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AJA Video Systems社は、カラーマネージメントワークフロー用のコンパクトで高性能なコンバーター「ColorBox」の v2.0ファームウェアを公開した。ColorBoxの希望小売価格は税込352,000円。ファームウェアv2.0アップデートは、AJAのウェブサイトから無料でダウンロード可能。
Colorfront Engine、オプションライセンスで新しい「TV」、「Live」モードに対応
ColorBoxに新しく搭載された「Colorfront TV」モードは、放送向けのワークフローに対応した直感的なカラー処理エンジンであり、放送従事者が変化に対応できるよう支援するという。このライセンスにより、オペレーターはカラー変換の重要な要素をこれまで以上に詳細にコントロールを可能としている。
新たに輝度、ハイライト、スーパーハイライト、色彩ツールを利用してカラー変換を行えるように改善された。これらを使用すると、ユーザーはColorfrontの知覚処理アルゴリズムの範囲内で、より正確な補正が可能となるため、ハードクリッピングによるアーティファクトの発生は抑制され、知覚される色、色相、彩度を維持できるという。
新しいTVモードは、現代のライブプロダクション用途で活用できるソニーS-Log3変換もライセンスアップグレードの一部として利用可能。また、同ライセンスでARRI Log C4カラースペースを含むSDR、HLG、PQ以外の複数のカメラログフォーマットもColorfront Liveモードで利用できる。これらColorfront Engineの新機能は、FS-HDR v4.2ファームウェアアップデートでも同じく利用できるという。
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ORION-CONVERTおよび BBC HLG LUTのアップデート
ColorBox v2.0に含まれるORION-CONVERT v1.1は、ORIONの新しいガンマ補正機能により、放送用途向けのLUTを使用した変換に対する互換性を新たに追加した。このガンマ補正は、オプションのOOTF(ITU-R BT.2408-5の5.1項に記載)を適用して、SDRとHDRの主観的な見え方の変化を補正するという。
BBC HLG LUTも最新バージョン1.6にアップデートされた。コンビネーションLUTは、2つのLUTを1つに統合し、カメラシェーディング用途で使用可能。ダウンマッピングLUTは、Color Appearance Model(CAM)や人間の視覚システムに基づいて設計されていて、オリジナルのHDRコンテンツの芸術的意図を保持するのに役立つとしている。
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AJA社社長のNick Rashby氏は次のようにコメントしている。
お客様が互換性の問題を解決するために時間を費やすのではなく、コンテンツの撮影に集中できるように、私たちはカラーマネージドワークフローの簡素化に取り組んでいます。ColorBox はすでに素晴らしい能力と比類のない機能を誇っていますが、Colorfront のアップグレードオプションを含む v2.0 ファームウェアに搭載された魅力的な新機能で、その価値をさらに高めています。
なお本機は、2023年4月15日から4月19日まで米国・ラスベガスで開催される放送機器展示会「2023 NAB Show」の同社ブースにて展示予定。
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