Blackmagic Design導入事例:劇場映画「Alien Country」の場合

Blackmagic Designによると、YouTubeチャンネルRenny and Bostonで知られる映像作家兼コンテンツクリエイターのレニー・グラムズ氏とボストン・マコノヒー氏が、劇場映画「Alien Country」の制作において、Blackmagic Designを使用したという。

両氏はYouTubeでの成功を活かし、過去数年にわたって制作を行っていた同作を完成させた。同作品は、視聴者やフォロワーと直接交流しながら制作されたという。

マコノヒー氏は、次のようにコメントしている。

マコノヒー氏:私たちのYouTubeチャンネルは、テレビゲームに基づくコントや短編ファンフィルムの配信チャンネルとして始まり、ゆっくりとですが、着実にフォロワーを増やしていきました。それに加えて、商業コンテンツを手掛けたことで、長編コンテンツに移行するための土台を築くことになりました。長編の制作には常に興味がありました。

いわゆるミニスタジオやYouTubeからの映像作家たちが、テクノロジーの民主化のおかげで大手スタジオに引けを取らない映像を制作しています。そういった映像作家は、すでにYouTubeで交流を行っている視聴者がついてくる点で付加価値をもたらします。

テーブルには両方の余地があります。スーパーマーケットでよく知られたメーカーの商品を買うこともあれば、作った人と直接関わることができるファーマーズマーケットで自営の人たちや近隣で作られたものを買うこともあります。

同作で両氏はこのモデルが存在することを証明した。映像・インタラクティブメディア制作会社であるStory Modeをグラムズ氏とマコノヒー氏は立ち上げ、舞台裏や制作過程、チュートリアル、映像制作に関する教育的リソースを自身のYouTubeチャンネルで公開することで、映像制作のプロセスを視聴者と共有している。

決して現状に満足しない

グラムズ氏:本作は8年にわたって構想を練っていたため、わずか19日のメインの撮影だけでプロジェクトを決定づけたくないと考えていました。

この19日間では1日12時間作業を行い、できる限りのことを詰め込みましたが、追加ショットの撮影が、結果的に自分達が実際に撮影したものと思い描いていた作品との間に違いを生みました。

Blackmagic Design導入事例:劇場映画「Alien Country」の場合

Blackmagic Pocket Cinema Camera 4KおよびBlackmagic Pocket Cinema Camera 6Kデジタルフィルムカメラで、両氏は二人だけで砂漠に撮影に行ったり、少人数のスタッフと共に追加ショットやドローンの映像を撮影した。また、自宅の車庫でグリーンバックを使用してVFXのショットも撮影したという。

グラムズ氏:Blackmagic Designの製品で撮影したこれらのショットがなければ、作品の出来に影響していたでしょう。これらのカメラはシネマライクなルックが得られつつ、コンパクトであり、芸術面における私たちのビジョンを実現してくれたため、求めていたレベルの作品に仕上げることができました。

カメラの柔軟性が高いので妥協する必要はありませんでした。

典型的な80年代のSFのルックを再現するために、両氏はMagic Boosterとカメラの6Kセンサーを用いてBlackmagic RAWで撮影することで、メインのショットとマッチさせた。Pocket Cinema Camera 6Kの高解像度とコンパクトなフォームファクターは、ドローンでの撮影において特に役に立ったという。

マコノヒー氏:狭い峡谷で登場人物を追いかける地球外生物の視点からの映像を撮りたいと考えました。Pocket Cinema Cameraをドローンのスタビライザーに載せ、数十の美しいショットを撮影しました。カメラは簡単にリュックに入れて持ち運び可能で、ハンドヘルドでも、リグやドローンなどに載せても使用でき、一人で組み立てられるので簡単に準備できます。

グラムズ氏:これらのカメラでは映像作家としてレベルアップできるショットを撮影できます。私たちのスタジオは大きくありませんが、かと言って優れたコンテンツを制作できない理由はありません。ドローンのショットのうち、鳥肌が立つようなショットが一つあります。トウモロコシ畑の上を飛ぶ球体の物体からの視点で、作品の質を示すショットだと思います。

ディテールへのこだわり

広大なドローンのショットから日の出の細部にわたるディテールまで、両氏はこだわったという。舞台裏で行われる微細な調整にかける時間と手間に、誰も気がつかないことをグラムズ氏は強調する。

Blackmagic Design導入事例:劇場映画「Alien Country」の場合

グラムズ氏:夜から昼へのすばやい移行が必要で、メインの撮影でそれを実現できることはあり得ませんでした。そこで、数ヶ月後にPocket Cinema Cameraを持ってロケに出掛けたんですが、完璧な日の出を撮影できました。

激しいアクションシーンが二つあり、一つはスタントカーレース、もう一つはロデオ競技場での巨大なエイリアンとの戦いです。スタッフが限られていたので、Blackmagicのカメラをスタントカーの横に取り付けて、インディーズ映画とは思えないスケールと視点を生み出すことができました。このカメラは、このようなゲリラスタイルの撮影にピッタリですね。

マコノヒー氏は、多くの人にとって、予算が創造性を妨げる要因だと考えているという。

マコノヒー氏:そういった人たちは、考え直す必要があります。現在は、Blackmagic Designのようなテクノロジーがあるため、優れた作品を制作する能力があるんです。

ポストプロダクションにおいても、DaVinci Resolve Studioはカメラに無償で同梱されており、多くの編集、VFX、オーディオツールが過去数年にわたって追加されています。このような手頃で多機能なテクノロジーでは、視覚的に競争力がある映像をわずかなコストで制作できます。

創造面における自由

ポストプロダクションでは、カラリストのベン・ホフマン氏がDaVinci Resolve Studioでフィルターやハレーションを使用して、フィルムストックのようなルックを作成した。さらに、同氏はカラースキームも強調し、グラムズ氏の役であるエバリーの服や渓谷での環境が赤、街が青、主役ジミーを務めるK.C.クライド氏の運転する車は青に設定した。物語が進行するにつれて、エバリーは青いトーンの服、ジミーは赤の服を着るようになり、作品の最後に向かって紫色に変わって行く。

DaVinci Resolve Studioでマコノヒー氏が編集を手掛け、Fairlightページで初期のサウンドデザイン、ティーザーや予告編用のミキシング、Fusionページで最終的なエフェクトを作成した。

マコノヒー氏:ポストプロダクションでも微細なディテールにこだわり、例えば屋根から地球外生物が飛び降りるシーンに、Fusionでカメラシェイクを追加しました。このような微細なエフェクトを10ヶ所くらいに追加し、最終的な作品の完成度を高めました。私は、サウンドエンジニアでもカラリストでもありませんが、DaVinci Resolveではこれらのツールがすべて指先に搭載されているので、創造性を発揮する上で障壁になるものはありません。

同作の詳細は、こちら

先行上映については、こちら

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