Blackmagic Designは、Apple iPhoneにデジタルフィルムカメラコントロール機能を追加するBlackmagic Cameraを発表した。AppleのApp Storeから無償でダウンロード可能。
Blackmagic Cameraは、iPhoneにデジタルフィルムカメラのコントロールとオペレーティングシステムを追加し、ハリウッドの劇場映画と同じシネマライクなルックを誰でも作成できるようになるという。インターフェースは、Blackmagic Designの受賞歴を誇るカメラと同じ、直感的かつユーザーフレンドリーな仕様。プロ仕様のデジタルフィルムカメラと同様の操作性が得られるという。
フレームレート、シャッターアングル、ホワイトバランス、ISOなどの設定をタップ一回で調整可能。また、業界標準の10-bit Apple ProResファイルで4Kまでに対応しており、直接Blackmagic Cloudに収録できる。Blackmagic Cloud Storageに収録することで、世界各地のエディターと同時にDaVinci Resolveプロジェクトで共同作業を行えるという。
Blackmagic Cameraには、すばやくセットアップして撮影を開始するために必要なコントロールがすべて搭載されている。すべてがインタラクティブで、画面のアイテムをタップすれば即座に設定を変更できるので、複雑なメニューから探す必要はないという。
ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、ステータス、収録パラメーター、ヒストグラム、フォーカスピーキング、レベル、フレームガイドなどを表示。ヘッドアップディスプレイの非表示は、上下のスワイプで変更できる。オートフォーカスは、フォーカスしたい領域をタップすることで実行可能。16:9または縦長のアスペクトレシオで撮影でき、目立たないように撮影したい場合は、携帯電話を縦向きにして16:9を撮影可能。メディア管理用のタブもあり、Blackmagic Cloudへのアップロード、チャット、高度なメニューへのアクセスを実行できるという。
ヘッドアップディスプレイ(HUD)には、レンズの選択、フレームレート、シャッターアングル、タイムコード、ISO、ホワイトバランス、ティント、ヒストグラム、オーディオレベルなどの重要なカメラコントロールが含まれている。露出の設定はISOインジケーターに、オーディオレベルはオーディオメーターに触れるだけで変更できるなど、すべてがインタラクティブで、画面のアイテムをタップすれば即座に設定を変更できるので、複雑なメニューから探す必要はないという。ヘッドアップディスプレイを非表示にして、イメージをフルスクリーンで表示するには、画面を上下にスワイプするだけとしている。
設定タブでは、モニタリング、オーディオ、カメラセットアップ、収録などの高度な設定にすばやくアクセスでき、携帯電話のカメラの真価を引き出せる。収録タブでは、ビデオの解像度および収録フォーマットをコントロールでき、業界標準のApple ProResやコンパクトなH.264およびH.265などから選択可能。さらに、アナモルフィック・デスクイーズとレンズ補正設定も搭載している。プロ仕様オーディオのオプションには、VUまたはPPMオーディオメーター、AAC、IEEE Float、PCMフォーマットが含まれている。外付けマイクを追加することも可能としている。
Blackmagic Cameraは、露出確認用のゼブラ設定、フォーカスアシスト、フレームガイドなどのプロ仕様のモニタリングツールも搭載。また、3D LUTを追加すると、映画のようなルックを再現できるという。
Blackmagic Cameraにはチャット機能が内蔵されているので、アプリ内でBlackmagic Cloudのプロジェクトメンバーがショットに関して話し合ったり、アイデアを共有することが可能。Blackmagic Cloudにログインし、作業中のプロジェクトを選択するだけで、メッセージを入力できる。エディター、アシスタント、カラリスト、VFXアーティストなどにすばやくメッセージを送信でき、ショットの選択について話し合ったり、プロジェクトの進捗状況を確認できる。該当のプロジェクトに関わっているスタッフ全員がメッセージを確認でき、必要に応じて返信できる。つまり、アプリ内で他のスタッフと連絡を取ることができ、重要なショットを逃すことがないという。
Blackmagic Cameraのメディアタブは、クリップの表示やスクラブ、メディアの検索や並び替え、メディアのアップロードステータスの確認などに必要なコントロールを搭載。写真にリンクさせたり、Blackmagic Cloudにアップロードするクリップを選択することも可能。Blackmagic Cameraのクリップフォルダーからメディアにアクセスするには、「Media」ボタンを選択して、保存したクリップのサムネイルを表示するだけだという。
携帯電話のファイルフォルダーにメディアを保存し、Blackmagic Cloudを介してBlackmagic Cloud Storageに送信したり、プロジェクトライブラリにアップロードするクリップをマニュアルで選択することも可能。Blackmagic Cameraから直接DaVinci Resolveプロジェクトにメディアを同期することもできるので、即座に編集やカラーグレーディングを開始可能としている。
Blackmagic Cameraのメディア管理は簡単で、場所とモバイルデータの通信エリアに応じて3つのオプションがある。携帯電話に収録したクリップはコンピューターに送信可能。これにより、携帯電話のストレージを空けることができ、後日、世界各地の他のユーザーとファイルを共有できる。または、Blackmagic Cloudにログインし、DaVinci Resolveプロジェクトを選択してから収録を開始できる。
それぞれの収録後、メディアは自動的にアップロードされ、そのプロジェクトのスタッフ全員と同期される。Blackmagic Cameraには、フッテージを携帯電話に収録し、ネットワークを使える状態になった際に、Blackmagic Cloudでアップロードするクリップをマニュアルで選択するオプションも搭載されているという。
Blackmagic IDを作成することで、Blackmagic Cloudにアクセスできる。これも簡単かつ無償だ。メディアタブでBlackmagic Cloudをタップし、Blackmagic Cloudのウェブサイトに進むと登録可能。自分のBlackmagic IDを作成したら、ログインしてプロジェクトライブラリをセットアップできる。ここでプロジェクトの作成およびCloud Storageへのアップロードが可能。
プロジェクトライブラリをセットアップしたら、Blackmagic Cameraをアプリから直接Cloud Storageに同期するように選択できる。Blackmagic IDを持っているユーザーを招待してプロジェクトを共有し、世界各地のエディターやカラリストと同じプロジェクトで作業できるという。
Blackmagic Cameraでは、撮影したビデオは瞬時にプロキシファイルとしてアップロードされ、次にカメラオリジナルが続き、最終的にBlackmagic Cloud Storageに保存される。その後、これらは世界中のスタッフ全員と自動的に同期する。プロキシを使用して編集をすぐに開始できるため、ワークフローを高速化できる。別々の場所にある複数のカメラからメディアを同じプロジェクトに追加でき、それらはBlackmagic Cloudを介して他のスタッフに自動的に同期されるという。
プロキシメディアを誰もが使用でき、カラリストやフィニッシングの担当者は高解像度のカメラオリジナルをダウンロードし、レンダリングできる。自動化された高速でシームレスなコラボレーション方法だという。
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
Blackmagic Cameraは実に革新的なワークフローであり、劇場映画品質のコンテンツをiPhoneを使用して作成できます。
Blackmagic Cameraはフレームレート、シャッターアングル、時刻タイムコード、ISO、ホワイトバランスなどのプロ仕様カメラ機能をiPhoneに追加するので、弊社のプロ仕様カメラに近いコントロールが得られます。さらに、Blackmagic Cloudワークフローでは、Blackmagic Cloudストレージに収録して自動的にDaVinci Resolveと同期できます。フッテージを数分でニュース編集室やポストプロダクションスタジオに届けられます!Blackmagic Cameraが従来のニュースおよびポストプロダクションのワークフローをどのように変えていくのかを見るのは本当にエキサイティングです。