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パナソニック コネクト株式会社は、パナソニック コネクトのHDスタジオカメラ「AK-HC3900」を「ST 2110」に対応させる有償アクィベーションキーコード「AK-SFC391」を2023年度第2四半期に発売する。

今回のアップデートにより、パナソニック コネクトのHDスタジオカメラ「AK-HC3900」はSMPTE光ファイバーやネットワークスイッチなどを介してSMPTE ST 2110に対応した放送設備に接続でき、従来のようにCCU(カメラコントロールユニット)を使用しなくても、カメラからのHD非圧縮映像の伝送や、スタジオサブ設備からのリターンビデオやインカム音声をカメラ側に返せる。

同社はIT/IPベースのライブ映像プラットフォーム「KAIROS」を2020年9月より発売しており、本アップグレードにより、HDスタジオカメラAK-HC3900もカメラ本体からダイレクトにKAIROSにIP接続可能になる。

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HDスタジオカメラAK-HC3900

なお、上記製品は、2023年6月14日から16日に開催される北米最大規模の情報・AV機器展示会である「InfoComm」(米国フロリダ州オーランド)に出展予定。

開発背景

近年、インターネットやスマートデバイスの普及による映像視聴スタイルの多様化が進み、ライブ配信を含む映像制作需要が拡大している。特にコロナ禍による影響を大きく受けた屋外ライブエンターテインメント業界では、オンラインとオフラインのハイブリッド形式のイベントが増加した。5Gなど大容量・高速通信の拡大、そして「映像活用の一般化」によって、目の肥えた視聴者の期待を上回るクオリティや飽きさせないための新しい映像体験・表現・演出の提供を限られた予算の中で提供していくことが常に求められているという。

人手不足や働き方の変化に伴いIP伝送を用いたリモートでの映像制作・オペレーションへの転換も加速しており、映像の品質の確保と撮影現場の効率化の両立が映像制作現場の大きな課題となっている。

特に音楽コンサートなどのステージング映像のライブ放送・配信においては、ステージに併設された大型スクリーンや音響設備にも映像音声が同時に送出されるため、高画質かつ低遅延な伝送処理が求められる。

このような、映像制作現場の課題の解決に向け、パナソニック コネクトはスタジオカメラのソフトウェアアップデートにより、CCUレスによるコスト削減とST 2110による放送用グレードの非圧縮伝送を開発した。

特長

カメラ本体でSMPTE ST 2110による非圧縮HD IP伝送に対応

スタジオカメラでのSMPTE ST 2110接続対応は、従来はCCUを介して行われていた。パナソニック コネクトはリモートカメラへのST 2110実装対応を実現しており、HDスタジオカメラAK-HC3900に対しても、ハードウェアの改修なしにソフトウェアのアップグレードのみで同機能の実装を実現した。

これにより、AK-HC3900はCCUを使用しなくても本体から直接、放送グレードの非圧縮HD映像を低遅延でIP伝送が可能だ。また、ST 2110によるIPリターンビデオ(HD)、リファレンス信号(PTP)、TRUNK信号出力(HD)、プロンプター入力、IPインカム音声入出力にも対応している。

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KAIROSとの連携で、大規模ライブ配信でも省スペースで高効率・自由度の高いIPライブプロダクションが可能

ST 2110接続によりHDスタジオカメラAK-HC3900は、IT/IPプラットフォームKAIROSにIPネットワークを介して接続可能。KAIROSは従来の専用ハードウェア構成によるM/Eスイッチャーとは違い、GPU活用によるパナソニック コネクト独自映像処理技術により、低遅延・高品位な映像をGPUパワーの許す限り多重合成が可能なソフトウェアベースのライブ映像プラットフォームとなっている。

ST 2110接続時、1台のメインフレームKairos Core 100で同時に接続できる入出力数は最大48入力/32出力だが、メインフレームはわずか1Uラックサイズの省スペースで済む。しかもHDスタジオカメラAK-HC3900のCCUレス接続により、従来のベースバンドシステムではカメラの台数分必要だったCCUが不要となり、さらなる省スペース化と省線化による高効率な運用を実現できるとしている。

サステナブルな未来に向けた環境への貢献

パナソニック コネクトは、モノづくりによる環境負荷低減にグローバル全工場で取り組み、CO2排出量、廃棄物量、水使用量、化学物質排出量などを継続的に低減。また、商品が環境に与える影響を企画・設計段階から評価する製品環境アセスメントを実施し、環境性能を向上させた商品を製造している。

その取り組みから生まれたHDスタジオカメラAK-HC3900は、本アップグレードによるCCUレス化により、マルチカメラ運用時に従来システムより消費電力を約60%削減と大幅に低減できるという。