ソニー、「Creators’ Cloud」ソニー「Creators’ Cloud」メイン写真

ソニーは、最先端のカメラ技術とクラウド技術を掛け合わせ、撮影からコンテンツ制作全般までクリエイターをサポートするクラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」を、個人向けに提供を開始する。

個人向けの「Creators’ Cloud」プラットフォームでは、カメラで撮影した動画・静止画を簡単にクラウドサービスへアップロードするスマートフォン向けアプリ「Creators’ App」(2023年2月下旬以降より提供開始予定)、時間や場所の制限なく使用可能なクラウドストレージ、動画編集クラウドサービス「Master Cut (Beta)」、共同作業ができるクラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」、クリエイター同士が繋がり作品を発信するコミュニティ機能「Discover」といった、個人向けのコンテンツ制作ワークフローを支援する各種サービスを提供するという。

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モバイル向けの「Creators’ App」

今回新たに導入する「Master Cut(Beta)」では、撮影する動画のみならず、撮影時に収録されるカメラとレンズの様々な情報(メタデータ)と、クラウドAI技術を活用することで、クラウド上で高速・高精度に動画を補正し、最終制作前の高品質な下地作りを簡単に行うことが可能。

さらに、個人クリエイターが作品の発信拠点を持ち、コミュニティで繋がることで、互いの創造力を刺激し合うことができる「Discover」も新たに提供。また、個人のクリエイターのオンラインでの共同制作に対する需要の高まりに応えるため、従来、法人向けに提供してきたクラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」を個人向けに提供を開始するとしている。

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PCのブラウザ向けの「Creators’ Cloud」

「Creators’ Cloud」の個人向けに提供するサービスは以下の通り。

■撮影した動画・静止画を簡単にクラウドへアップロードするスマートフォン向けアプリ「Creators’ App」とクラウドストレージ

  • ソニーの多彩なカメラで撮影した動画・静止画を、クラウドへ簡単にアップロードする、クラウドへのゲートウェイとなるスマートフォン向けアプリ「Creators’ App」を提供。本アプリにより、スマートフォンを通して、カメラで撮影した動画・静止画を簡単にクラウドサービスへアップロードが可能になる。
  • 「Creators’ Cloud」で提供するクラウドストレージには、PCやスマートフォンなどの様々なデバイスや、「Master Cut(Beta)」などのクラウドサービスからアクセスができ、手軽にファイルの閲覧や管理を行うことが可能。スマートフォンからは「Creators’ App」経由で、カメラで撮影した動画や静止画を簡単にクラウドストレージへアップロードでき、PCからはウェブブラウザから「Creators’Cloud」にログインし、クラウドストレージへ同様にコンテンツをアップロード可能。また、カメラからクラウドストレージへ直接撮影データをアップロードする機能も、今後提供を予定しているという。
  • ソニーのカメラの対象機種を所有するユーザーには、通常5GBの無償クラウドストレージを、25GBに拡大して提供。なお、個人向けの「Creators’ App」の提供開始に合わせ、現在法人向けに提供中のクラウドゲートウェイアプリである「C3 Portal App」は「Creators’ App for enterprise」に名称が変更になる。

■カメラメタデータとクラウドAI による動画編集クラウドサービス「Master Cut (Beta)」

  • ノンリニア編集ソフトでの最終制作を行う前に、本サービスで撮影時のカメラメタデータとクラウドAIを活用し、簡単に、高速・高精度な撮影データの下地作りが可能。ベータ版として無償での提供を開始し、ユーザーの声を取り入れながら今後も進化していくという。
  • カメラのメタデータを活用した高速な画像解析を行い、撮影した動画の品質向上が可能としている。撮影時のメタデータを活用しカメラの揺れを検出し、短時間で高精度な手ブレ補正が実現可能。加えて、クラウドAIの画像解析が類似するシーンごとに自動でグルーピングするため、クリップを仕分ける手間が省け、より効率的に動画を選びやすくなるという。さらに、カメラで付与したメタデータはクラウドとシームレスに同期。撮影する際、重要なシーンにカメラでマークを付けて、「Master Cut(Beta)」にデータを取り込むと、メタデータ がシームレスに同期され、「Master Cut(Beta)」上でもマークしたシーンを確認することが可能。サービス内でクリップを切り出すときの目印として活用するなど、使い勝手が向上するという。
  • 音源分離による音ノイズ除去と音声レベルの最適化を実現。動画に含まれる音源をクラウドAIで高精度に分離し、マイクの風切り音や環境音のノイズなどを個別に取り除くことが可能。複数クリップの不揃いな動画音源からノイズと音声を分離し、クラウドAIにより一括で音声レベルをクリップ間で合わせることができ、作業を効率化できるという。また、音声の補正後に、各ノイズの強度を任意に手動で調整も可能としている。
  • 「Master Cut(Beta)」にアップロードした動画や編集内容はクラウドストレージに保存・同期されるので、場所や時間を問わず 異なるPCからアクセス可能。
  • 他にも、クリップの明るさや色合いの補正、ダイナミックレンジの広いガンマカーブS-Log3で撮影した動画コンテンツへの対応や、データサイズが軽いプロキシーファイルを活用した迅速な映像制作ワークフローへの対応など、利用者の声を反映しながら、今後さまざまなアップデートを予定している。

■クラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」

収録された素材や編集されたファイル映像を共有したり、映像制作の共同作業を可能にするクラウドメディアストレージサービス。法人顧客向けに展開し、映像制作コラボレーションツールとして映画やドラマ制作で高い評価を得ている「Ci Media Cloud」を、個人向けにも展開する。「Ci Media Cloud」は、すでに世界中で15万人以上のユーザーに利用されているサービス。今回、新たにソニーアカウントでの登録・ログインに対応し、個人ユーザーが所有のMy Sony IDを使用してログインが可能になるなど、利便性を向上している。また、「Ci Media Cloud」はスマートフォンやApple TV 用のアプリも提供しており、マルチデバイスでの制作ワークフローを支援。また、Adobe Premiere Pro のパネル機能にも対応し、本格的な編集にも便利に使用することが可能だという。

■クリエイター同士が繋がり作品を発信するコミュニティ機能「Discover」

撮影・制作した作品を、世界中のクリエイターへ発信したり、他のクリエイターの作品の閲覧が可能。自身のポートフォリオページを持ち、作品の他に撮影機材や自身の活動拠点の登録も可能なので、自分と同じ機材を使用しているクリエイターや、近隣で活躍しているクリエイターとの出会いに繋がるという。「Discover」には、スマートフォン向けアプリの「Creators’ App」から、またはウェブブラウザの「Creators’ Cloud」からアクセス可能。