ローランド株式会社は、イベントでの映像演出や音声調整、収録、ライブ配信まで1台で行えるダイレクト・ストリーミングAVミキサー「VR-120HD」を2023年2月下旬に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税込88万円。

VR-120HDは、ライブ配信に便利な機能を大幅に強化し、映像演出、音声ミキシング、配信・記録を一人のオペレーターで実現できるプロ仕様のAVミキサー。さまざまな映像フォーマットに対応する12系統の映像入力を装備。PCやタブレット、ゲーム機などを接続して映像を取り込むことが可能。8つのレイヤー機能を備え、テロップ挿入やピクチャー・イン・ピクチャーなどの映像合成を自在に行える。

最大8系統の映像出力ができ、会場の大型ビジョンやライブ配信用のPCなどにフレキシブルな映像出力が可能。さらに、インターネットへのストリーミングにも対応し、PCを使わず本体のみで安定した配信を行うことができるとしている。

    テキスト
VR-120HDのリア・パネ※画像をクリックして拡大

本体に42チャンネルのオーディオ・ミキサー機能を装備。6系統のXLR/1/4 インチ・コンボ入力には高品位なマイク入力回路も搭載している。その他、4系統のRCA入力、HDMIやSDI、USB、Bluetoothを介しての音声入力に対応。EQやリバーブをはじめ、本格的なエフェクトも内蔵している。また、本体パネルの8個のパッドに効果音やアナウンス音声を取り込み、タイミングよく再生できるオーディオ・プレーヤー機能も備えている。

本体のパッドを押してタイミングよくオーディオ再生可能

VR-120HDはボタンを一度押すだけで、複数の操作を実行できる便利な機能を搭載。「シーン」には画面構成や音声の設定などを、「マクロ」には映像切り替えや操作設定を登録し、イベントやライブ配信の進行に合わせて簡単なボタン操作で呼び出すことが可能。

また、登録した設定をイベントの進行に合わせて自動で制御できるシーケンサーも搭載している。映像演出と音声ミキシングを自動で切り替えることができ、オペレーターの負担を大幅に軽減できるとしている。

メニュー画面のデザインが新しくなった

また、VR-120HDはPTZ(パンチルトズーム)カメラのコントロールにも対応。メーカーの異なるPTZカメラを最大12台組み合わせて同時に操作を行うことができる。タリ-ランプへの対応や、外部機器のリモート・コントロールなど、収録現場での作業をスムーズに行える機能を搭載している。

映像を演出するためのレイヤー機能を8系統備え、メイン・プログラム、サブ・プログラム、その他の出力それぞれに割り当て可能。ピクチャー・イン・ピクチャーやクロマキー、テロップの挿入など、視聴者に向けて効果的な映像を送ることができる。

3系統のSDI出力と3系統のHDMI出力を装備し、イベント会場のスクリーン、出演者用のモニター、さらにはオペレート用のマルチ・ビュー、オンライン配信など、それぞれの出力に最適な映像を送り出すことが可能。本体のタッチ・パネルに表示されるビデオ・マトリックスは指でスムーズに操作できる。

本体から直接インターネットに出力可能なイーサネット端子や、最大60FPSのUSBストリーミング出力に対応。また、SDXCカードへの同時記録にも対応し、イベント映像を録画して後で編集したり、再配信に利用することも可能だ。

VR-120HDは、プロクラスのオーディオ・ミキシング機能を装備し、映像に加えてオーディオ信号もオペレートすることができる。各音声ソースを自由に割り当て可能な8本のフェーダーでの直感的なミキシングはもちろん、パネリストの多いイベントでは、発言に合わせて各チャンネルの音量を自動でミキシングし、オペレーターの負担を軽減することが可能。

2系統のAUXバスなど、汎用性の高いルーティング機能を備えているため、ステージと控え室のそれぞれに最適なモニター音声環境を構築することも可能だという。

すべての入力/出力にEQ、ダイナミクスの処理が行え、ライブ演奏時には高品位なリバーブを付加することも可能。さらに、マイク使用時の不快なハウリングやフィードバックを除去したり、グラウンド・ノイズを抑制することができる機能を備えている。

視聴者に届ける映像の選択、画面構成や音声の設定などを「シーン」(最大32種)に登録し、すぐに呼び出すことが可能。「マクロ」には進行に合わせた一連の操作を記憶(最大100種)させることができ、簡単なボタン操作で再現。さらに、イベントの台本に合わせてシーケンサーに「シーン」や「マクロ」を登録(最大1,000ステップ)し、ワンタッチで台本に沿った操作を呼び出すことが可能。現場でのオペレーションを大幅に省略化することができるとしている。

外形寸法は437(幅)×304(奥行)×109(高さ)mm、質量は5.3kg
VR-120HD(左)とVR-50HD MK II(右)の比較

なお、PRONEWSでは2月にVR-120HDのレビュー記事を公開予定だ。乞うご期待!