Blackmagic Designによると、インド映画の驚異的なビジュアルとストーリー展開を世界中の観客に届けたアクションスリラー映画「Kantara(神話の森)」で、カラリストのリメッシュ・CP氏が、編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioと、DaVinci Resolve Advanced Panelを使用し、インドの伝統文化と自然美を融合させたという。
「Kantara(神話の森)」は、カンバラ(水牛のレース)のチャンピオンと、傲慢な森林管理官との衝突を描く。脚本/監督のリシャブ・シェッティ氏は、同作の主演も務めている。物語は、深い森の側にある半世紀前のインドの村から始まる。そこでは、人々は自然や動物を行使する芸術で神を崇拝している。同作では、ブタコラという芸術が見事に描かれている。これは、神聖な踊り手が顔にペイントを施し、ココナツでできたシリを身に纏って踊ることで神を呼び出すというものだ。
1年に一度開催される水牛レースの祭典、"カンバラ"の驚異的なビジュアルや、儀式舞踊、"ブタコラ"の鮮やかなカラーを表現するために、リメッシュ氏はすべてのフレームで、映画的な雰囲気を出しつつ、祭りと文化を自然に見せるようなルックを作成する必要があった。
受賞歴を持つリメッシュ氏は、現在自分のポスプロ会社であるColor Planet Studiosで働いている。同氏はカラリストとしての15年以上のキャリアの中で、150本以上の劇場映画および短編映画、そして250本以上のテレビCMのグレーディングを手がけてきた。2007年にキャリアを開始したリメッシュ氏は、多くの仕事でDaVinci Resolve Studioを使用してきた。同氏が手掛けた作品には、「Kumbalangi Nights」、「Ajagajantharam」、「Palthu Janwar」、「777 Charlie」、「Gandhadagudi」(すべて英題)などが含まれる。
リメッシュ氏は、次のようにコメントしている。
リメッシュ氏:リシャブ・シェッティは、すべてのシーンを美しく魅力的なルックにし、重要なシーンに関しては、適切な連続性と十分な説明が必要だと考えていました。アクション、ファンタジーのコンセプト、背景により、同作は印象的なビジュアルになっていますが、これは、DaVinci Resolveのコントロールサーフェスで簡単に実現することができました。
「Kantara(神話の森)」では、リメッシュ氏はACESのカラーマネージメントワークフローを採用した。厳しい締め切りの中、サイズの大きいEXR VFXショットを扱う必要があり、映画館や世界的な配信用の異なるバージョンも作成する必要があった。
リメッシュ氏:Resolveで必要なすべてのツールは、ワンクリックでアクセスできました。さらにResolveは、OpenEXRなど、ディープラスターのフォーマットを含むあらゆるフォーマットをロードできます。これで作業をより簡単かつよりスピーディに進めることができました。
また、 Advanced Control Surfaceを使ったことで驚くほど効率がアップし、値を正確に微調整するのに役立ちました。Power Windowの逆送り/順送りトラッキングは非常に簡単に使用できます。
グレーディングの作業中は、Resolveのカラーワーパーとクオリファイアーツール、そしてHDRカラーホイールとノイズ除去ツールに頼りっぱなしでしたね。
同作の自然美とシネマライクな雰囲気のハイライトシーンのひとつは、4人の主要登場人物たちが、夜中に月明かりとヘッドランプだけを頼りにイノシシを仕留めに行くシーンである。リメッシュ氏はDaVinci Resolve Studioを使用して、霧深い森で木々や葉の中を素早く駆けるイノシシと、それを追いかける人物たちを融合させた。
リメッシュ氏:Resolveのアルファマットを使用して、野生のイノシシと夜の森をうまく融合させることができました。3Dモデルにグレインエフェクトを適用し、ResolveのPower Windowを使って3Dモデルのシャープネスを調整しました。これにより、このシーンの各パートでルックを調整でき、カメラマンや監督が望んでいたリアルなタッチを効率的に得ることができました。
撮影監督と監督が映画全体で実現したかった雰囲気をうまく演出できたと思います。同作は幅広く評価されていますが、特にカラーグレーディングで評価されています。これはDaVinci Resolveによるところが大きいですね。
「Kantara(神話の森)」は、世界各地の映画館および配信サービスにて現在公開中。