Blackmagic Design導入事例:「日テレ・テクニカル・リソーシズ(NiTRo)」の場合

Blackmagic Designによると、日本テレビグループの総合技術プロダクション、日テレ・テクニカル・リソーシズ(以下:NiTRo)の配信スタジオ「M-CUBE」でATEM 4 M/E Constellation HD、ATEM 2 M/E Advanced Panel、ATEM 1 M/E Advanced Panel、HyperDeck Studio HD PlusやUltimatte 12 4Kなど多数のBlackmagic Design製品が使用されているという。

NiTRoでは、テレビ制作の技術業務のほかに、ここ数年配信の仕事も手掛けており、2023年から稼働開始したスタジオ「M-CUBE」では、日本最大級の格闘技ゲームのeスポーツリーグの配信および収録が年間を通して行われた。

そのスタジオにメインスイッチャーとして導入されたのが、BlackmagicのATEM 4 M/E Constellation HD。コントローラーには、ATEM 2 M/E Advanced Panelを使用している。そのほか、再生や収録用にHyperDeck Studio HD Plusを4台、HyperDeck Studio HD Miniを7台、HyperDeckのコントローラーとしてHyperDeck Extreme Control、クロマキー合成用に3台のUltimatte 12 4Kと専用コントローラーのUltimatte Smart Remote 4も使用している。

Blackmagic Design導入事例:配信スタジオ「M-CUBE」の場合

同社制作技術部の岩原正明氏は、次のようにコメントしている。

岩原氏:Blackmagicのスイッチャーは弊社でもすでに別のモデルをいくつか使用していたので、安心感があり、機能面でも今手掛けているeスポーツの番組にマッチしていました。他社製品と比べてコストパフォーマンスが高く、必要な機能が揃っていたのでATEM 4 M/EConstellation HDに決めました。一番の決め手だったのが、入出力数が多いことです。

さらに、MADI出力をこのスイッチャーでできることも重要でした。現在レギュラーで配信しているeスポーツの番組の入力数が27系統ぐらいあって、そのうち15系統くらいが音声付きの素材です。それらをすべて音声卓に入れる必要があるのですが、音声と映像を分離する際に、普通であれば専用機が必要になります。ところがこのスイッチャーであれば、MADI出力で各入力の音声が出てくるんです。

小さなスタジオなので、別途機材を準備しなくてすんだことは、スペースの面とコスト面の両方でかなりポイントが高いです。

また、冗長化のためにスイッチャーもコントロールパネルも2式導入しており、トラブルがあった場合でもすぐに対応できるようになっている。

岩原氏:ATEM 4 M/E Constellation HDは2台設置しています。IPアドレスを切り替えるだけですぐにスイッチャーを変えられるのは便利ですね。

スペース的な問題で、メインのスイッチャーのコントロール用にはATEM 2 M/E Advanced Panel、バックアップ用のコントローラーにはATEM 1 M/E Advanced Panelを導入しましたが、シンプルな内容だとあえて1 M/EAdvanced Panelを使うといった柔軟な運用ができています。

Blackmagic Design導入事例:配信スタジオ「M-CUBE」の場合

Studio HD MiniはシンプルなVTR再生用として、またUVC規格に対応していることからリモート中継で映像をHyperDeck経由でコンピューターに送ったり、中継先の相手の映像を受けたりするのに使用している。また、Ultimatteと組み合わせて使うため、ビデオのフィルとキー信号を出せるHyperDeck Studio HD Plusも4台導入し、再生用と収録用に使用している。

岩原氏:eスポーツ大会のスポンサーのロゴを画面上にループで出す時やオープニングムービーでキーが付いているものを流す時など需要も多いです。HyperDeckでフィルとキー信号を出したものをUltimatteに入れて合成します。

現在、レギュラーで手掛けているeスポーツの配信は5つの異なるプラットフォームで配信を行っているという。

岩原氏:それぞれのプラットフォームでCMを入れたり、入れなかったりちょっとずつ内容が違うので、ATEMのマクロ機能を駆使して対応しています。特に、ATEMは出力のデスティネーションもマクロで設定できるのは便利でした。24系統の出力をマクロを組んで、回線ごとにCMを入れる、入れない等をすべて自動的に切り替えることができました。

このeスポーツの案件は、スイッチャーでやることの規模が大きかったので、今までとは違う使い方もしていますが、それを含めても、ATEMはとても使いやすいですね。

Blackmagic Design導入事例:配信スタジオ「M-CUBE」の場合