AJA Video Systems(以下:AJA)は、リアルタイムでの色変換に対応するカラーマネジメントワークフロー向け製品「ColorBox」の無料ソフトウェアアップデートv2.1を発表した。同社WEBサイトからダウンロードできる。
ColorBox v2.1は、実際のユーザーからのフィードバックに基づく多数の新機能を提供。4K/UltraHD HDR の制作作業を合理化し、撮影現場からポストプロダクションまで、新たなワークフローの促進を実現するとしている。
ColorBox v2.1では初めて、撮影現場でフッテージをグレーディングするためのプロフェッショナルツールPomfortのLiveGradeと共同でACES認定ロゴを取得した。
今回の認定は、AJA ColorBox と Pomfort LiveGrade の両製品が、映画芸術科学アカデミーが開発したカラーマネジメントおよび画像交換システム「ACES(Academy Color Encoding System)」に基づくワークフローに対応していることを保証するものだ。
ファームウェアv2.1の主要な機能は、SDIおよびHDMI出力の4K/UltraHDダウンコンバージョンと、HDMI 出力の4K/2Kクロップだ。これらの機能は、プロの撮影現場で既存のHD モニタリング用機器を有効活用させるための費用の圧縮に繋がる。今回のアップデートでは、ACESパイプラインが追加された。
ACESメタデータファイル(AMF)をColorBoxに読み込み、現在主流なフォーマット間の色変換を可能にする。さらに、ARRI Wireless Video Optimized LogC4(WVO LogC4)への対応も加わった。ワイヤレス送受信(Tx および Rx)システムによって引き起こされるバンディングの除去に役立つという。
AJA社の社長、Nick Rashby氏は次のようにコメントしている。
Rashby氏:ColorBox v2.1では、プロダクションが既存のモニターや機器を使用して、撮影現場での 4K カラーワークフローを管理しやすくすることに重点を置きました。今回のアップデートでは、制作現場に進歩したワークフローをより簡単に導入できるように支援し、コスト効率を向上する機能を追加しました。
HDモニターで4Kを正確にレビューするための機能や、制作チーム内の多くの部門へ簡略化されたAMF処理を提供する機能、ARRI WVOによりLogC4を容易に復元できる機能などを提供します。
AJA ColorBox v2.1 の主要な機能
- SDIおよびHDMIで4K/UltraHDをダウンコンバージョン出力
撮影現場などで4K対応機器を利用できない場合でも、4Kから2K、またはUltraHDからHDにダウンコンバートして、SDIおよびHDMIで簡単に出力可能。 - HDMI出力の4K/2Kクロップ機能
4KをUltraHD、または2KをHDにセンタークロップし、スケーリングせずにHDMI出力する。民生向けのUltraHDおよびHDディスプレイとの幅広い互換性を確保。 - AMF処理に対応するACESパイプラインを追加
AMFワークフローにより、映画制作のすべての工程で色の相互運用性が向上し、作業効率を高める。AMFファイルは、ACESパイプラインに必要なIDT、LMT、RRT、ODTなどのデータをキャプチャーし、単一のXMLファイルにまとめる。このXMLファイルは、撮影現場の制作チームやポストプロダクション、最終的なグレーディングの制作メンバーにも簡単に共有できる。AJA ColorBoxには、従来から他にも5種類のパイプラインが統合されている。 - ARRI Wireless Video Optimized LogC4(WVO LogC4)をサポート
ARRI Alexa 35で LogC4を使用する際に、一部のワイヤレス送信(Tx)および受信(Rx)システムによって引き起こされるワークフローの課題を解決する。ColorBoxに直接組み込まれた復元用WVO 1D LUTにより、既存の機器でLogC4をより簡単に活用できるため、時間と費用を節約できる。 - Colorfront Live ModeのSDRプレビュー機能
HDRモニターの設定を変更しなくても、SDRに変換した場合の見え方をHDR出力で再現し、素早く確認できるようにする。Colorfront Engineは、HDRをSDRに変換した状態を正確に再現した色味にマッピングしてHDRを出力する。出力フォーマットをSDRに変更したり、ディスプレイの再設定を行ったりする必要がないため、時間の節約に繋がる。 - BBC HLG LUT v1.7に対応
最新のBBC HLG変換アップデートに対応した。
AJA ColorBox v2.1 は、NAB ShowのAJAブース(No.SL3065)でも展示予定。