ニコンは、米国ネバダ州ラスベガスにて現地時間1月9日より開催される「CES 2024」に出展する(ラスベガスコンベンションセンター/ブースNo.18724)。
ニコンは、中期経営計画(2022~2025年度)で2030年のありたい姿として、「人と機械が共創する社会の中心企業」を目指しているという。「CES 2024」では特に「共創」をテーマとし、「クオリティオブライフ(QOL)」と「インダストリー」の二つのエリアでニコンの先進的なソリューションや製品を紹介する。
クオリティオブライフ(QOL)
QOLのエリアでは、「ライフアンドエンターテインメント」と「ヘルスケア」の二つのフィールドでニコンが提供するソリューションや製品を展示する。
「ライフアンドエンターテインメント」コーナーでは、フルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ「ニコン Z 9」(2021年12月発売)、「ニコン Z 8」(2023年5月発売)、「ニコン Z f」(2023年10月発売)をはじめとする映像製品の体験コーナーに加えて、フランスのUnistellar SAS(CEO: Laurent Marfisi)と共同開発したデジタル天体望遠鏡の「ODYSSEY PRO」と「ODYSSEY」で天体観測デモも体験できる。
また、昨年に引き続き、現実世界と仮想世界が融合した映像を撮影する体験型展示「The Unreal Ride」を設置する。巨大なLEDスクリーンに映し出された映像を背景に、SUV車に乗り込んだ参加者をレンズで捉えると、まるで森林を走り抜けているように撮影することができる。撮影にはニコンの子会社で、映像機器のロボット制御ソリューションを提供するMark Roberts Motion Control Limited(CEO: Assaff Rawner、本社:英国)のモーションコントロールシステムであるハイスピード・ロボットアーム「BOLT TM X」を使用し、アームの先端には「Z 9」を搭載している。現実世界と仮想世界を組み合わせる高度な技術はバーチャルプロダクションと呼ばれ、これによりクリエイターは時間、季節、場所にとらわれることなく、あらゆる背景での撮影が可能になり、テレビや映画、広告等の撮影における活用が期待できる。
「ヘルスケア」コーナーでは、CES初出展の顕微鏡実機体験や、顕微鏡写真のコンテスト「Nikon Small World」の作品を通じ、顕微鏡を通した科学と芸術が融合する見えない世界への没入体験を楽しめる。
ニコンは、「ライフアンドエンターテインメント」や「ヘルスケア」のフィールドを通してイノベーションを起こし、人々のクオリティオブライフの向上を支援するとしている。
インダストリー
インダストリーのエリアでは、ニコンが特に注力しているデジタルマニュファクチャリング領域の「ファクトリー」と「エネルギー」のフィールドでニコンが提供する最先端のソリューションを展示する。
「ファクトリー」コーナーでは、ニコンが開発するロボットビジョンをロボットアームの先端に装着し、対象物を柔軟、高速かつ正確に捉え、作業する様子を展示している。ロボットビジョンシステムは人間の目以上の動体視力を実現し、人間にしかできない超高精度で複雑な作業をロボットが行う未来を思い描いている。
また、アディティブマニュファクチャリング領域では、昨年完全子会社化したNikon SLM Solutions AGの金属3Dプリンター(Laser Powder Bed Fusion方式)を用いて製造した衛星部品や、ニコンの次世代金属3Dプリンター(Directed Energy Deposition方式)で加工したタービンブレードや燃焼器を展示する。
「エネルギー」コーナーでは、リブレット加工を展示。サメの肌にヒントを得たリブレット加工は、レーザーで素材の表面に微細な溝を形成する加工で、航空機の機体や風力発電のブレード、タービンなど施工することで、素材の摩擦抵抗を低減し、燃費や発電効率の向上、CO2排出量の削減に貢献することができる。ブースでは、航空機の大型模型を用いてリブレット加工の様子や、加工サンプルを展示する。
ニコンは顧客の体験価値やイノベーション創出に寄り添うソリューションを提供し、人と機械がよりシームレスに共創していく世界で人間の可能性を拡げ、豊かでサステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。