Metaのマーク・ザッカーバーグ氏は、この秋にローンチ予定の次世代のVR・MRヘッドセット「Meta Quest 3」を発表した。Meta Quest 3はより高い解像度、より強力なパフォーマンスに加え、革新的な技術「Meta Reality」、そしてより薄く、より快適な新しいデザインを採用するとしている。
Meta Quest 3は、日本を含む現在Meta Questをサポートしているすべての国と地域でこの秋展開される予定。価格は128GBモデルで74,800円(税込)。より大きなストレージモデルも提供予定だ。さらなる詳細は、今年9月27日(米国時間)に開催する「Meta Connect」にて発表される予定。
最もパワフルなMeta Quest
Meta Quest 3は、コンテンツをこれまで以上に美しく見せるため、今までで最も解像度の高いディスプレイとパンケーキレンズを組み合わせている。さらなる画素数を実現するため、Qualcomm Technologies社と共同で開発した次世代Snapdragonチップセットを初めて搭載する。
この次世代Snapdragonチップセットは、Meta Quest 2で採用している前世代SnapdragonのGPUに比べて2倍以上のグラフィック性能を実現。つまり、没入感のあるゲームにおいて、よりスムーズなパフォーマンスと鮮明なディテールが得られる。Meta Quest 3を支えるチップセットの詳細については、今年後半に発表予定。
一つのデバイスで没入型VRと革新的なMeta Reality
Meta Quest 3では、業界トップレベルの「Meta Reality」の技術により、物理世界と仮想世界をシームレスに融合できるという。この新しい体験は、今日の複合現実を超えるもので、物理的な空間にあるオブジェクトを認識し対応することで、これまでほぼ不可能だった自然で直感的な方法での操作が可能になる。
高精細なカラーパススルー、機械学習、そして空間認識により、バーチャルコンテンツと物理世界に同時にインタラクションすることができ、これにより無限の可能性を生み出すとしている。
キッチンテーブルの上で「デメオ:ダンジョン アドベンチャー」のボードゲームをしたり、「Painting VR」でリビングルームに自身の作品を飾ったりできる。もちろん、不可能なことを可能にする完全没入型のバーチャル世界を体験することも可能だ。
AIを搭載したプレゼンスプラットフォームで複合現実(MR)の基盤を提供し始めて以来、開発者はこれらのツールを活用し、ヘッドセットで何ができるのかを模索してきたという。その後、Meta Quest Proは、VR・MRデバイスとして初めて、外向きの高解像度カメラを搭載し、立体視カラーパススルーとパンケーキレンズで、最先端の映像表現の限界に挑戦した。
Meta Quest 3では、2つの4メガピクセルのRGBカラーカメラ、プレイエリアをより正確に表現する深度センサー、Meta Quest 2と比較して10倍以上の画素数のパススルーなど、さらに一歩踏み込んだ機能を搭載。 Meta Quest 3の登場により、低価格でより多くの人にMeta Realityを提供できるようになる。
言い換えればMeta Quest 3は、最先端のVRとMRの両方が1つのデバイスで体験できる、Meta初のコンシューマー向けデバイスであり、将来のヘッドセットの新しいベンチマークとなるものだと言える。
VR担当バイスプレジデントであるMark Rabkin氏は、次のようにコメントしている。
Rabkin氏:究極的には、我々のビジョンは、直感的かつ快適な方法であらゆる現実の間を移動できるようにすることです。仮想現実(VR)や複合現実(MR)という枠を超えて、現実世界と仮想世界を無理なく融合させるという、まさに次世代の体験を可能にします。
Meta Realityによって、VRの深い没入感に加え、物理世界をより楽しくより便利にする自由と喜びを提供します。私たちは、開発者やクリエイターがMeta Questプラットフォーム上でどのようなものを作っていくのか、その可能性が無限に広がっていることをとても嬉しく思います。
快適性+操作性を追求した新しいデザイン
Meta Quest 2と比較して40%スリムな光学設計により、Meta Quest 3はより洗練された快適なヘッドセットになる。また、Meta Quest 3のTouch Plusコントローラーは、人間工学に基づき、より簡素化された形状へとデザインを刷新する。
トラッキング技術の進歩により外側のトラッキングリングがなくなり、コントローラーを手の延長のように自然に、そしてスペースを取らずに使用できる。また、Meta Quest Touch Proコントローラーで初めて搭載されたTruTouchハプティクスを採用し、リアルな感覚を味わえる。
さらに、セルフトラッキング方式のMeta Quest Touch Proコントローラーにアップグレードすれば、ワンランク上の体験が可能になり、自分自身の手だけでバーチャルオブジェクトを操作できるダイレクトタッチを使えば、コントローラーがなくても操作できる。
豊富な没入型コンテンツライブラリ
Meta Quest 3は、500以上のVRゲームやアプリ、体験からなるMeta Quest 2のコンテンツカタログと後方互換性がある。さらに、発売に向けてさらにエキサイティングな新しいVR・MRタイトルも準備しているという。Meta Quest 3は、発売初日から豊富な没入体験のコンテンツライブラリを利用可能だ。Meta Quest 2が値下げ。パフォーマンスが向上
2020年に登場したMeta Quest 2は、2023年6月4日より、128GBモデルが税込47,300円、256GBモデルは税込53,900円に引き下げる。
今後のソフトウェア・アップデートで、Meta Quest 2とMeta Quest ProのGPUとCPUのアップデートを実施する。Meta Quest 2とMeta Quest ProのCPUのパフォーマンスが最大26%向上し、GPUのスピードがQuest 2で最大19%、Quest Proで最大11%向上する予定。
これらの改良を活用することで、両ヘッドセットでよりスムーズなゲームプレイ、より反応の良いUI、よりリッチなコンテンツを期待できる。また、Meta Quest 2とMeta Quest Proの両方で動的解像度スケーリングを有効にしており、フレームレートを損なうことなく、ゲームやアプリのピクセル密度を向上できる。
Meta Quest 3は複合現実と没入型のゲーム、そしてVRヘッドセットの可能性に新しい基準を打ち立てるが、Meta Quest 2は引き続きVRへの手頃なエントリーデバイス、表情や視線のトラッキングにより自然な表情で会議が可能なMeta Quest Proは仕事用に適したデバイスであり続けるとしている。
Meta Quest 2とMeta Quest Proは、Meta Quest 3と共に販売を続け、Meta Questシリーズの体験をより良いものにするため、新しいソフトウェア・アップデートも続けるという。