株式会社ニコンイメージングジャパンは、「ニコンZマウント」を採用したフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ対応の大口径超望遠単焦点レンズ「NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S」を2022年11月25日に発売する。希望小売価格は税込2,432,100円。
NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR Sは、高いレベルで光学性能を発揮する「S-Line」に属する超望遠レンズ。焦点距離を1.4倍に拡大するテレコンバーターを内蔵し、1本で600mmと840mmの焦点距離に対応する。右手で操作できる位置にある内蔵テレコンバーター切り換えスイッチにより、撮影姿勢を保ったまま焦点距離の切り換えが可能。
テレコンバーター「Z TELECONVERTER TC-2.0x」(2020年8月発売)使用時は1200mmまで、さらに内蔵テレコンバーターと併用した場合は1680mmまで焦点距離を拡大する。テレコンバーター内蔵ながら質量約3260gを実現。「AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR」(2015年7月発売)と比較し、約550gの軽量化を実現した。全長は約437mmで、国際線の飛行機に手荷物として機内持ち込みができるサイズとなっている。
光学系にはEDレンズ3枚、スーパーEDレンズ1枚、蛍石レンズ2枚、SRレンズ2枚を使用し、様々な収差を効果的に補正。無限遠のみならず至近でも色にじみやフレアが抑えられ、絞り開放から画像周辺部まで高い解像感を実現する。内蔵テレコンバーター使用時でも優れた描写性能を実現する。明るい開放F値4を活かし、動きの速い被写体の撮影や、自然なボケによる立体感のある描写が可能だという。
さらに、NIKKORレンズ史上最高の反射防止効果を持つコーティング「メソアモルファスコート」を採用し、「ナノクリスタルコート」との相乗効果でゴーストやフレアを大幅に低減。屋外やスタジアムなどの光源が入り込みやすいシーンでも、構図の制約なく撮影できる。AF駆動用モーターには、「シルキースウィフトVCM(ボイスコイルモーター)」を搭載し、高速で高精度、かつ静粛を同時に実現したAF制御が可能。
また、手ブレ補正効果5.0段、「Z 9」との組み合わせではシンクロVRの適用により手ブレ補正5.5段を実現し、超望遠撮影でも効果的にブレを軽減する。レンズ前面にフッ素コートを採用するとともに、レンズ鏡筒の可動部分をはじめとする随所にほこりや水滴の侵入を防ぐシーリングを施し、さらにレンズマウントにゴムリングを採用することで、高い防塵・防滴・防汚性能を確保した。
プロフェッショナルユーザーが併用することが多い「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」(2022年2月発売)と統一感のある操作性で、瞬時の判断が求められる超望遠撮影時のレンズ持ち変えなどでも、違和感のない操作性を実現。静音性に優れ、フォーカス時の画角変化(フォーカスブリージング)の抑制や露出の安定化など動画撮影に配慮した設計となっている。
NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR Sは、高い堅牢性と優れた操作性により、スポーツや報道、野生動物などの撮影シーンでプロフェッショナルフォトグラファーの映像表現をサポートする。
仕様
マウント | ニコンZマウント |
焦点距離 | 内蔵テレコンバーター非使用時 600mm 内蔵テレコンバーター使用時 840mm |
最大口径比 | 内蔵テレコンバーター非使用時 1:4 内蔵テレコンバーター使用時 1:5.6 |
レンズ構成 | 20群26枚(うち、内蔵テレコンバーター4群7枚、EDレンズ3枚、スーパーEDレンズ1枚、蛍石レンズ2枚、SRレンズ2枚、メソアモルファスコートあり、ナノクリスタルコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり) |
画角 | 内蔵テレコンバーター非使用時:4°10′(撮像範囲 FX) 内蔵テレコンバーター使用時:3°(撮像範囲 FX) 内蔵テレコンバーター非使用時:2°40’(撮像範囲 DX) 内蔵テレコンバーター使用時:2°(撮像範囲 DX) |
寸法 | 約165mm(最大径)×437mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約3260g |