Blackmagic Designによると、ポッドキャスト「Saving Grace」や「The Fellas」の制作を行うThe Fellas Studiosは、F1に関する新しいポッドキャスト「The Last Lap」の撮影にBlackmagic Studio Camera 4K Proを用いたマルチカム・ワークフローを使用したという。
同番組は、トム・マクラスキー氏とニーラン・イェスフ氏がホストを務めており、収録番組として始まった。しかしThe Fellas Studiosの代表取締役であるエリオット・ハックニー氏は生放送にすることで、視聴者のエンゲージメント率を上げられると考えた。特に、レース期間中において効果的であるという。
ハックニー氏は次のようにコメントしている。
ハックニー氏:「The Fellas」や、女性が司会のポッドキャストとして国内で最も高い人気を誇る「Saving Grace」などで成功を収めた後、引き続きコミュニティーを拡大していきたいと考えました。生放送はそれを実現できる良い方法です。「The Last Lap」はビデオポッドキャストのパイロットコンセプトであるため、スタジオの機能を見直す必要がありました。
パワフルな性能
The Fellas Studiosは、Alex.Liveのライブ配信コンサルタントであるアレックス・ペティット氏に連絡し、新しいスタジオのワークフローを構築する上で、5台のBlackmagic Studio Camera 4K Proを基軸にすることを決めた。4台は各ゲスト用、1台が広角に使用されている。
ビデオフィードは光ファイバーHDMIを介して、ラックに設置されたATEM Mini Extreme ISOライブプロダクションスイッチャーに送信され、一本のケーブルでATEMと双方向通信を行い、タリーとカメラコントロールが送信されている。
カメラオペレーターがおらず、2名だけで制作を行っているので、同社にとってワークフローはシンプルで使いやすいことが重要だった。
ペティット氏:通常は全自動で運用していますが、カメラオペレーターがいないので、放送中にATEM Software Controlを使用してカメラのフォーカスを調整できることは重要です。
これらのカメラは「The Last Lap」以外にも、複数の生放送および収録番組に使用されている。番組ごとに異なるルックやスタイルを適用するために、カメラにはカスタムLUTがロードされている。
ラックの中
ペティット氏:このワークフローの最大の利点の一つは場所を取らないことで、ロケ撮影のために梱包して移動・配信ができます。大きなオーディオ機材、照明、テーブルが必要なビデオ機材などが必要なく、マウス、キーボード、コントロールデッキからすべてがネットワークで操作できます。
すべての中心となる放送用ラックには、イーサネットスイッチとWi-Fiルーターが設置され、内部の放送ネットワークを管理している。ラックには、BehringerのオーディオミキサーとATEM Mini Extreme ISOも設置されており、ATEM Miniが追加の入力の接続に使用されている。
プログラムはATEM Mini Extreme ISOの配信エンコーダーにより、Restreamでライブ配信されている。同時にATEMはSSDに個別収録も行っているため、番組をカット割りしたり、ライブ配信後にSNSへの投稿用の編集が可能となっている。
スマートな操作
カメラのフォーカス調整、マイクレベルやトークバックのコントロール、HyperDeck Studio HD Plusからの再生のトリガー、ATEM Mini Extreme ISOでのカメラのカット割りなど、スタジオにおけるワークフローのあらゆる側面が、コントロールデッキまたはATEM Software Controlから操作できる。
HyperDeck Studio HD Plusが、ATEM Miniを介してソースをATEM Mini Extreme ISOに送信するため、入力が一つ空き、生放送中に交換が簡単に行える。
UltraStudio HD Miniキャプチャー・再生デバイスが、Mac Miniからキー&フィルグラフィックをATEM Mini Extreme ISOに送信している。レースの物語を伝える上でグラフィックが重要な役割を果たすため、これによりSingular.liveを使用して、ストリームにデータのグラフィックを統合している。
ハックニー氏:視聴者のエンゲージメント率が非常に高くなり、生放送を行っていく自信となりました。以前は、ラジオでお気に入りのコメンテーターの解説を聞きながら、生放送を無音にして見ている人々がたくさんいたのですが、今の世代は2つ目のスクリーンを同じように使用し、さらにコメントなどの交流を行っています。これを踏まえると、この放送形式が非常に上手く機能しているのはある意味当然ですね。