を実現

α7R Vは、高い解像性能でプロフォトグラファーの撮影表現を拡げてきたα7Rシリーズの第5世代モデル。AIプロセッシングユニットによるディープラーニング技術や処理能力の向上により、「リアルタイム認識AF」は高精度かつ多種類の被写体を認識可能としている。

AIプロセッシングユニットを搭載することで、人物の姿勢を高精度に認識できるようになり、人物の瞳の認識精度はα7R IV比で60%向上。瞳だけではなく、人間の胴体・頭部の位置をより高精度に認識を可能としている。例えば後ろ向きの人物を捉えるシーンなどでも人物の頭部を認識し続けることが可能。また、従来認識が難しかった画面内で人物のサイズが小さいシーンでも確実に狙った人物被写体を捉えられるという。

ソニー「α7R V」発売説明写真

さらに、個人顔の識別性能も向上しており、あらかじめ登録した顔を優先して認識できる。認識できる被写体数の拡大、認識できる被写体の種類も増え、従来の人物、動物に加え、α7Rシリーズとしては新たに、鳥、昆虫、車/列車、飛行機に対応し、静止画、動画を問わず幅広い被写体を精度よく認識可能。動物では、犬や猫のような動物の頭や顔の認識が加わっただけでなく、一部の草食動物・小動物の瞳の認識が向上。従来と比べ、動物に対する認識性能は約40%向上しているという。

人物撮影のAF認識

動物撮影のAF認識の様子。背面では頭部を認識し、前面に回ると瞳を認識する

新しくAIを活用した「リアルタイムトラッキング」を搭載。狙いたい被写体を指定してシャッターボタンを半押しするだけで、 カメラまかせで自動追尾ができるため、撮影者は構図に集中できるという。α7R Vは被写体認識性能が大幅に向上し、トラッキング開始から正確に被写体を捉えることが可能。ヘルメットや背中を向けているような動物もリアルタイムに検出、追尾し続けるという。また、メニュー画面にて「タッチトラッキング」を設定しておけば、捉えたい被写体をモニター上でタッチするだけで直感的な被写体選択を可能としている。

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画像処理エンジンBIONZ XRの高速処理性能と新開発のアルゴリズムによりAF性能が向上。α7R IVより広い約79%(静止画撮影時)のエリアに最大693点の像面位相差AF点を高密度に配置。これにより、枝に止まった小鳥など、認識した被写体をピンポイントで精度高く捕捉できるという。また、縦位置のポートレート撮影でも、α7R IVより広範囲・高密度なAF性能で被写体を高精度に認識できるので、自由なフレーミングが可能。さらに、EV-4の低輝度での撮影も可能としている。

有効約6100万画素の解像性能

有効約6100万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor Rと画像処理エンジンBIONZ XRによりα史上最高の解像性能と階調性能、高感度性能を実現し、被写体の質感や光のニュアンス、豊かな色彩を描写するという。従来比最大約8倍の高速処理能力を持つ画像処理エンジンBIONZ XRの採用により、静止画・動画撮影における処理能力が大幅に向上し、有効6100万画素の高解像を最大限引き出すことを可能としている。

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微細な振動にも敏感な高解像撮影をサポートするため、進化したボディ内光学式5軸手ブレ補正ユニットおよび手ブレ補正アルゴリズムにより、α史上最高の8段の手ブレ補正効果を実現。撮影感度を上げたくない室内や夜景撮影などのスローシャッターでの手持ち撮影に効果を発揮可能。また電源オン直後や構図変化時の補正レスポンスがさらに向上するなど、使い勝手も向上しているという。

