230329_storm_top

株式会社ディストームは、VFXシミュレーション制作ツール「STORM」を発売した。ラインアップと希望小売価格は以下の通り。

  • STORM インディライセンス(小規模スタジオ向け):税込25,080円
  • STORM スタジオライセンス:税込50,380円

STORMはドイツに拠点を構え、自身も VFXアーティストとして活動しているSebastian Schafer氏が開発を行っている、スタンドアローンのVFXパーティクルシミュレーションプログラム。映画やテレビ番組などのVFXショットの制作に使用するための高度なシミュレーション機能を備えたソフトウェアだ。

STORMが提供する高度なシミュレーション機能により、3DCGソフトウェアだけでは値の調整や試行錯誤に時間がかかってしまう、パーティクル同士の衝突や煙、炎、流体、爆発など、さまざまな効果を生成し、よりリアルなVFX効果を制作することができるという。

STORMの特長

砂、雪、剛体、ソフトボディのような素材を高速ビューポート上で素早く設定し3Dシミュレーション結果を作成できる。さらに現バージョン(0.6.009)では、実験的な機能として、クロスや煙、炎などを流体力学に従って表現する機能が実装されている。

海外スタジオ・プロジェクトでは、「ゲーム・オブ・スローンズ」や「X-MEN:ダーク・フェニックス」などのテレビシリーズ作品や長編映画のプロジェクトの制作において活用されている。

STORMはスマートなユーザーエクスペリエンスを実現。高速ビューポートとスリムなユーザーインターフェイス、直感的かつインタラクティブなワークフローで、軽快なシミュレーションの反復作業を提供するという。

STORMの主な機能紹介

  • マルチソルバー:パーティクル、粒子、フルイド、クロス、炎、煙などのVFXシミュレーション
  • VDBツールキット:ボリュームやパーティクルメッシュの作成、ブーリアンや崩壊表現など
  • 高速ビューポート:数百万個のパーティクルや高解像度メッシュも軽快に動作する。簡略化されたUIによる集中できる作業環境
  • マルチスレッド:最新アーキテクチャの導入による効率的なマルチスレッド処理でシミュレーションの高速化を実現。パーティクルシミュレーションのCUDAサポート(Windows)
  • 安定性:生産実績のある安定した高速なソルバー
  • 入出力:obj、bin、abc、vdb、prtの各フォーマットでの入出力
  • STORMは、さまざまな3DCGツールとのコラボレーションができる。業界標準ファイルフォーマットであるOBJ、Alembic、vdbなどをサポートしており、エクスポートされるシミュレーションデータはMODOやLightWaveのみならず、Maya、3dsMax、Houdini、Cinema4D、Unreal、Unityなどといったほぼすべての3DCGツールでの読み込みや参照が可能。

    STORM 製品提供内容

    • STORM 英語版プログラム(Windows/macOS)
    • STORM 日本語ドキュメント(クイックスタートガイドpdf、ノードグラフチュートリアルpdf)
    • STORM 日本語ビデオマニュアル(合計収録時間:100分以上)

    パーティクルシミュレーションツール「STORM」ビデオマニュアルサンプル(抜粋)

    システム要件

    OSについては、現時点で最新のWindows 11、または、macOS Venturaで動作する。これら以下のOSのバージョンについては、必ず購入前にSTORMのデモ版(体験版)をダウンロードし、試すように呼びかけている。

    また、STORM は、Granular および SPH パーティクルシステムに対してCUDAによるGPUアクセラレーションをサポートしている(Windows版のみ)。このため、グラフィックスカードについては、CUDAに対応するNvidiaの高性能グラフィックカードが必要となる。