ソニーは、自由なサイズと形状で大画面を構築でき、臨場感のある高精細な映像を映し出すLEDディスプレイのCrystal LEDに、新たにBHシリーズ「ZRD-BH12D」「ZRD-BH15D」とCHシリーズ「ZRD-CH12D」「ZRD-CH15D」の計4機種を2023年4月に発売する。希望小売価格はいずれもオープン。
Crystal LEDは、同社が開発した高画質LEDディスプレイシステムで、正確な色再現性や豊かな階調表現、広視野角などによる没入感のある映像で空間演出を実現し、大画面ディスプレイの新しい用途提案をしている。
国内のLEDディスプレイ市場は、空間演出やデジタルサイネージでの情報伝達、効果的な映像コミュニケーションなど用途が多様化し、画素ピッチが2mm以下の市場は年率2桁の成長が見込まれているという。今回発売する4機種は、発売中のCrystal LEDがもつ高画質性能による臨場感と没入感のある映像表現を継承しながら、設置性と保守性の高さも兼ね備えており、多様化する用途や設置場所にあわせて最適な機種を選べる商品構成になっているとしている。
臨場感と没入感のある映像を映し出す高画質性能
BHシリーズは1,700cd/m2の高輝度と独自の低反射コーティングにより、画面内に外光の映り込みが少ないことが特長で、企業のエントランスやショールーム、小売店舗などの明るい場所でも豊かな色彩の映像表現が可能だという。
CHシリーズの2機種は、高いコントラスト比と独自のディープブラックコーティングにより深い黒と豊かな階調表現が可能で、美術館や博物館など印象的な映像表現が求められる用途に適しているという。また、4機種ともにsRGB比で146%以上の広色域を実現している。
新設計のディスプレイキャビネットにより、設置にかかる手間と時間を削減
工場出荷時に事前に組み立てられた2枚のLEDモジュールブロックを、マグネットで簡単に装着する新構造により、複数キャビネットを大画面に組み上げる際の作業時間を短縮する。また、ディスプレイキャビネット間をつなぐ電源ケーブルおよびイーサーネットケーブルを、キャビネットの内側で配線する構造に変更している。これにより、LEDパネルをはずすだけで、配線を含むすべての部品を前面からメンテナンスができるようになり、保守性も向上している。
高画質プロセッサー「X1 for Crystal LED」搭載
テレビのブラビアで培った技術とCrystal LEDで培った精密なLED制御技術を応用した高性能画像処理プロセッサー「X1 for Crystal LED」を搭載。入力された映像をフレーム単位で解析し、超解像処理で細部まで鮮明な映像を表示する「リアリティ・クリエーション」や動きの速い映像を滑らかに表示する「モーションフロー」機能、正確な色再現性と豊かな階調表現を実現する「22ビットスーパービットマッピング」に対応している。
色ずれの少ない、均一でシームレスな大画面
LEDモジュールを事前に組み立てて、色調整した状態で出荷するため、設置時の色調整の手間が省け、色ずれの少ない大画面に仕上げることができる。さらに、デジタル一眼カメラα(Alpha)でLEDディスプレイ画面を撮影し、その撮影データを設置調整に活用する「自動調整ツール」を開発。パソコンの専用ソフトウェアを使って迅速かつ正確に画面全体の色の均一性※とLEDモジュールブロック間の目地を見えづらくする調整を行える。
※自動色調整機能は、今後のソフトウェアのアップデートで対応予定
その他
LEDの生産管理を厳密に行うことで、色合わせのためのロット管理を不要にしている。これにより、どのモジュールとも組み合わせが可能で、設置後の増設に対応する。
発光効率の高いLED素子の採用により約25%の低消費電力化を実現。低消費電力化によりLEDディスプレイからの発熱量を抑えることができ、空調設備の追加等にかかる費用の削減にもつながる。