高解像8K動画と多彩な動画関連機能

高解像度8K(7680×4320)24pの動画撮影を実現し、高画質かつ圧縮効率の高いHEVC/H.265コーデックの記録フォーマットXAVC HS方式で内部記録が可能。4K動画記録時は、表現や用途に合わせてフルサイズとスーパー35mmから選択可能。スーパー35mm(APS-Cサイズ相当 16:9)の画面領域では画素加算のない全画素読み出しにより、4K(QFHD: 3840×2160)動画に必要な画素数の約2.6倍の情報量から4K映像で記録。モアレやジャギーが少なく、ディテールの再現性や解像感に優れているという。

記録方式は、XAVC Sに加え高画質なXAVC S-I(All Intra)、圧縮効率の高いXAVC HSから選択可能。また4:2:2 10bitのサンプリングにも対応する。フルHD(1920×1080)記録時は、最大120pのハイフレームレート動画をカメラ内で記録可能という。

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画質面では、映像制作用CineAltaカメラVENICEの開発を通じて培った画作りS-Cinetoneを搭載。人肌の中間色の表現力を高め、色あいはソフトに、ハイライトの描写は被写体を美しく際立たせる自然なトーンで撮影できるという。S-Log3/S-Gamut3にも対応し、ポストプロダクション時の業務用カメラとの高い親和性を実現可能。S-Log3設定時には、14+ストップの広いラチチュードで、階調豊かな映像を撮影することができる。

また、動画撮影時の手ブレ補正効果を向上させるアクティブモードに対応。アクティブモード時は、対応する手ブレ補正機構内蔵レンズと組み合わせることで、本体と協調して効果的に手ブレを抑制し、安定したフレーミングで快適な撮影をサポート。さらに、デジタルオーディオインターフェース対応のマルチインターフェースシューを搭載し、外付けマイクとの組み合わせで高音質な音声収録を実現できるという。

プロフェッショナルの撮影を支える操作性と信頼性

α7R Vでは、従来のチルト液晶モニターと横開きバリアングル液晶モニターの利便性を兼ね備え、横位置でも縦位置でも見やすい位置に自在に角度を調整できる、ソニー独自の4軸マルチアングル液晶モニターを新開発したという。モニターを上方向約98°、下方向約40°、横方向に180°まで開ける。オープン位置では270°まで回転でき、ヒンジ部は厚みを抑えながらも堅牢性を備えているという。

ソニー「α7R V」発売説明写真
4軸マルチアングル液晶モニター搭載。自分撮りのスタイル
ソニー「α7R V」発売説明写真
ハイアングルスタイル
ソニー「α7R V」発売説明写真
ローアングルスタイル

クラス最高解像度の約944万ドットの高精細OLEDを採用し、従来比約1.6倍の高解像度化を実現したほか、接眼光学系や機構も大幅に進化した電子ビューファインダーを搭載。0.90倍のファインダー倍率、撮影画像の対角視野角約41°(全表示領域では約43°)、25mmのハイアイポイントと周辺までの歪みの低減で、快適な高解像撮影を実現できるという。

ストレスのない高解像撮影をサポートするため、CFexpress Type Aメモリーカードに対応。スロット1(上)、スロット2(下)ともに、CFexpress Type AメモリーカードとSDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに対応し、大容量のデータをより高速で記録が可能。

ソニー「α7R V」発売説明写真
スロット1(上)、スロット2(下)ともに、CFexpressType AメモリーカードSDXC/SDHCメモリーカードUHS-II/UHS-Iに対応

Wi-Fi(802.11ac)2×2 MIMOに対応し、α7R IV比で2倍以上の高速データ転送を実現。周波数帯は5GHz、2.4GHzが選択できる。スタジオでの無線テザー撮影や撮影現場からの即納するためのFTP転送などでストレスなく高速かつ安定した静止画・動画のデータ転送を可能としている。また、本機のUSB Type-C(SuperSpeed USB 10 Gbps(USB 3.2 Gen2)対応)端子に接続したUSB-Ether有線LANアダプタケーブルを介して、1000BASE-T規格の高速有線LAN通信を使ったFTPデータ転送できる。無線LANが使えない環境でもデータの高速転送が可能になるという。