Epic Gamesは、Unreal Engine5.1を公開した。同社Webページからダウンロード可能。
今回のリリースでは、UE5で導入された画期的な機能セットを基礎としてさらなる構築を行い、堅牢性、効率性、汎用性を向上させた。
Lumen、Nanite、仮想シャドウマップの更新
60fpsで動作するゲームなどに対応するためのLumenダイナミックグローバルイルミネーションおよび反射システム、Nanite仮想化マイクロポリゴンジオメトリシステム、仮想シャドウ マップ(VSM)の基盤を確立することで、高速の対戦ゲームや詳細度の高いシミュレーションをレイテンシーなく動作させることができるようになった。
同時に、Naniteが更新されProgrammable Rasterizerも追加。Programmable Rasterizeを使用することでワールド位置オフセットによるマテリアル駆動のアニメーション及び変形、オパシティマスクを利用できるという。またNaniteを使用して、特定のオブジェクトの動作(風に舞う葉を描写したNaniteベースのフォリッジなど)のプログラミングも可能だ。
ワールドビルドツールの機能強化
World PartitionでLarge World Coordinatesがサポートしたことで、精度を損なうことなく大規模なオープンワールドを作成できるようになった。水のレンダリングとストリーミングのための新しいHLOD(階層詳細度)のサポートにより、少ないメモリ使用量で大規模な水域をオープンワールドで作成できる。
In-Camera VFXエディタの機能強化
In-Camera VFXエディタをはじめとする多数の機能強化により、ユーザビリティが大幅に向上。ライトカードシステムの改善により、nDisplayウォールのプレビューとライトカードが重ねて表示されるため、ライトカードの作成、移動、編集からテンプレートの保存までをわかりやすく、効率的に行うことができる。
また背後にあるもののみに調整を適用するColor Correction Windows(CCW)、アクタごとの色補正を適用する機能などがあり、複雑なマスキングの必要性が低減されたという。
アニメーション、リギング、およびモデリングの機能強化
現在ベータ版である機械学習(ML)Deformer(デフォーマー)を使用すると、複雑な独自のリグや任意の変形の忠実度の高い近似値を作成できる。カスタムMayaプラグインを使用して機械学習モデルに学習させることで、そのモデルをUnreal Engineでリアルタイムに実行できるようになった。
一方で、コントロールリグについては、グラフを使用してリグ階層を生成できる新しいコンストラクションイベント、「Snap FK to IK」などのリグイベントを作成およびトリガーするためのカスタムユーザーイベントなどの更新が行われている。これらの更新によって、スケルタルプロポーションやプロパティが異なっていても、キャラクターのリグの作成を自動化できるようになった。
そのほか、UE 5.0で導入された人工知能(AI)ツールMassEntityがBetaに。これにより大規模なワールドを効率的に生成し、数万人のリアルなAIエージェントで構成される群集の作成が可能になったという。