Irix Cine 150mm T3.0 Macro 1:1は2019年に市場に投入されたマイクロ専用レンズで、主に被写体に近づいて撮影するために調整されたフォーカスリングを特徴としている。同レンズは、より遠い面にもピントを合わせることが可能だが、その特殊性から、リングの可動範囲がかなり狭くなるという。そのため撮影対象からより遠い距離で快適に作業できるバージョンを作れないかと、同社に要望があったという。ユーザーの声を大切にしている同社は、150mm T3.0レンズに「TELE」を冠した第2弾を開発にいたったという。
Irix Cine 150mm T3.0 TELE
光学的、機械的な構造はIrix Cine 150mm T3.0 Macro 1:1と同様だが、以下の違いがある。
- 2mから無限遠までの範囲で、フォーカスリングをより正確に動かすことが可能。リングの可動範囲は270°で変更なし
- レンズの絞り値が変更され、TELEバージョンでの最大値は22
焦点距離150mmと11枚構成の円形絞りの組み合わせにより、ボケ味と美しい背景画が得られる。明るい絞り値により、被写体を背景から分離させることが容易に実現できる。光学的な構造により、シャープネスを持ちながら、柔らかな階調と特徴的な輝きを持つ、映画のような独特のIrixルックが表現される。
品質
画質、ボケ味、性能、そして可能な限り低いフォーカスブリージングを提供するために、8K対応、光学12枚構成、インターナルフォーカシング、11枚羽根の絞りを搭載。
互換性
マットボックス直径95mm、フロント86mmフィルタースレッド、0.8ギアピッチなど、映画撮影に使われる代表的なサイズやシステムと互換性がある。
撮影時の安定性を確保するため、標準的な1/4インチマウントネジのレンズフット(キットに含まれる)でレンズをケージに追加固定が可能。すべてのIrixレンズは、より快適に使用できるように同じ高さのギアを備えており、重量と寸法も同様。
機能性
Irix Cine 150mm T3.0 TELEには、同社のソリューションとアイデアが数多く搭載されている。レンズ前面にはマグネティックマウントシステムを装備し、追加アクセサリーやIrix MMSフィルター、オプションのレンズフードを簡単に装着が可能。
フォローフォーカスシステム用のアダプティブリングは、フォローフォーカスシステムの機能をフルに発揮させるとともに、フォローフォーカスを使用しない場合のレンズの使い勝手を向上させる。
アクションに対応
ウェザーシール(ゴムリング5個、PLマウント4個)を装備し、軽量化を実現。レンズはマグネシウム合金製で、耐久性のある金属構造にもかかわらず重量はわずか1105g(キヤノンEF版)。中型ビデオカメラや一眼レフカメラ/ミラーレスカメラでの使用において、バランスの良いレンズとなっている。
対応マウント
Irix Cine 150mm T3.0 TELEは、業界で人気のあるといわれる7つのマウントで使用が可能(キヤノンEF、キヤノンRF、ソニーE、ニコンZ、オリンパスMFT/パナソニックMFT、ARRI PL-マウント)。