Blackmagic Design導入事例:長編インディーズ映画「Too Much Life」の場合

Blackmagic Designによると、長編インディーズ映画「Too Much Life」のポストプロダクションに、編集、グレーディング、VFX、オーディオポストプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioが使用され、そのワークフローのサポートとしてBlackmagic Cloud PodネットワークストレージおよびDaVinci Resolve Mini Panelも使用されたという。プロデューサーのエリオット・ルーカス氏とソーヤー・ウッズ氏の指揮の下、Kauai Made Filmsにより制作された同作は、プリプロダクションからピクチャーロックまでThe Kauai Film Academyの250名以上の学生が制作を担った。

同作は、ケイトリン・ロペス氏が演じるハーパー・ハドソンの一見完璧そうな生活が、生徒会選挙で親友がハーパーと対決することを決めた瞬間から一変する様子を描いている。Garden Island Schoolで最も人気のあるハーパーは、他の学生から常に慕われることに慣れている。そんなハーパーは、人生で成功することよりも友情が大切であることを学ぶ必要があった。

ルーカス氏は、次のようにコメントしている。

ルーカス氏:カウアイは深い映画の歴史があります。しかし、ロケ地として大きなプロジェクトにより使われることは減り、その間隔もどんどん開いています。映像制作でキャリアを築くには、プロジェクトを自分達で制作する必要があります。そういった理由から制作部門としてKauai Made Films、映像制作を教えることにより人材を育成するためにThe Kauai Film Academyを設立し、カウアイにおける映像制作のコミュニティを広げています。

Blackmagic Design導入事例:長編インディーズ映画「Too Much Life」の場合

ルーカス氏:Kauai Made Filmsやアカデミーの設立などを実現できた要素のひとつは、映像制作におけるテクノロジーが急速に進化を遂げ、低価格になったことです。例えば、ハリウッドの大作映画と同じグレーディングツールを使うことができます。10年以上にわたってDaVinci Resolveを使用していますが、編集、VFX、オーディオ機能が追加されるたびに、私のワークフローもアップグレードしてきました。

同作の撮影は2年にわたって行われ、その間にDaVinci Resolve Studioがアップデートされるたびに、その利点を制作に活用したという。

ルーカス氏:新機能が毎年Resolve、Fusion、Fairlightに追加され、それらのプラグインやツールのおかげで、本作のポストプロダクションを行う手段は大きく変わりました。

Resolveはワークフローを高速化するだけでなく、作品を向上させます。

例えば、サーフボード上のハーパーの夜間シーンがあったのですが、2週間にわたって撮影したので、空と天気が変わっていました。他のプログラムでトラッキングしたり、ショットを同じようにするための作業を試みたのですが非常に難しく、困っていたところ、その当時新たにResolveに追加された空の置き換えツールを使うことを思いつきました。瞬時にトラッキングの速度と精度が大幅に改善されました。他のプログラムで時間を掛けて修正する価値はないと判断していたショットが、Resolveでは問題を解決できただけでなく、シーンを完璧なものにできました。

また、同作のポストプロダクションのワークフローにおいて、DaVinci Resolve Studioが一つのソフトウェア内でポストプロダクションの複数の分野に対応していることに非常に助けられたと同氏は語る。

Blackmagic Design導入事例:長編インディーズ映画「Too Much Life」の場合

ルーカス氏:本作では、水中のシーン、フェスティバル、木にゴルフカートが衝突するシーン、ディベート、トランシーバーで話す人々、エフェクト、フォーリーなどのシーンがあり、サウンドデザインは複雑です。

ミキシングとマスタリングは外部に依頼するつもりでしたが、公開日が決まり、時間がないことが分かった時点でそれは選択肢から外れました。幸いにもResolveにはFairlightページが搭載されているので、エフェクトやEQを使用し、作業をしながらサウンドデザイン、ミキシング、クリーンアップ、ADRを学びました。

同氏によると、特にADRを活用することで同作に転機が訪れたという。

ルーカス氏:ADRでは、俳優が画面外にいる時のセリフを変えたり、元々は使えないと思っていたショットを使えるようにできました。物語を調整できる柔軟性があり、編集を常に変えられることには非常に助けられ、Resolveのツールはそれをサポートしてくれました

本作はポストプロダクションで完全に変わりました。

Resolveは、編集、カラー、VFX、オーディオを統合し、すべてのツールが一つのソフトウェアに搭載されているので、ポストプロダクションにより本作をより良い作品にすることができました。以前は、編集を確定した後に、カラーグレーディングに移ったり、別のプログラムを使用する必要があり、カラーグレーディング、VFX、オーディオが編集に影響していました。以前は、アプリケーション間を移動する時間がなかったので、特定のショットで作業できなかったのですが、ResolveではカラーページやFusionページをすばやく行き来して、微調整を加え、ショットを使えるようにできました。

最終的には、単純にOKなレベルではなく、撮影したものを最大限に活かした作品に仕上げることができました。「Too Much Life」の可能性を最大限に活かすことができるツールと速度を使用して作業できました。

Blackmagic Design導入事例:長編インディーズ映画「Too Much Life」の場合