Blackmagic Design導入事例:株式会社MIXI、インハウス動画制作・配信の場合

Blackmagic Designによると、株式会社MIXIがインハウス動画配信スタジオにBlackmagic Designのワークフローを取り入れて運用しているという。4K配信やUnreal Engineを使用したバーチャルプロダクションなど、新しい取り組みに挑戦している同社スタジオには、BlackmagicデジタルシネマカメラやATEMライブプロダクションスイッチャー、Smart Videohubルーター、DeckLink 8K Proキャプチャーカード、Smart Viewモニター、Teranex Mini Converterなど数多くの製品が活用されている。

株式会社MIXIは、日本でのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の先駆けとして2004年に「mixi」の運営を開始し、その後「モンスターストライク」などのスマホゲームでヒットを飛ばし、現在は公営競技・スポーツ関連ビジネスなど多岐にわたる事業を展開している。同社では企業としてかなり早くからインハウス動画制作に取り組んでおり、2020年にはオフィスの移転に合わせて、新しいスタジオを構築した。

同スタジオのワークフローは通常の配信に加え、Unreal Engineを使った配信も可能。4Kでの配信にも対応しており、隣接したメインの第1スタジオと第2スタジオは同じコントロール室からスイッチングや合成ができるようになっている。

Blackmagic Design導入事例:株式会社MIXI、インハウス動画制作・配信の場合

MIXIでの動画制作のインハウス化について、同社デザイン本部、動画クリエイティブ室室長の越智純平氏は、次のようにコメントしている。

越智氏:弊社の動画制作の内製化は、2014年から始まっています。ちょうどYouTubeの人気に火がつき始めた頃で、その時に弊社でも社内で映像コンテンツの制作をスタートしました。その後、社内でスタジオを作って生配信も始めましたが、当時は情報も少なく試行錯誤しながら始め、現在のオフィスに移転することになって本格的なスタジオを構築することになりました。カメラがあったりルーターがあったり、やりたいことをほぼ1つのメーカーで揃えられるという点でBlackmagic Designの製品を数多く導入しました。

配信業務は同社の人気スマホゲーム関連の配信がメインで、その他に社内向けオンラインイベントの配信もあるという。また、同社で行っているスポーツ関連事業の一環で、同社傘下のプロバスケットボールチームの千葉ジェッツやJリーグのFC東京などの動画を制作することもあるという。

第1スタジオはATEM Mini Pro ISOとBlackmagic Pocket Cinema Camera 6KおよびPocket Cinema Camera 6K Pro、第2スタジオはATEM Television Studio 4K ProとBlackmagic Studio Camera 4K Proの組み合わせで運用されている。

Blackmagic Design導入事例:株式会社MIXI、インハウス動画制作・配信の場合

同社で配信業務やポストプロダクション業務を担当するデザイン本部、動画クリエイティブ室エディターチームリーダーの野上祐平氏は、次のようにコメントしている。

野上氏:通常の配信はグリーンバック合成などもスイッチャーで行いますが、Unreal Engineを使う配信の場合は合成もUnreal Engine側で行っています。映像関係は全てSmart Videohub12G 40×40ルーターに集約させて、そこから割り振られたものをPCに搭載したDeckLinkにアサインしています。第1スタジオは手軽な内容の配信や第2スタジオが空いてない場合に使ったり、動画制作の際の物撮りの際に使ったりしています。

越智氏:Blackmagic Pocket Cinema Cameraは配信でも動画制作での撮影にも使っています。Pocket Cinema Cameraはカラーコレクションがしやすいので、DaVinci Resolveと一緒に使うことで、映像が印象的に仕上がります。

同社ではスタッフの意見を取り入れ、日々スタジオのアップデートを行っており、様々な新しいことに取り組んでいる。前職でUnreal Engineを使っていた経験を持つ、動画クリエイティブ室クリエイティブディレクターの谷賢史氏は、同社での映像配信にもUnreal Engineを活かせないかと考え、現在のスタジオにバーチャルプロダクションの機能を持たせたという。

Blackmagic Design導入事例:株式会社MIXI、インハウス動画制作・配信の場合

谷氏:作りながら、ああしたい、こうしたい、とアイデアが出てくるので、スタジオはずっと構築中のような感じです。

そのアイデアを具現化するために、こういう機材が欲しいとなった時にまとまって探せるのがBlackmagic Design以外にあまりないんです。Blackmagic製品はユーザーが多いので、トラブルシュートや使用事例の情報も得やすいです。Unreal Engineに積んでいるDeckLink 8K Proも、海外のバーチャルプロダクションの事例を調べていてDeckLinkを使っている方が多かったので導入しました。

Blackmagic製品は、価格が安くて自分が求めている性能が得られるので、フットワーク軽く運用を試せることも嬉しい点です。Unreal Engineに映像を取り込む時に、できれば高解像度のものを入力しておきたいなと思いました。そうすることで、Unreal Engine内で4Kで取り込んだものを拡大するなどして使えるのでStudio Camera 4K Proを2台導入しました。サイズ感や価格が手頃なことのほか、イーサネットケーブル1本ですべて接続が完了する点が気に入っています。

野上氏:配信前は、演者さんのアテンドをしたり素材の差し替えが入ったら、すぐに対応したりと、かなりバタつきます。以前のスタジオでは、スタジオ側に行って色々カメラの設定を変えたり、ズームやピントを合わせたりしていましたが、現在はBlackmagic製品で統一していることで、コントロール室にいながらスイッチャー側でカメラの調整ができるので、その点が使っていて一番助かっていますね。

越智氏:インハウス制作は、コスト面で企業にメリットがあるのはもちろんですが、映像制作者が社内にいることにより、事業理解が深く、レスポンスの速さや高いクオリティの維持が可能です。技術的に作るだけでなく、提案もできるという点もインハウス制作の良さだと思います。

Blackmagic Design導入事例:株式会社MIXI、インハウス動画制作・配信の場合